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「6話」 父!魔力!

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☆


Lv.1『“降臨”』→天使の耳・天使の眼

Lv.2『“ベウラの宴”』→其れらの昇格

な。イメージです!Lv.3はどうしよう?

俺は今村で一番大きな建物……教会の中にいる。 勿論“神様”とやらに祈る為じゃない。

流石にあのジジイの上司には祈らん。


まぁ、神を祈る訳でも無い俺が何故教会に来ているかと言うと……


「ニアくん。ここの綴りが間違っていますよ」


そう言って俺に教えてくれるのは教会の司祭様。

まぁ、俺は……文字を習っている。

因みに紙なんて物は無いので黒板だ。


……文字なんか親に習え、と言うかも知れないが どうにも識字率は良く無いらしく。

この村で文字が読めるのは村長と司祭様だけだった。


で、教会の方が家から近いし、祈りの文とかでこの世界の言葉に耳を慣れさせようとしているのだ、が。 文字の方はまずまず順調だが、発音はやはりまだ苦手だ。

どうにも日本語の先入観が強くて上手くいかない。

まぁ、教えてもらっているのは文字だけでは無い。

簡単な歴史や地理についても教えてくれた。


「ん……シサイ様。出来た」


俺はやはりカタコトのまま司祭様に黒板を渡した。はぁ……速く普通に喋りたいなぁ。


☆


俺は教会から家に帰って、真っ先にグレイプの元へ向かった。

だって帰ったら遊ぶって約束してたし?


「にいちゃ!あそぼ!」


俺が帰る成りグレイプったら腕を引っ張って部屋の中に入れてくれた。

あぁもう!かわいいなぁ!


うーん、今日はなにしようかなー?


俺がそう思ってグレイプとくるくる回っていると編み物をして居た母が案を持ち出した。


「じゃあ、二人とも、ママと一緒にお菓子つくる?」


お菓子……という言葉に眼を輝かせたのはグレイプだった。

母はこの村でも料理が上手い人で たまに作ってくれるお菓子も大変美味だ。


「「はーい!」」


兄弟(おれたち)の仲の良い声が狭い家に響いた。


作るお菓子はクッキーの様で母がいそいそと道具や材料を用意してくれた。


俺もグレイプも台所は背が足りないからいつか父が作ってくれた台に乗る。

俺としてはグレイプが落ちないかハラハラ物なお菓子作りだった。


☆


なんとか無事にクッキーは完成した。いやー、前世で喫茶店でアルバイトしてて良かった。金もらう前に潰れたけど。


「クッキーいっぱい~♪ 」


「ん……いっぱい」


グレイプは机一面に置かれたクッキーに眼を輝かせて居た。

正直俺も楽しんでいる。

母も「パパはいっぱい食べるからね」と言って食べ切れなかったクッキーを見て笑った。


事実、父は帰ってきてクッキーを渡されると、ペロリと食べてしまった。……細身の体の何処にしまわれているんだろう?


俺がその事を父に聞くと、父は……


「……ボクは、コレでも魔力持ちだからね。ニア達よりも食べる量が多いんだ」


 と、少し寂しそうな笑顔を浮かべて返されてしまった……ん?

魔力! ?


  「父、魔力 ナニ? 」


俺のこの質問がわからなかったのか、其れと もこっちの聞き方が悪かったの。父は目を丸くした。

 なんだその顔は


 「え⁈ ニア、魔力を知らないのかい?」


 知らん、知っとたら聞いとらん。そう言う思いを込めて父を見つめると何故だか納得された。

 何があった、父よ。


 「そうだね、言っていないから仕方が無いか……グレイプもおいで。 ちょっと難しいお話をしよう」


 そういって俺たち兄弟を半ば強引に膝の上に座らせる父。引き締まった足は硬くて座り心地は良く無かった。


  ーー曰く。この世には魔力が在る。しかし、其れは全ての人間に扱える訳では無い。

平民は勿論。貴族すらも魔力を扱えない者は少なくないそうだ。

 魔力を持っている人は常人とは別にエネルギーを使うため、父の様に食事の量が多くなる。

 父は魔力を扱う事で身体能力を付加さている。


  そこまで言って言葉を切る。

父は微笑んでいたが、碧い眼は何故だか……哀しげに見えた。


 その眼はもっとナニかを語たそうだったが、きっと其れは子供に聞かせる物じゃないんだ。

  ……父親って、強いな。


 その日の夕食も、父は沢山食べた。


☆


 魔力……か。

俺は寝床に入るなり、それを思った。 グレイプはもう寝ている。


  俺達を挟む様に父と母は寝ている。俺の隣は父だ。

  布団から出た、包帯の巻かれた腕が痛々しい。


  父の時折見せる寂しそうな表情の意味が分かった気がした。

そして、父の毎日の毎朝の鍛錬も……


 そして、俺はふと、父の顔を見た。すると 父の碧色の瞳とぶつかった。


 「あ……」


 どうやら、父も俺の事を見てくれていた様だった。……その事に気恥ずかしさを覚える。


「……ニア」


 不意に父に名を呼ばれた。改めて見る父の顔はこれまで見た中で最も真剣で、悲痛だった。


  「ニアは……ボクの事が怖くなったかい?」


 低く、囁く様な…其れでいて呻くような声で俺に問う 父。


 俺は首を横に振った、最初から他にかける言葉なんか無い。そもそも喋れた所でカタコトだ。


「そうか……ありがとう」


 そう言ったきり、父は喋らなかった。そのうちに俺も眠ってしまった。


 ☆


 「う~、眠い……」


 はろー、朝靄の中で棒を振り回しているニアだ。

 眠いし寒い。 と言ってもこれが普段運動しない俺の唯一の運動だ。

 其れに最近ではこうやって棒を振っている時の方が言葉を覚えれる事が分かった。

 確かに前世でも、疲れている時の方が記憶力が良くなるらしい。みたいな話を聞いたしな。


  「にいちゃ! ぐれいぷとしょーぶ! 」


 と、俺が思案していた時に、マイブラザーが突撃して来た!

ふっ……!甘いぞ!


 「よって自分たちは神に仕えている……」


 俺はグレイプの二歳時とは思えない速さの攻撃を受け流しながら聖典の一部を唱えていた。

  なんで聖典か? だって覚えてる言葉がこれしか無いもん、毎回聖典だしね。

 ……後々俺はこの事に後悔するのだが。


 と、俺がグレイプに一本入れて終わり。……何回か俺が負けかけたのは内緒だ。


  「ん……勝った! 」


  「う~またまけた!」


 ふっ……グレイプよ、俺は兄として弟には負ける訳にはいかんのだよ。

  俺がグレイプと打ち合っているのを父は微笑みながら見ていた。昨日の表情が嘘の様だった。


☆


 朝の鍛錬を終えると、俺とグレイプは朝食の為に家に帰る。

父はそのまま自警団の詰め所へと出勤だ。


 「父……いてらっしゃい」

  「いってらっしゃい! ! 」


  俺とグレイプの「いってらっしゃい」に  父はただ、片手だけで答えた。 何故だか、不安だった。


 そう思った瞬間だった。

【《天界(ヘヴンズ)の扉(ドア):Lv.2》『“ベウラの宴”』】が自動的に発動された。


……何時の間にLv.2 ?


【《天界(ヘヴンズ)の扉(ドア):Lv.2》『“ベウラの宴”』】

1月に1度だけ あらゆる存在への絶対命令権……


何に使えと?


だけど、俺はこの時にこの力を使える事を、後々感謝した。



「『父……! 行っちゃダメ!』」




今回は来異夢作品では珍しく父親の活躍するおはなしかぁ……!


感想やツッコミなどお待ちしております!

かもーん

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