「48話」 対話とか!
作者「今回はライバルくんとの対話!」
ニア「“とか”の意味が全くないな」
横たわる俺、隣からは心配そうな碧い眼が見つめている。
(コイツは……)
俺は、俺を見下ろす紅い眼に心惹かれる様な気がした。
キレイ……
ただ、それだけが俺の思い描い感想だ。
この、医務室と言う白色こそが絶対の世界で、そのグレイプの碧とは対照的な……リーフとはまた違う紅蓮の双眸……
俺は、そんな瞳から暫く目をそらす事ができないでいた。
(コイツ……まさか……)
この少年から放たれている独特な雰囲気……
どこか透明でつかみどころがなくて……しかし、
ある事が明確に伝わってくる……
それは……!
「……グレイプ、少し…席を外してくれ……」
「……っえ?」
俺の言葉に驚愕の表情を浮かべるグレイプ。
その黄金の髪もまた、驚いた様に跳ね上がる。
「……頼む」
思えば、これが10年来初めてのグレイプへのわがままかもしれない。
「……わかったよ……」
まだ何か言いたげなグレイプだが、今は仕方がない。
俺は、ユックリと遠のくグレイプの後ろ姿を見ながら、どう言葉を紡ぐか考えた。
そして、グレイプの姿がすっかり見えなく成った頃。
そいつが先に口を開いた。
「……なぁ、あんた…何もんなんだ?」
その質問はあまりに単純で……
それだけに俺も笑みを浮かべてしまった。
そりゃあな……
「それは、此方のセリフだよ月桂樹くん?」
俺が、彼の名前をいった瞬間に、彼はおもしろいくらいに狼狽えた。
紅の瞳が激しく揺らぐ。
「な…なんで、俺の名前を……?」
俺は、そんな彼の狼狽っぷりに口角を上げた。
「なに、講師が生徒の名前を知っている事のなにがおかしいかね?」
すう、と気持ちが楽になる。
「キミこそ……なにをそんなに狼狽える必要があるんだ?」
俺の予想が正しければ……
この子は、おそらく……
☆☆☆
ローレルくん目線
オレは、目の前で微笑む新緑の瞳に怯むしか無かった。
(な…なんなんだ、コイツ……)
オレは、先ほどのコイツの言葉が頭の中で巡り初めた。
『それは、此方のセリフだよ月桂樹くん?』
オレの名前をコイツが知っているのはまだわかる。
けれど、どうしても前半のセリフの意味がわからなかった。
それはつまり……
この世界にとって、“オレ”という存在が異質である事を知っている奴の言葉だった。
(でも…なんで……?)
……確かに、元々オレはこの世界の住人では無い。
だけどしかし……
俺にとってもコイツ……
ニア・アウグスティヌス=アントニウスは異質な存在だった。
なにせ、元々オレの知る筋書きには全く存在する筈の無い人物だからだ。
オレは、大きく息を吸った。
「お前こそ、質問に答えろよ……アンタは、なにんだ?」
オレは、最初から返答など期待していなかったのかもしれない。
しかしそれでも、些細な会話から得られる情報は望んでいた。
「俺か? 俺は、グレイプの兄で、
学院の講師だよ……」
色素の薄い茶の前髪の向うで、
明るい翠の光が溢れていた。
やっぱり……
オレの知ってる“原作”のシナリオにはこんなキャラはいなかったはずだ。
だから、オレと同じ様な存在なのかと思って声をかけたが……
あの時……
本当はグレイプが死ぬ筈だったイベントの時に見せた涙は肉親に対する物だった。
だから……
「なぁ、アンタ……
ココが、何処か知っているか?」
発破をかけてみようと思う……
緑の瞳はなにも答えない。
此方は、訳もなく心臓がバクバクといっている。
口の中もカラカラで喉が乾いた。
それだけに、こいつからは得体のしれない……
何か、ヒトを超越した様な空気をまとっていた。
と、その瞬間……
スッ、と
ソイツの眉毛が悩ましげに歪められた。
眼は思案する様に細められる。
「キミは……おかしな事をいうね…… ここは……ッ⁈」
そういって、突然言葉をつまらせるニア。
どうしたんだ?
今度は、俺がこいつを訝るバンだった。
「……そんなバカな……在り得ない……⁈ 」
目を最大限見開いて虚空に向かって叫ぶニア……
その空気は、さっきまでの威圧感に比べて、あまりに凍えていた。
「ッチィ……! “申し子”よ、
話はここまでだ……」
そう、奴が怒りの……いや、
悔しさの形相で叫んだと思ったら、
オレの意識は暗転した。
最後に聞こえた声は、あまりにも焦りに満ちていたきがした。
【天界の扉:Lv.6『天国の庭』】
作者「次回……!……・・・・・・」
ニア「そういうのは、考えてからいうもんだぜ?」
作者「じ…次回! ニアが慌てた理由とは!
グレイプに危機が迫る⁈」




