「34話」 質疑応答!
作者「今回はニアくんの質問タイム!」
ニア「大晦日になんも変わって無いな」
「なんだ……そんな事か、
俺は、最初からそんな事は受け入れていたよ」
俺は、その、反抗的な瞳に言った。
しかし。
「じゃあ……お前、なんで泣いてんだよ!」
俺は、どうしても自分の頬を撫でる水を止める事はできなかった。
☆
「このたび、5年フェアリー組の副担任として就任した、ニア・アウグスティヌス=アントニウスです。よろしく!」
俺は、教室に入って、まず挨拶を行った。
担任の先生はまだ来ていないらしい。
ふぅむ、仕方ない。
俺が、その間の繋ぎをやるしかないか!
「何か、質問のある人はいますか?」
俺は、興味深げに此方を見てくる生徒達に話しかけた。
いくら貴族のお子様でも、流石に年下から教えられる、と言う経験は無いだろうな。
とか、思っていたら 教室の左端の席から、手が上がった。
良かった!
無視されたらどうしようとか、思ってた!
「はい! どうぞ! 」
嬉しさの興奮のあまり、声が若干裏返ってしまった。
おい、窓側の女子生徒、「可愛い~」とか言わないでくれ。
「えっと……ニアくん? ニア先生? えと……どうして講師に成ったんですか?」
うーん……俺は、君でも、先生でも、どっちでも良いんだけど……
さて、質問自体にどう答えた物か……?
「そうだね…… 」
流石に、弟のくだりを出すわけにもいかんしな……
「小さい時から、先生とかの職業に憧れていた……からかな?」
おい、誰だ「今でもちっちゃい」って、言った奴!
これでも中身は三十路だぞ!
「こほん…… 他に、質問は……?」
俺は、若干、赤面しながら言った。
すると……
「よぅし! じゃあ、みんなの疑問をこの、フライトラップちゃんが聞いてあげるよ!」
意気揚々と、この場に似つかわしく無い程の大きな声をあげて、
教室手前の、右端の女の子が急に俺の元へ近づいて来た。
その子は、深い、緑の髪の毛を、頭の後ろで、お団子の形にポニーテール纏めて、同じ、緑の瞳がいたずらっぽく、笑っていた。
……危険な匂いしかしないな。
「おぉと! 自己紹介がマダだったネ! アタシはフライトラップ! 学院・新聞部の女部長だよ! よろしく、ニア センセ!」
彼女……フライトラップは凄い勢いで話すと、俺に握手を求める様に 手を 差し出して来た。
「あぁ~……よろしく」
俺は、困惑しながらもその手を握り返した。
すると、ふと、フライトラックが、妖艶とも思える微笑みを浮かべる。
「じゃあ、センセ……最初の質問ね? センセの教える教科は?」
就任式にも言った様な気がするけどな。
「“魔力理論”だよ、といっても気負う事は無い、技術じゃなくて、知識として、知ってもらえれば良いからね」
ふむふむ、と頷きながらメモをとるフライトラップ。
今思えば、ハエトリグサか……
「次ね、 センセって何処に住んでるの?」
うぅん……
コレにはなんと答えようか?
「今は、学院の中に住んでるが、今まではこの街の北区に住んでたよ」
まぁ、これで問題は無いな。
「じゃあ、最後の質問ね? センセは、アタシ達よりも年下だけど、アタシ達に物を教えれるの?」
フライトラップは、その端正な眉を挑戦的に歪め、
唇も、何故だか嘲笑的だ。
一発でわかったね。
バカにしてる。
「無論だとも」
俺は、せいぜいバカにされない様に気丈に答えた。
「ふぅん……ありがとうございました! センセ」
そして、フライトラップは自分の席へ戻って行った。
よし、コレで終わりだな。
と、思った矢先だった。
「先生は、神を信じていますか?」
俺を案内してくれた、あの少年から質問があがった。
うわぁ……
地雷臭しかしないな!
ううーん……
コレにもなんと答え様物か。
フライトラップもなにやら興味深げに此方を見ている。
まぁ、とりあえずは口が裂けても信じていないとは言えないしな。
「あぁ、信じているよ」
「そう……ですか、ありがとうございます」
うーん、結局、なんてこたえれば良かったんだ?
☆
「どうかね、5年生達は」
俺は、またまた院長室に来ていた。
いつもの苦い紅茶をすする。
「どうもこうも無いな、結局担任の教師はこなかったし」
そう、俺のあの質問タイムはあくまで、担任の教師が来るまでの繋ぎだったのだ。
しかし、全然来やがらないから、俺は仕方なくホームルームを全部質問で消化してしまった。
「あぁ……その事なのだがね、あのクラスの担任は、こないよ」
「はぁ⁈ どう言う事だ⁈ 」
俺の当然の疑問に、院長も頭を抱えながら呟く。
「そのままの意味だ、どうやら、隣国の王子が来ると言う事に恐れを覚えたらしい」
隣国の王子……?
あぁ、そんな事もあったな。
「つまり、俺があのクラスの担任になると?」
俺は、げんなりしながら聞いた。
「そうなるな、まぁ、問題はあるまい…… 所で『ホムンクルス計画』はどうなっている?」
若干、どころか イタイイタイ感満載の、ひねりの無い計画だが、もちろん、これはホムンクルスを作る為の計画だ。
うん、ほんっとう、捻りが無いね。
「あぁ、さしたる問題は無いな。試作種壱号が完成し次第、此方での量産を進める」
だが、その為には最後の鍵を開く必要がある。
エン・ハコレ。
そう……禁じられた。神への道。
Lv.5の現在でも十分だがね。
☆
『“運命”』の時は近づいている。
全て、グレイプが学院へ入学したからこそ、その黙示の歯車は動くのだから。
作者「お昼くらいに番外かきたいなー」
ニア「彼女達の場合か?」
作者「うん、プリムラちゃんの場合」




