第1章第3話「護衛試練1」
ローザの護衛についてから3日が経つが未だにレンはローザに中々話しかけられずにいる
それもそうだろう、レンは階級社会で育ってきたため目上の人に気安く話しかけることが出来ないのだ
視線を感じレンが左を向くと初老の男が立っていた
レン「......3日ぶりですね」
男「そう堅苦しくしなくてもいいのですよレン君」
レン「失礼ですが、お名前は?」
男「私の名前はアラン・ブロード。ケイ家に15年間仕えている執事です」
レン「アランさん俺にもっとローザ様のことを教えてくれないでしょうか」
アラン「断ります」
レン「何故ですか......」
アラン「あなたはお嬢様の護衛でしょう、知る機会はいつでもあるじゃないですか」
レン「そう言われても......」
レンはぶつぶつと愚痴を言いながらもやってみようと心の奥では考えているのだ
護衛から5日〜試練の日〜
ローザの護衛の任についてから既に5日が経ちレンを含む数名の護衛達は試練を受けることになっていた。
1から10の試練を受け全て受かった者のみ護衛として残れることが出来る
今年の試練の参加者は13人
全員が試練合格の為に努力している
アランは参加者達を試験会場に誘導すると全員に聞こえるくらいの大きな声で説明を始めた
アラン「ここに集められた選ばれし諸君、君たちはお嬢様を守るため更に強くなってもらう」
護衛1「その試練というのは?」
アラン「皇帝陛下に使える10人の騎士、トルメトゥー騎士団に実力を認めてもらえればいい」
騒がしかった会場に沈黙が走る
アラン「全員が無事に帰還できることを願おう」
13人の護衛達はそれぞれの場所へと向かっていった......
アラン「レン君、君はトルメトゥー騎士団を知っているだろう」
レン「はい父上に何度も教えられていました。ですが誰一人としてその名前を知らないのですが......」
アラン「やっぱり知らないですよね、なので今全員覚えてください」
第1の騎士 シュネル・リブレシア
第2の騎士 ソルビット・ターリン
第3の騎士 ネフェトゥラ・アマディウス
第4の騎士 ベルンハイツ・シュターン
第5の騎士 エルザ・ミュース
第6の騎士 エンヴァー・ダハイン
第7の騎士 マルティ・ガウェイン
第8の騎士 ガレス・ガラハッド
第9の騎士 ガルティナ・モードレッド
第10の騎士 ロイター・ノートゥアーン
アラン「これがトルメトゥー騎士団です何か質問は」
レン「俺は何をすればいいですか」
アラン「おっとそれを言い忘れてましたね。レン君は第4の騎士ベルンハイツの所に行ってください」
アランの指示通りにレンは通路を左に曲がり5つ目の扉があるところに向かう
5つ目の扉である黄色の扉を3回軽く叩きレンは部屋に入る
そこにある異様な景色にレンは驚きを隠せなかった
レン「なんで部屋の中に森が.....滝まで!!」
??「よく来たなお前が挑戦者か」
レンは突然の声に身構え振り向く
??「私の名はベルンハイツ通称雷のベルツ」
レン「あなたが試験官ですか俺は何をすればいいでしょうか」
ベルツ「簡単な事だ。あの滝には6匹の龍がいる」
ベルツは滝の方を指さした
ベルツ「その龍の角を1つずつ持ってくればいい」
レン「分かりました」