「28話」 変化!
作者「今回は1年後設定で、短いです!」
ニア「グレイプの入試の日だな」
「何故、“天への扉”の有用性に気づかない……」
俺は、涙を流しながら言った。
背の翼は12枚、伝承上におけるかの堕天使と同じ数。
Lv.6の場合だろう。
頭上の光輪は3重に成っている。
ーーあぁ、時がきたか。
☆
「じゃあ……!行って来る!」
玄関先で見送る俺に、威勢良く声をあげ、走り去るグレイプ。
……今日が、グレイプの、“学院”の入学試験日だ。
この1年で、教えれるだけの事は出来たと思う。
だが、それ以上に俺は心配だった。
俺が、ありとあらゆる方法を持ってしても、グレイプには教えれない物があったからだ。
文字はまだ少し危な気だが、読める様に成った。
魔力計算の為の算数も苦手だができる様に成った。
運動の方もかなり磨きがかかっていた。
しかし。
どうしても身分差、という物を理解させる事ができなかった。
その為、「何故、マナーが必要か?」という事を本質的に理解して居ない。
礼節をわきまえる事の重要性がわかっていない。
確かに、俺はグレイプが敬語を使っている所など見ていない。
「ニア……いつまでもどうしたんだい?」
俺は、気づいたら3分近く扉を開け放しにしていたらしい。
父が訝しげに聞いてきた。
「……なんでも、ない」
俺は、ただ首を横に降った。
『“運命”』には逆らえない。
そもそも、俺はその『“運命”』の修正力として此処にいる。
捻じ曲げる事は許されない。
例え、今日グレイプが“死ぬ”運命なのだとしても、俺には何もできない。
俺には、壊す事で新しい物を創る力は、無い。
☆
ーーうん、やっぱり心配になってきちゃった!
現在、“学院”の試験会場。
俺は、《天界の扉》Lv.4:『“至上の幸福”』を発動している。
Lv.4『“至上の幸福”』……
ヒトにとっての最上の幸福とは、神の国へ至る事。
つまり、俺はこの場に存在していない。
大仰な事を言ったがようやくすれば透明になっているだけだ。
まあ、かなり汎用性の高い能力ではあるな。重宝、重宝。
と、俺はグレイプの後ろに座っている少女の姿をみて目を丸くした。
お…オリーブだと⁈
そう、そこには見慣れたサイドテールの少女が必死にペンを動かしていた。
え? うそ、なんで?
うん、だってね、そこにはオリーブだけじゃなくてカミーリャちゃんまでいかんですけど!
んん?
あぁ、そういう事か。
俺はようやく納得の行く答えに行き着いた。
「(二人とも、グレイプを追いかけてきたのか!)」
俺は、そんな青春くささに気恥ずかしく成って、家に帰った。
ーー
「(私も、ニアくんに少しでも近づきたい!)」
「(カミーリャだけには絶対に負けない!)」
二人の少女が、心中で何を思っていたなんか考えもせずに……
作者「うわぁ……」
ニア「なんのうわぁだよ、それ」
作者「……まぁ、次回は何かの形でニアくんにも“学院”に言ってもらおうかな? 購買のおばさん的な」




