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「21話」 夢オチ希望!


作者「人物紹介は次々回で!」


ニア「おぼえていたらな」


「世界を、救った……か、素敵な称号だな……」


目の前で俺の事を睨むナニか、

そんなナニかを嘲笑う、俺。


そのナニかが口を開くが、何を言って居るかは分からない。


しかし、俺には、それが理解できた様だ……俺は、その言葉に自信の翼を広げる事で答える。


頭上に昇る光輪は3重、

背の翼は14枚だった……


俺の前には、何故だかよく知っている3つの影……


そして、俺は……!

「『“ーーー”』」



「ニアー!グレイプー!起きなさーい! 」


ちくしょう! 何ていい所で俺の夢は覚めるんだ!


ようよう、夢から叩き起こされたニア・アウグスティヌス=アントニウスだ。


朝の冷気が手足に冷たい、

隣ではグレイプが眠そうにもぞもぞやって居る。


本来なら朝に強いグレイプも、昨日の……家族会議での夜更かしが答えたらしい。


今でも俺に抱きつきながら寝ている。 うん、「にいちゃ、ねむいー」だって。

ずっと、寝てていいぞ!


と、言う訳にもいかないので、俺はグレイプの頬を優しく叩いて 起こした。


うねり、眼をこすりながらも起き上がるグレイプ。 肩にかかる程度の金髪が所々跳ねている。


(にぃ) おはよ~……」


「ん、御早う」


さて、今日は久々(・・)に父の帰ってくる日だ!

可愛い兄弟の顔をメンイッパイ見せてやろうじゃないか!



「父!御帰り!」


「おかえり!」


一階に降りた俺とグレイプがした事は、

久しぶりの父へのダイブだった!


グレイプは文字通り飛んでダイブしたが、俺にはそんな身体能力はないので、父の足にぶつかった。


「ハハッ! ただいま! ニア、グレイプ! 」


ギュッと、父の足を抱きしめながら俺は思った。


……もう、離したく、ない。


「ーーニア、お前、意外にファザコンだったのか?」


不意に、食卓の方から呆れた様な声が聞こえて来た。


俺は、父の腿ごしにその声の人物を確認する。


「別に……」


そこにいたのはリーフ……そう、王位継承権第一位の王子殿下がここにいるのだ。


で、そのリーフの言葉に突っかかったのは、俺と同じように父にピッタリくっついているグレイプだった。


(にぃ)をバカにするな!」


分然とリーフを睨めつけるグレイプ。 唇は不満げに尖っている。


リーフも文句ありげに俺の弟を見つめている。

……心臓に悪い。


「やめないか、グレイプ」


と、 そんな睨み合いに終止符を打ったのは父の諌める声だった。


それと同時に、両の手で俺とグレイプを掬い上げる。


鼻先が、父の濡れた髪に当たる、流して、色は落ちても、独特の匂いは残っていた。


ーー洗ったんだ……


「さて、じゃあみんな揃ったからママのゴハンを食べようか!」


明るく言って、俺とグレイプを席に着かせる父。


父は、何時かの通り、俺の正面に座った。

その隣には母が。


因みに、俺は王子と弟に挟まれている。


……どうやらこの二人、仲が悪いらしく、喧嘩しないために俺がいるのだが……


俺を挟んでの火花の散らせ合いは辞めてもらえませんかね!お二人さん!


「良し……!じゃあ、いただきます!」


父が宣言すると、リーフも、グレイプも睨み合いを辞めて、母の作ったシチューにかぶりついた。


しかし、俺は 静かにスプーンを動かす父の顔を見ていた。


ーーなんで……こんなに平気そうに、できるんだろう……


俺がじっ、と見ていた事が伝わったのだろうか?


顔を上げた父が、苦笑しながら言った。


「ニア……ボクの顔に何かついているかな?」


そう言われた俺は、何故だか顔から火が出そうな程の恥ずかしさに襲われた。


何も言わずに、頭を下げ、首を左右に振る。

もしかしたら顔が紅いかもしれない。


誰も、何も喋らない、静かな朝食の時間だった。

隣の家から僅かに赤ん坊の鳴き声が聞こえる程度だ。


「ーーごちそうさま!」


そんな静寂の中に再び音をもたらしたのは、威勢の良い グレイプの声だった。


「クッ……! オレもごちそうさまだ!」


と、今度は悔しそうな王子のごちそうさま宣言が聞こえて来た。


どうやら二人は俺の気づかない間に 早食い対決をしていたらしい。


俺には、その事があまりにも小気味好かった。


その日の朝は、平和に過ぎて行った。


この事が、起こるまでは……


「ニア……! 助けてくれ! 」


そんな、穏やかな朝を壊したのは、

俺のよく知る、

赤い髪を持った少年だった。



朝の、柔らかな光が、家の外壁を温めるが、

赤い髪の……パンの言葉は、そんな穏やかさを壊すモノだった。


「妹が、攫われたんだ……!」


顔を俯けていたが、

床に、雫がおちるのを、俺は見た。


そして、そんなパンの言葉に最も反応したのは……リーフだった。


「妹だと? 」


目に見えて険しい表情を浮かべるリーフ。


俺も、グレイプも、そんなリーフの表情の変化に驚いていた。


パンも、ただ、呆然と頷いただけだった。


ゆっくりと、パンに歩むリーフ。

お互いと吐息がかかる程に近づいた。

そう思った瞬間だった!


「キサマ……! 妹を、守れなかったのか……! ? 」


突如、パンの胸ぐらを掴んだリーフは怒鳴り声を上げた。


誰も、何も言えなかった。

あの父でさえ、リーフの剣幕に押されていた。


それだけに、厳しい形相だった。


母なんかは怯えて震えてしまっている。


ーー俺は、なるべく気づかれない様に、家から抜け出した。






作者「さぁて、今回は色々とありそうな話だったね」


ニア「こんだけばらまいて置いて、回収できんのかよ?」


作者「な、なせばなる!」

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