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ユウマの独り言

俺はユウマ。


ひょんなことから出会った魔族の女の子、ラウにさっそく『亜空間魔法』がバレてしまった。


まぁ一緒に旅をしている訳だし、快適な旅を続けるためには魔法で作った『家』や亜空間魔法を使った『無限収納』の存在を明かさない訳にもいかず……


なぜかラウがすごく嬉しそうにしているから良しとするか。



それにしても……まだ旅を始めてからそんなに長い訳ではないけど、気になることがある……


こっちの世界での生まれ故郷の村、シックザールで暮らしている時にすでに感じていたけど、人々の戦闘能力が総じて低すぎる。


シックザールで暮らしている父さんや村人たちは皆強かったけど、村に訪れる冒険者や行商人はかなり弱い。


特に魔法に対する技術がめちゃくちゃ低く感じる。


先日立ち寄ったトレーネという町はけっこう大きく人口もそれなりに多かった。


そこで冒険者の人達にも会ったけど、そこそこ強い魔物を簡単に討伐できるかと言われると、ある程度苦労しながらじゃないと対応は難しいんだろうなと感じるレベル。


これまでの出会いで高い能力を持っていると感じたのは、兎族のてとら、魔族のラウ、あとラウのお爺さんの先代魔王……まぁあの爺さんは次元が違いすぎるけど……


もしかして人族って総じて弱い種族なのだろうか?


まぁ旅は始まったばかりだし、結論付けるにはまだ早いな。



ラウと話している中で新たな発見があった。


俺はてっきり全ての魔族は他者のオーラの色を認識できるものだと思っていたのだが、どうやら魔族の中でもかなりのレアな能力らしい。


あと色の違いがそのまま実力差と考えるのは危険らしく、参考程度にするようにと釘を刺された。


たしかに白オーラであるはずの俺自身が、この世界では『ほぼ最強』なんじゃなかろうかと思っているので、ラウの言葉は尤もだと思う。



うん、たぶんだけど俺って今のところ『ほぼ最強』なんだよ。


先代魔王であるあの爺さんには勝てる気がまったくしないんだけど、これまでの出会いや魔物たちを見ても、相当な実力差だと思う。


無自覚系最強主人公キャラになんて俺はなるつもりはない。


自分の力をしっかりと理解して、その能力を活かしてこっちの世界で生きていくんだ。



ラウに頼まれて魔法の訓練をすることになったんだけど、どうしてこっちの世界の人達が魔法を上手く扱えていないのか少し分かった気がする。


魔法を使用するには魔力を上手く扱う必要がある。


魔力は大気中にも溢れている。


そして俺達の体内にも魔力が存在している。


その魔力を練り上げて魔法として行使するのだけど、こっちの世界の人達は魔力を練り上げる過程を『詠唱』に頼り切っているんだ。


詠唱することが間違っているのではなく、詠唱することにより魔法が発現しているため、そこで満足してしまっているような状況なんだと思う。


魔法は『イメージ』を高めたり、その存在に対する『理解』を深めることによってどんどん強力になる。



俺には転生前の世界での膨大な記憶がある。


つまり地球で生活していた時の知識だ。


例えば『火』はどうして燃えるのか、どうして熱いのか……


そういった事を理解しているかどうかで魔法の力は大きく変化する。


さらに地球での記憶には、とんでもない量の『英知』がある。


だってそうだろう?


俺の暮らしていた国は世界屈指のアニメ大国!!


アニメだけじゃない!小説、漫画、SFだろうが魔法だろうがそこら中に溢れているんだ。


そんな世界で暮らしていた俺が、本当に魔法が存在する世界に転生した……



だから俺はなんの疑問もなく、あらゆる魔法が使えると思い込んでしまう。


思い込みは魔法を使用するにあたってとても重要な要素の一つだ。


転生する時に神様にもらった特別なスキル、『無限魔力』と『想像』のおかげもあるんだろうけどね。


とりあえず俺なりの魔法指導をラウに施していき、徐々に成長が見えるようになってきたから少しホッとした。



さて……


俺はこの異世界のことを小説に書きたいから旅を続けるの良いとして、神様に頼まれた神器を出来る限り多く見つけるというお遣い……


ん~~~……ぶっちゃけ急ぐ必要もないと思うんだよなぁ。


なにせ異世界に転生してから17年間も神器を探さずに村で暮らしていた訳だし、急ぎの用件ではないってことなんだろう。


それ以前に神様の時間感覚って、10年とか100年くらいなら人間にとっての数日間程度の感覚なのではないだろうか……


ラウのお兄さんである行方不明の現魔王を捜すことが出来る神器を探しながら旅を続けていけば、自然と色んな神器に出会えるだろう。

(そもそも神器って何個あるんだよ……)



でも自由にこの異世界を見て回るなら『お金を生み出す拠点』が欲しい気もするなぁ。


旅をしながら討伐した魔物の素材なんかを売ったりすればお金に困ることはないんだろうけど、長い目で見ると時間のロスが半端ない気がする。


どこかに自分の拠点を作って、そこで誰かに商売とかを任せることが出来たら最高なんだけどなぁ……


やりたい事は多いけど俺の体は一つだけ……焦らずじっくり今は旅を進めるか……



とりあえず次はエルフの住まうブリッツ大森林だな!

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