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ラウの独り言

わたしノ名前はラウ。


綺麗な銀髪のロングヘアーで翡翠色ノ瞳、出る所ダッテしっかり出てるとっても可愛い魔族の女ノ子!


え?どうシテ自分でこんなコトを言うかって?


そんなノ誰もわたしのコトを詳しく言ってくれないカラじゃない!!!!


まぁソレはいいわ。



行方不明の兄様を捜すためにお城カラ内緒の抜け道を通って上手く魔王領ノ外に出られたけど、本当に大変だったノ。


ダッテあんなにたくさんノ魔物と遭遇するナンて思いもしなかったし。


あまり休む間もナク魔物と戦っていたカラ、わたしの魔力は底をつきかけてた。


そして最悪なタイミングでエビルボアに襲われて、もうダメだと思った時に人族ノ男にわたしは助けられた。


そしてソノ人族の男、ユウマと一緒に今はこうして旅をシテいる。


ユウマはとても不思議ナ人だった。


だってソウでしょ?


一緒に連れてる小さなホワイトドラゴンのルルは家族だって言うノよ?竜種が他種族に懐くなんて聞いたコトがないわ。


デモこのルルはわたしに懐いてイルようだし、この子の性格ナノかしら?



そうそう!出会った時、ユウマはわたしノ怪我を魔法で癒してくれたノ。


魔族は他の種族カラの回復魔法は効果を得られない。こんな常識は幼い子供ダッテ知ってるコト。


なのにユウマの魔法はわたしノ傷を癒シテしまった。


でもユウマは魔族じゃない。


どこカラどう見ても人族なの。


それに驚いたコトは他にもあるわ。



ユウマは他者のオーラの色が分かると言ったノ。


これは魔族ダケが持つ能力。


しかも魔族の中デモ極々一部の者しか持たない能力なノ。


あ、モチロンわたしもその能力を持ってイルわよ!


だってわたしは兄様の妹デスもの!そんなわたしが特別な能力を持ってイタって不思議じゃないわ。


デモ明らかに人族のユウマが、魔族でさえ極一部の者しかもたナイ能力を持っているなんてどうシテなのかしら……


お爺様はそのコトに関して何も言わなかったカラ、もしかしてわたしが知らないダケで他種族でもオーラの色が見える者がいるコトは珍しくないのかしら?


まぁ分からないコトを考え続けてイテも仕方ないのだけれど、ソレよりもユウマのおかしい所はまだまだあるノ。



トレーネで出会った、てとらが連れている魔兎タチ……あの子達を精霊化させたのはお爺様がユウマに渡した神器の効力っぽいカラ深く考えなかったんだケド……


ユウマが普通に……当たり前に使う魔法がおかしいノヨ!おかし過ぎるのよ!!


まず無詠唱!


兄様や勇者様ダッテ無詠唱魔法は使えるわ。お爺様もソウね!


でも!だケド!!


ソレ以外で無詠唱で魔法を行使スル者なんてわたしは見たコトがない。


わたしダッテ魔力はまだまだそんなに多くないケド、兄様やお爺様やメイド達の話ではかなり魔法の才能がアルって言われていたわ。


デモわたしは無詠唱で魔法を行使するコトなんて出来ない……


悔しい気持ちをナンとか抑えてユウマに聞いてみたノ。



「ユウマはどうシテ魔法を無詠唱で使えるノ……?」


「いやだって……長ったらしい詠唱って中二病っぽくて恥ずかしくない?」



チュウニビョウ??


聞いたコトのない言葉だわ。


もしかしてチュウニビョウなるモノが魔法の高みへと至るタメの鍵なのかしら?


ユウマが言うには、カッコいいチュウニビョウとそうではないチュウニビョウがあるらしく、詠唱はユウマの中ではあまりカッコいいものではナイらしい。


ウン。


ぜんっぜん分からナイわ。



無詠唱もソウだけど、お爺様に会いに行った時にユウマは魔法を足で使ったコトがあるの。


魔法って手に魔力を集めてそこカラ発するモノよね?


わたしが見たコトないだけで、兄様やお爺様も足カラ魔法を使えたりするノかしら?


でもユウマの魔法に対する技術に対シテ、わたしは到底、ソレこそ足元にも及ばないコトは理解できてイルつもりよ。


ダッテ一緒に旅をする中で、御伽噺でも聞いたコトのない現実をわたしは突きつけられたノ。



この広い大陸を旅しているのだカラ、毎日どこかの村や町まで辿り着けるコトなんてまずないわ。


ソレにわたし達は馬車ではナク徒歩で旅をしてイルんだから、野宿は絶対に避けて通れないコトなの。



でもユウマは『家』を魔法ポーチから出シタわ。


ええ。



『家』よ。



土属性の魔法をベースに作った家ダト言っていたケド、外観もスゴク綺麗な小さな家。


コレは相当なレベルの錬成魔法……ソノ人生を錬成魔法ダケにつぎ込む程の努力をしないと……



無理ダッタわ。


錬成魔法ダケじゃこんなの無理。


わたしはソノ家の中に入った瞬間、さっきマデの考えを放り投げたノ。


そんなレベルなんて遥かに凌駕してイル目の前の現実。


見た目は小さな家……イイエ、大きさで言ったら小さな物置小屋くらいノもの。


ソレが中に入ったら目の前に広がるノは10人はゆっくり出来るようなスペース!立派なソファーやテーブル……



なにコノ立派なキッチンは!?お風呂までアルの!!


コレはなに?この見たコトのない形をしたものがトイレ?


あ、座って使うノ。


横の魔石に魔力を流すと水が流れると……そうデスか。


ところで部屋の奥に見エル階段らしきモノは……


らしきではなく階段デスかそうデスか。


外観では二階がアルように見えなかったケド……


二階には二部屋あるカラ片方をわたしが使ってイイと。


トレーネの町を散策シテる時に色々と買い物してると思ったケド、家具をコンナに買っていたのね……


そんなにお金を持ってイタんだ。


あ、ご実家のお父さんが旅には必要ダトお小遣いを?そうデスか……


わたしはお城に引き籠ってたカラ自由にできるお小遣いナンテほんの少しだったノに……


ソレにしてもお風呂やトイレもそうだケド、室内の明かりなんかも魔石を利用シテいるのね。


ウン。


おかしいわ。


魔石を加工したり魔法を付与した物ってカナリ高価なハズなのよ。


そんなにユウマの実家はお金持ちダッタってことなノかしら?


え?


自分デ作った?


……そうデスか。



見た目は小さな家ナノに中は広々……つまり空間系……空間拡張魔法も付与されてイル。


オーラを見ても分かるようにユウマは普通ノ人族。


イイエ、普通の人族にこんなコト出来るはずがないわ……


ぐるぐると思考していたわたしだケド、初歩的なコトに気が付いたノ。


魔法ポーチは空間魔法を付与させてイル超高価なアイテムだけど、容量はせいぜい荷馬車の半分がイイところのアイテム。


小さいとは言えこのサイズの家が魔法ポーチに入るナンてさすがにあり得ないのヨ。



「ユウマ……この家を魔法ポーチから出し入れ出来るナンて話は通じないわよ?」


「あはは……だよねぇ?魔法ポーチを使ってるように誤魔化してるつもりだったんだけど……これ誰にも、父さんにさえ言ってないことなんだよね」



……フム……


つまり……家族にすら言ってないコトをわたしにダケ見せてくれたってコト?


誤魔化してるつもりナンて言うケドぜんぜん誤魔化せてないんだカラ意図的にわたしにみせてくれたってコトよね?ええきっとソウよねそうに違いナイわ!!



ふ……ふぅーン……わたしが特別ってコトなのかしら……


まぁルルもいるケドこの際ルルはどうでいいわ!ドラゴンだし!


ユウマがわたしにだけ……わ、わるくナイわね!!



え?ユウマの魔法ポーチわたしにくれるノ?


もうコノ魔法がバレたから?


ユウマがわたしに贈り物をくれたってコトよね……


ふぅーん……ふぅーーーン……



ん?ああ、その魔法のコトね?


『亜空間魔法』って言うんだ?聞いたコトない魔法だわ。


中は時間が止まった世界で容量もドレだけ広いか自分でもわからナイ?


なにソレこわい……


特別なスキルじゃなくて魔法なんだ……わたしも使えるようにナルのかしら……


ユウマはその亜空間からパッと大きな鍋に入ったスープを出してくれたノ。


ナニこのスープ熱々よ!


時間が止まった空間の中だカラ熱々で入れたらズット熱々なままだと?つまり腐ったりもしナイと?


そうデスか……


モウ何が何だかわからナイわ。


とにかくこのユウマって人族は御伽噺デモあり得ないような規格外の存在ってコト。


アノお爺様が神器を渡すだけのことはあるってコトね。


もう恥ずかしいナンて言ってられない。



その日カラわたしはユウマに魔法の特訓をお願いしたノ。

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