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「19話」 いろいろおかしいって!

作者「今回は新キャラ続々!」


ニア「2人だけだろ」

職場……俺は今、『地下聖堂(クリプタ)』に来ていた。


「で……ニアくん、王子様からスカウトされちゃったんだ」


俺の隣で赤髪の少年が、此方も向かずに喋りかける。

俺も、その少年の方を向かずに正面を向いたまま答える。


「あぁ……買い被りすぎ、だよ」


そう、俺が正直な気持ちを言うと、その少年は吹き出した。

なんだよ、こら。


俺は、作業を中断して少年を睨む、そいつは、懲りずに喉を鳴らしていた。


「パン……煩い」


パン……それがこの赤髪の少年の名前だ、松の木どころか小麦粉とも関係は無い。


タダの若き天才錬金術師だ。


「ゴメン、ゴメン、 オマエでもそんな謙遜するんだな」


若干、眼に涙を浮かべなからいってくる、

こいつが俺よりも背が高い事が憎い。


「ーー煩い……!」


はぁ…… 物覚えが悪いけど錬金術の腕が良いから、俺が拾ったのがこいつだ。

元々は西区に居た家なき孤児だが、今ではこの『地下聖堂(クリプタ)』に住み込みで働いている。


「……と、かんせーい、コレ“院長”に届けるんだっけ?」


俺たちが今までして居た作業、それは銅の抽出だ。

パンは、この抽出作業が誰よりも上手い。


と、パンは俺の返事も聞かずに外に飛び出して行った。

不意に入る冷たい風に身を縮める。


「……いなく成った、か……」


現在、この部屋には俺とパンしかいない、イヤ……今はそのパンもいないか。


俺は、人が居無いチャンスを逃さない為に、直ぐに『“降臨”』を行った。


瞬間、俺の背に現れる全8枚の翼。暗い部屋に銀の煌きが走る。


「始めるか……」


俺は、銅の抽出を辞め、

全く別の作業を開始した。



今日はグレイプに連れられ、リリーさんの道場にくる日だ。

にこやかに手を繋ぐグレイプに此方も自然と頬が緩む。


リリーさんの道場か……

何年ぶりだろうな。


俺も、この“街”に来た時は、最初の数日は村からの習慣でここに来ていた。


が、今ではすっかりとご無沙汰だ。 もしかしたら本当に3年ぶりかもしれない。


と、俺が 道場の入り口に立った瞬間だった!

突如グレイプが叫び……!


「おーい! 兄ちゃんを連れて来たぞぉーー!! 」


一瞬の、沈黙。

叫んだ後のグレイプの晴れやかな顔を横目に、俺はポカーンとして居た。


が……!


「ぐれいぷくんだー!」


「おにいちゃんもいるってー!」


「わぁ~! あそぼー!」


突如流れ込んでくる幼児達!

全員の手には竹刀が!


で、そこまでは良かった。

……が!


「ニアーー!此処で会ったが百年目よ!」


「てめえか! 俺のグレイプの兄貴と、オリーブの姉御を誑かす害虫はーー!!」


見覚えの有るサイドテールの少女と、見ず知らずのお子ちゃまが出て来たとさ!


ぐれいぷ、ふーいずでぃす?



やーやー、

今、見ず知らずの おこちゃまに襲われてるニアだよ。


因みにオリーブはもう一本入れて倒した。

まぁ! 何かその「敵討ち」とかで俺が狙われてるんだけどね!


字が違うよ! 仇だよ!


「グッ……! やはり、兄貴と姉御が認めるだけの事は在るな……!」


俺の木刀での一撃を受け流したお子ちゃまが苦しそうに呟く。


いや、君も充分に凄いから、

ってか寧ろ俺が押されてますから!


俺は、チラリと後ろを見る、

そこには、ハラハラした様なグレイプと、何故だか残念そうなオリーブ。


……弟の、ましてや女の子の前で負けるわけにもいくまい。


仕方が無い……

本来、こんな所で使いたかったわけじゃないんだけどな……


奥の手を……使うか。


俺は、お子ちゃまの攻撃を右手に持った木刀で受け流しつつ、

左手で、ポケットを、探った。


指先に当たる、僅かに鋭い感触。


ハァ……卑怯者だな、俺って。



結果的に俺が一本とって勝った。

と言っても、やはり心は晴れ無い。重く、のしかかる様な罪悪感が、俺の……


(にぃ)はやっぱツエーや!」


「ん……!」


え? 罪悪感?

裏の手でお子ちゃまに勝った程度の罪悪感など、弟の前には……まぁ、うん。


「ま、まぁ……この程度でニアが負けてちゃダメよね! ……ニアを最初に倒すのは……私なんだもん……!」


と、オリーブも一応、俺の事を応援してくれて居たらしい。

と言っても、後半の方はごにょごにょしていて、聞き取れなかった。


まぁ、大方、次の襲撃方法でも考えているのかもな。


と……?


「クッ……! ニア・アウグスティヌス=アントニウス! あ、アタシは、あんたの事、認め無いからな!」


と……そのお子ちゃまが俺に宣言して来た。


ん……?

もしかして、


「お前……女?」


俺が素朴な質問をしたらそのお子ちゃまが固まった。


あれ、もしかしてこれ地雷?








作者「この卑怯者!」


ニア「だから、誰のせいだ!だれの!」


作者「……登場人物紹介とかやりたいなー」

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