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「65話」 自己溺愛少女


 ニアくん……


 ワタシは活動が完全に停止した教義(ドグマ)の中で1人項垂れていた。


 昨日まで、確かに生命活動をしていた彼ら、ホムンクルス達は魔力供給を失い徐々に形状崩壊を起こしていた。


 ワタシは、そんな教義(ドグマ)の最奥……第9教義(ドグマ):コキュートスに足を運んでいた。


 上からは断続的な地響きが聞こえてくる。


 ニアくん……ニア・リベリヲンがグレイプくんたちと戦っているのかもしれない……


 「勝てるわけ、無いのに」


 ワタシは、目の前の空っぽに成った培養槽を見てつぶやいた。


 この、コキュートスに唯一安置された培養槽……


 ニアくんは、このルシファーを封印(・・)してあった培養槽のことを聖櫃と呼んでいたっけ……


 また、地響き。


 「ルシファーに……リベリヲンに敵うわけが無いのに……」


 ワタシの言葉がドグマに響いた、その瞬間。


 「そうと言い切れるわけでもないだろう?」


 ワタシ以外の声が響いた。


 私はそのどことなく聞き覚えのある声に弾かれるようにして顔を上げた。


 誰……⁈


 私が顔を上げたそこには、やはりどこか見覚えのある……赤い髪の少年が居た。


 歳の頃は私と同じ……10歳くらいかな?


 ……10歳で赤い髪の毛の少年……!!


 まさか……


 ーー王子、様……?


 そう、前にも話しかけられたことのある……


 今は無い、二つの亡国の血筋を受け継ぐ、由緒正しい……


 「レンゲ……様……?」


 私の弱々しい声がドグマに響く。

 反響した音に赤毛の少年……レンゲ様は苦笑する。


 「もうオレは王子じゃない……ただのレンゲで良いよ……」


疲れたように笑みをワタシに向けてくるレンゲ……くん。


   あ……そんなことより


 「なにを、しにきたの……?」


 何故知っているの?


 この、空間のことを。


 この質問には、驚きの回答が待っていた。


 「■■■■■■■■■■■だろ?」




 


 

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