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カトリーナの娘、サブリナ

アストリアはナムディにパーフェクトヒールをかけた。

 しわくちゃの肌が綺麗な肌になった。

 明日には意識が戻るでしょう。

 後は美味しい物を少しずつ食べさせて、ヒールポーションとスタミナポーションを与えれば、元気になるでしょう。


 アストリアがサファビーとナイラを見たら、涙を流して抱き合っていた。

 カトリーナは泣きながら、笑っていた。


「ありがとう、アストリア。」

「如何致しまして。そろそろギルドに行かなければ、アリアナ達が待っているよ。」

「父様、ギルドへ行って来ます。」

「ああっ、行っておいで。」

「アストリア様、ありがとうございました。」

「シンフォニー母様が言いました。お前は自由に生きなさい。それがムーン シルバー様の望みだと。これもきっと神ムーン シルバー様のお導きでしょう。」


 2人はギルドにやって来た。


「あっ、カトリーナ、待っていたのよ。おはよう。」

「ごめんなさいね、遅れてしまって。おはよう。」

「アストリアもおはよう。」

「おはようございます。」

「カトリーナ、あれから上手く行ったの?」

「うん、上手く行ったわ。」

「それは良かったわ。これから如何するの?」

「やはり冒険者学校に入って魔法を習得する事ね。アストリアを見て実感したわ。」

「じゃ、それまでは如何するの?」


 全員がアストリアを見た。


「ごめんなさい、僕はレベル30になったので、1人でこのダンジョンをクリアして、次の目的地吹雪の洞窟と炎の洞窟のダンジョンへ向かうよ。」


 全員に沈黙が訪れた。

 この沈黙をカトリーナが破った。


「このダンジョンをクリアしたら、一旦は戻ってくるのね。」

「ああ、約束するよ。きっと戻って来るよ。」

「カトリーナ、私達は如何するの?」

「後1人、メンバーを探してレベルを上げましょう。そして来年冒険者学校に入るのよ。」「分ったわ、メンバー探しね。カトリーナ、イケメンにする?」

「いえ、イケメンはダメだわ。騎士の子供で女性を探すわよ。」

「あなた、最初と違うじゃない!!」

「いいのよ、これも神のお告げだわ。」

「アストリア、今から行くの?」

「カトリーナ、行ってくるよ。みんなもよろしく。」



 そしてアストリアはダンジョンへ向かった。

 カトリーナ達は同じ歳の騎士の子供で女性を見つけて、ダンジョン1階からアタックした。新たなメンバーはカリン、ロベリア12歳、レベル10だ。

 最初はカリンのレベル上げから始めた。

 一番レベルが低いナタリでさえ、レベル23なのだ。


 カリンは最初、自信満々でメンバーに入った。

 親の紹介で入ったのだ。

 剣術Lv2なのでちょっと天狗になっていた。

 お姫様なので、周りからおだてられて育った。


 親が心配してサファビーに相談したのだ。

 カリンはダンジョンに入って驚いた。

 スライムも倒せない自分がいて、やられそうになって助けてもらったのだ。

 気恥ずかしい思いでメンバーを見たら、気にしないでと励まされた。


 そして1ヶ月をかけて10階層のボス、カメレオンダイナソーを倒したのだった。

 カメレオンダイナソーを倒して、ギルドで換金しているとギルドのドアが開いて、アストリアが入って来た。

 カトリーナは人目もはばからず抱きついた。

 その瞳には涙が溢れていた。


「クリアしたの?」

「はい、これお土産だよ。」


 アストリアは月の指輪と和音の剣をカトリーナに渡した。


「これから如何するの?家に泊まっていく❤」

「いや、直ぐエスニア行きの船に乗るよ。今夜出航するらしいんだ。」

「誰から聞いたの?」

「和音のダンジョンの女神様が教えてくれたんだ。」

「ダンジョンの女神様?そうなのね。いつか帰って来るの?」


「カトリーナ、僕は貴女が好きです。

 僕が帰って来るまで、待っていてくれますか?

 もし待っていてくれるなら、何年先になるか分らないけど、きっとカトリーナの元へ帰ってくるよ。」


「待っているわ、何年でも❤」

「嬉しいよ、じゃあ行ってくるよ。」



 そのままアストリアは港の方へ走って行った。

 カトリーナ達は20階層のボス、デス、アナコンダまで倒して、翌年冒険者学校に入学した。カトリーナ達のチームはこの年の最優秀パーティーに選ばれた。

 30階層のルナ、モスラを倒してレベルがカトリーナは42、

 アリアナ42、

 ナタリ42、

 アナリーゼ42、

 カリンが40まで上がっていたのだ。

 魔法も全員4属性に覚醒して回復魔法まで覚えた。

 回復魔法に覚醒した者は10名もいなかった。



 14歳で卒業して15歳までダンジョンにアタックした。

 最高到達点はダンジョン36階、ファイア、ディアを倒した所までで終わった。

 仲間のナタリ、ロビナ15歳の結婚が決まりチームを抜けたからだ。

 そしてアリアナもアナリーゼ、それにカリンも婚約が決まったのだ。



 カトリーナは家の手伝いをしだした。

 錬金術の毎日になって行った。

 そんな時、1人の女性が錬金術の材料を買いに来た。

 とっても綺麗な女性で胸がドキドキした。

 そして腰の剣を見て驚いた。

 斬鉄剣改を腰に下げていたのだ。


 カトリーナはアストリアから聞いていた。

 シンフォニー母さんからの話で、「サンターナ、ゴールドとアリス、ゴールドがこのベラドンナの何処かに住んでいるから会いに行ってみなさい」と言われた事をあの晩に聞いたのだ。


「あの、失礼ですがサンターナ姫でしょうか?」

「あら、あなたは私を知っているの?」

「はい、アストリアから聞きました。」

「アストリア、あっゴールドの子孫ね。キウィがそんな事を言っていたわね。あなたはアンリの子孫なの。」

「はい、カトリーナ、ベラドンナと言います。」

「アストリアはここにいるの?」

「いえ、旅に出ています。」

「何処へ行ったの?」

「エスニア王国のダンジョンに行きました。」

「さんごのダンジョンね。何時帰ってくるの?」

「何時かは分りませんがきっと帰って来ます。」

「ひっとして、あなたの元へ帰ってくるの?」

「はい。」

「それを信じているの?」

「信じてる?」

「遠くへ行った男が帰って来るとは、限らないでしょう。」

「私は毎日神に祈ってます。神は何も言いません。だからきっと無事です。」

「あなた巫女なのね。それじゃ、聖水は作れるの。」

「作れません。作り方をしらないのです。」

「今度内に遊びに来なさい。作り方を教えてあげるわ。」

「本当ですか!!嬉しいです。あっ、ご用は何でしょうか?」

「用事は二つね。一つはルナ、モスラの粉末かニルンルート草が欲しいの。」

「はい、ご用意いたします。」

「御いくら?」

「はい、金貨1枚です。」

「はい、金貨1枚ね。」

「ありがとうございます。後のご用は何でしょうか?」

「ゴールドの日記が読みたいのよ。」

「えっ、あれを読めるのですか?」

「そうよ。」

「魔法か何かですか?」

「勉強したのよ。読ませてくれないかしら?」

「では私が案内いたします。」



 カトリーナはサンターナをサファビーの執務室に連れて行った。


「父様、こちらサンターナ姫様です。」


 サファビーが見たのは、歳は20歳ぐらい、絶世の美人だった。

 ゴールドの日記にはサンターナ姫は豹の獣人だと書いてあるのだ。


「サンターナ姫は錬金レシピ、秘伝4冊目を読みたいそうです。」

「あれが読めるのですね。では直ぐ持ってまいります。ここでお待ちください。」


 サファビーは執務室の本棚の後に消えた。

 3分ぐらいして本棚から出て来た。

 隠し扉になっているのだ。


「サンターナ様、これがゴールド様の旅の日記です。」

「懐かしいわ、ゴールドがこれを書いている時、私は側にいたのよ。」

「サンターナ様、最後の文の意味を教えてもらえませんか?」

「えっ、あなたには読めるでしょう。」

「はい、英語で書かれている部分は読めるのですが、最後の部分だけは違う文字で書かれていて読めないのです。」



「ああっ、ここね。

 ここは日本語で書かれているのよ。

 あなたの大切な人の命がなくなる時にはこのポーションを使いなさい。

 神ムーン シルバー様は子孫繁栄の神です。

 人の命を何より大切にされます。ゴールド、ユカワ。」



「ここに少しいさせてくださいな。」

「はい、ごゆっくりどうぞ。」


 こうしてカトリーナはサンターナと知り合いになった。

 それから時は流れて、カトリーナは18歳になった。

 この頃から縁談があちこちから絶え間なく持ち込まれた。

 しかしカトリーナは誰とも見合いをしなかった。



 そしてまた時はながれてカトリーナは22歳になった。

 アリアナには子供が3人出来てナタリもアナリーゼも子供がいた。




 この年、海賊団シャークヘッドが7隻からなる船団でローム王国を襲った。

 海賊の人数は350人、ベラドンナのバリスタが届かない位置に停泊して挑発してきた。

 漁に出ていた小船を襲って気勢をあげた。

 ベラドンナ領やロベリア領は、これに対する手段がなかった。

 しかし、このまま膠着が続けば、海賊は引き揚げるだろうと思われた。 食料がないのだ。


 しかし、船長サンヴィーニ、シャークヘッドは小船7隻にて海からロベリタ湖に入り、35人の手下を連れてロベリナ村を襲った。

 ロベリナ村には村人150人が暮らしていたが、夜襲われた為、手錬(てだれ)の海賊の敵ではなかった。

 ほとんどの男は殺され、人質に子供と女性50人が捕まった。

 食料も奪われてしまった。


 サンヴィーニ、シャークヘッドはベラドンナに向かって叫んだ。


「毎日、1人づつ人質を殺して行く。殺されたくなかったら、一人につき金貨100枚を持って来い。」


 これに対してベラドンナとロベリアでは決死隊10名を編成して人質が捕まっている船に小船にて奇襲をかけ奪還する作戦に出た。

 その人選には、レベル50以上の騎士が選ばれた。

 その中にカトリーナも入っていた。

 カトリーナのレベルは現在55。

 高位騎士5番以内に入っていたのだ。


 夜陰に紛れて海賊船の中に突入した。

 この海賊船は2番艦で海賊の人数は50名だ。

 海賊のレベルは30から40だった。

 海賊2番隊隊長ナイリー、タジ30歳はレベル45だ。


 カトリーナ達10名は透明化のポーションと剣に麻痺ポーションを塗って突撃した。

 麻痺ポーションを塗った剣は、相手に致命傷を与えなくても初太刀で麻痺させ2太刀目にて倒したのだった。


 夜の間に2番艦を占領した。

 朝になって船をベラドンナに移動させようとした。

 しかし他の海賊船に気付かれて取り囲まれてしまった。

 そして混戦になった。

 狭い船内の中での戦いだ。


 相手も手錬ばかりだ。

 ライトニング、キッドもこの中にいた。

 ライトニング、キッドのレベルは現在60だ。

 船長サンヴィーニ、シャークヘッドは65だ。

 カトリーナはライトニング、キッドと戦った。



「おっ、あの時のお嬢さんではないですか?」

「あなたはナタリオ、ニコメンデス。」

「覚えててくれてありがとう。いい女になったじゃないか。俺がじっくり遊んでやるぜ。」「えいっ、」カトリーナは切り込んだ。

 ライトニングはその剣を剣で受けて鍔迫り合いに持ち込んだ。

 そして力で押し込んでカトリーナを押し倒した。


 カトリーナは死を覚悟したが、自然に叫んでいた。


「アストリアーーーーっ、助けてぇぇぇぇぇぇ。」


 その瞬間にライトニング、キッドの胸から剣が突き出た。


「アストリア?」

「遅れてすまない。今帰ったよ。」

「何処にいるの?」

「ここだよ。」


 アストリアは魔力解除のポーションを自分に振りかけて姿を現した。

 カトリーナは泣きながらアストリアに抱きついた。


「待っていたわ、待っていたのよ❤」

「ごめんよ、遅くなってしまって。」

「カトリーナ、今はここを片付けようよ。この短剣を使ってくれ。」

「これ1号ね。分ったわ、1号、海賊を全て殲滅してね。」


 カトリーナは前にいる海賊に1号を投げつけた。

 綺麗に剣先が海賊に向かって投げられた。

 1号はキウィの支援を受けて海賊を次々に倒して行った。


 アストリアとカトリーナは甲板に出て来た。

 そこで船長サンヴィーニ、シャークヘッドに出会った。

 アストリアは前に出た。

 そして斬鉄剣改を抜いた。

 サンヴィーニは後に下がった。

 アストリアがまた1歩前に出ると海に飛び込んで逃げた。


 アストリアはウインドスピアを海に投げつけた。

 ウインドスピアに貫かれたサンヴィーニの死体が海に浮かんで来た。

 そして海の底へ消えて行った。

 戦いは1時間ぐらいで終わった。


 1号に貫かれて海賊達は倒れて行った。

 カトリーナのレベルが100を越えて行った。




 その夜、2人は愛し合った。

 カトリーナは身長170cm、金髪を腰まで伸ばし、胸は大きく瞳は茶色ですらりとした体型だ。

 アストリアは身長180cm、金髪で瞳はブルー、こちらもすらりとしている。


「愛しているわ♡」

「僕も愛しているよ♡」



 アストリアはカトリーナをベッドに運びキスをした。

 カトリーナの白く大きな胸が上下して朝を迎えた。

 

 




 そして時は流れた。

 アストリアは40歳になった。


「お父さん。」

「誰がお父さんだ。」

「お前を息子と認めた覚えはないぞ。」

「あなた!!」

「おとうさま!!」


「サブリナが如何しても会ってくれと頼むので、承諾したが結婚を許した訳ではない。

 もし娘と結婚したかったら、私を倒してからにしろ。」


「あなた、大人気ない事は言わないで下さい。」

「しかしカトリーナ、何処の馬の骨とも分らない者を認める事は出来ないぞ。」

「お父さま、アクオス、ワイズナー22歳はナトニア王国の貴族よ。」


 ちなみに、アストリアはカトリーナと結婚してロームのベラドンナに住んでいる。

 名前もアストリア、ゴールド、ベラドンナと改名した。

 カトリーナ、ゴールド、ベラドンナ、

 その娘がサブリナ、ゴールド、ベラドンナ15歳だ。



「何、ナトニアのワイズナー家!!」

「仕事は何をなされているのだ?」

「はい、ナパ領の門番をしています。父上、私のステイタスをご覧ください。」


 アストリアはサーチをアクオスに放った。


「レベル258。レベルが258もあるのか?」

「お父さま、戦って勝てる相手ではありませんよ。」

「そうだな、しかもナトニアの門番でワイズナーなら、こちらからお願いしたいくらいだ。」「では結婚を許してくれるの!!」

「ああっ、幸せにおなり。」

「ありがとう、パパ。」



 こうしてゴールドの血脈はロームとナトニアへ広がって行った。


「あなた。」

「何だい、カトリーナ。」

「あなたなら、戦って勝てたでしょう。」

「まあ、いいじゃないか。娘が幸せになれるのだから。」


 アストリア、ゴールド、ベラドンナ。ステイタスレベル7777。




最後まで読んで下さりありがとうございます。次回作はこれよりさらに100年前の話になります。

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