俺の転生
これもとあるdiscord鯖で作った短編です。
お題は「猫」「霧」「実」です。
目が覚める。
そこは真っ暗闇でなにも見えない。
そう、ただの空間だった。
自分がそこに居るのか居ないのかさっぱりわからない。
と、そんなとき首元に噛まれる感覚が走った。
これは確実に現実、そうわかった。
そして空中に浮く感覚も。
足をじたばたさせてもなかなか着地できず底無しだった。
(くっそ、どうなってんだよ)
暴れ回っているとやがて足に地面の固さが伝わった。
やっと降りれた、そう思ったのもつかの間すぐにまた持ち上げられる。
5分ほどするとまた下りることができた。
そのあとはさっきみたいなことはなく、ただ時間が過ぎていくだけだった。
するとまた異常が起こった。
急激な眠気。
目は開かないものの、だんだんと体中の感覚が消えていく。
そして俺は意識を失った。
朝おきると今度はしっかり目の前が見えた。
明るい朝日に照らされ体が暑い。
(寝る前こんなに暖房付けてたか?)
そう思うくらいに。
やがて本当に暑くなってきた俺は見えにくい視界でリモコンを探そうとする。
手を前に伸ばし手元を見やる。
(───)
俺の手は小さく、もふもふになっていた。
あまりの光景に言葉がでない。
俺が呆然としているとでかい影が視界に写った。
その影の正体は「猫」だった。
「にゃあ」
その猫は巨大で、俺の体の二倍程あった。
またも驚く。
声を発してしまう程に驚いているはずだ。
だがなぜだろう。
声がでない。
そのことに気づきおっきな声で叫ぼうとした。
すると
「みゃあ」
とかわいらしい鳴き声が聞こえた。
「みゃあみゃあ」
数回聞こえたあたりで気がついた。
その声の正体は自分だって。
なぜかって?
猫が俺に反応し木の「実」を持ってきたからだよ。
底の無い沼にはまってもがいているかのように絶望感に浸っていた。
「みゃあ」
「にゃあにゃあにゃあ」
巨大な猫は俺に木の実を渡してくる。
どうしようか、そう考えている暇もなく俺はその木の実にかぶりついていた。
甘い食べ物を口にした。
正直、おいしい。
とってもおいしかった。
そして全て食べ終わるとまた急激な眠気が襲ってきた。
やがて意識は途絶えるのだが俺は最後にその猫の顔をしっかりと見る。
「霧」がかかったかのように見えにくかったがその猫の顔は親のようにかっこよく、正義感のあるような顔だった──
Thank you for reading!
この短編作るのって制限時間設けていたので結構雑なところもあったかもです、、、(25分)