「21話」 夢オチ希望!
作者「人物紹介は次々回で!」
ニア「おぼえていたらな」
「世界を、救った……か、素敵な称号だな……」
目の前で俺の事を睨むナニか、
そんなナニかを嘲笑う、俺。
そのナニかが口を開くが、何を言って居るかは分からない。
しかし、俺には、それが理解できた様だ……俺は、その言葉に自信の翼を広げる事で答える。
頭上に昇る光輪は3重、
背の翼は14枚だった……
俺の前には、何故だかよく知っている3つの影……
そして、俺は……!
「『“ーーー”』」
☆
「ニアー!グレイプー!起きなさーい! 」
ちくしょう! 何ていい所で俺の夢は覚めるんだ!
ようよう、夢から叩き起こされたニア・アウグスティヌス=アントニウスだ。
朝の冷気が手足に冷たい、
隣ではグレイプが眠そうにもぞもぞやって居る。
本来なら朝に強いグレイプも、昨日の……家族会議での夜更かしが答えたらしい。
今でも俺に抱きつきながら寝ている。 うん、「にいちゃ、ねむいー」だって。
ずっと、寝てていいぞ!
と、言う訳にもいかないので、俺はグレイプの頬を優しく叩いて 起こした。
うねり、眼をこすりながらも起き上がるグレイプ。 肩にかかる程度の金髪が所々跳ねている。
「兄 おはよ~……」
「ん、御早う」
さて、今日は久々(・・)に父の帰ってくる日だ!
可愛い兄弟の顔をメンイッパイ見せてやろうじゃないか!
☆
「父!御帰り!」
「おかえり!」
一階に降りた俺とグレイプがした事は、
久しぶりの父へのダイブだった!
グレイプは文字通り飛んでダイブしたが、俺にはそんな身体能力はないので、父の足にぶつかった。
「ハハッ! ただいま! ニア、グレイプ! 」
ギュッと、父の足を抱きしめながら俺は思った。
……もう、離したく、ない。
「ーーニア、お前、意外にファザコンだったのか?」
不意に、食卓の方から呆れた様な声が聞こえて来た。
俺は、父の腿ごしにその声の人物を確認する。
「別に……」
そこにいたのはリーフ……そう、王位継承権第一位の王子殿下がここにいるのだ。
で、そのリーフの言葉に突っかかったのは、俺と同じように父にピッタリくっついているグレイプだった。
「兄をバカにするな!」
分然とリーフを睨めつけるグレイプ。 唇は不満げに尖っている。
リーフも文句ありげに俺の弟を見つめている。
……心臓に悪い。
「やめないか、グレイプ」
と、 そんな睨み合いに終止符を打ったのは父の諌める声だった。
それと同時に、両の手で俺とグレイプを掬い上げる。
鼻先が、父の濡れた髪に当たる、流して、色は落ちても、独特の匂いは残っていた。
ーー洗ったんだ……
「さて、じゃあみんな揃ったからママのゴハンを食べようか!」
明るく言って、俺とグレイプを席に着かせる父。
父は、何時かの通り、俺の正面に座った。
その隣には母が。
因みに、俺は王子と弟に挟まれている。
……どうやらこの二人、仲が悪いらしく、喧嘩しないために俺がいるのだが……
俺を挟んでの火花の散らせ合いは辞めてもらえませんかね!お二人さん!
「良し……!じゃあ、いただきます!」
父が宣言すると、リーフも、グレイプも睨み合いを辞めて、母の作ったシチューにかぶりついた。
しかし、俺は 静かにスプーンを動かす父の顔を見ていた。
ーーなんで……こんなに平気そうに、できるんだろう……
俺がじっ、と見ていた事が伝わったのだろうか?
顔を上げた父が、苦笑しながら言った。
「ニア……ボクの顔に何かついているかな?」
そう言われた俺は、何故だか顔から火が出そうな程の恥ずかしさに襲われた。
何も言わずに、頭を下げ、首を左右に振る。
もしかしたら顔が紅いかもしれない。
誰も、何も喋らない、静かな朝食の時間だった。
隣の家から僅かに赤ん坊の鳴き声が聞こえる程度だ。
「ーーごちそうさま!」
そんな静寂の中に再び音をもたらしたのは、威勢の良い グレイプの声だった。
「クッ……! オレもごちそうさまだ!」
と、今度は悔しそうな王子のごちそうさま宣言が聞こえて来た。
どうやら二人は俺の気づかない間に 早食い対決をしていたらしい。
俺には、その事があまりにも小気味好かった。
その日の朝は、平和に過ぎて行った。
この事が、起こるまでは……
「ニア……! 助けてくれ! 」
そんな、穏やかな朝を壊したのは、
俺のよく知る、
赤い髪を持った少年だった。
☆
朝の、柔らかな光が、家の外壁を温めるが、
赤い髪の……パンの言葉は、そんな穏やかさを壊すモノだった。
「妹が、攫われたんだ……!」
顔を俯けていたが、
床に、雫がおちるのを、俺は見た。
そして、そんなパンの言葉に最も反応したのは……リーフだった。
「妹だと? 」
目に見えて険しい表情を浮かべるリーフ。
俺も、グレイプも、そんなリーフの表情の変化に驚いていた。
パンも、ただ、呆然と頷いただけだった。
ゆっくりと、パンに歩むリーフ。
お互いと吐息がかかる程に近づいた。
そう思った瞬間だった!
「キサマ……! 妹を、守れなかったのか……! ? 」
突如、パンの胸ぐらを掴んだリーフは怒鳴り声を上げた。
誰も、何も言えなかった。
あの父でさえ、リーフの剣幕に押されていた。
それだけに、厳しい形相だった。
母なんかは怯えて震えてしまっている。
ーー俺は、なるべく気づかれない様に、家から抜け出した。
作者「さぁて、今回は色々とありそうな話だったね」
ニア「こんだけばらまいて置いて、回収できんのかよ?」
作者「な、なせばなる!」




