人気度は0から下がることは無い·····筈だ
友達を作る手助けをしてやると言ったものの、あんな事言った後だし言いづらいなぁ·····と言うとでも思ったか?
ざーんねん☆元々クラス内でぼっちだから、これ以上クラスメイトの関係が悪くなることはないんだよ。ははははは!!!諸君らには分からんだろう?ぼっちの便利さと優位さは!
ということで、突撃〜!みんなの人気者!くっさなーぎクーン!
俺は無言で草薙の方に近付いていく。そして、草薙の目の前に行くとピタリと止まる。
「どうしたの?法堂君」
「あ〜、さっきの話なんだが·····受けてやってもいい」
俺のその言葉に草薙は目を見開く。
「君はこんな面倒事引き受けないと思ってたんだけど·····」
「どっちかっていうと、あいつが隣にいる方が色々面倒なんだよ。分かる?」
俺のその言葉に草薙は苦笑する。そして、スマホを取り出し俺の方に向けてくる。
「じゃあ、これから連絡取るかもしれないから、交換しておこうか!」
「お断りしておきます」
「まあまあ。そんな事言わずにさ!」
草薙は遠慮する俺からスマホを奪い取り、勝手に追加した。イケメンだから許される蛮行だ。まあ、俺は許さんけどな?
べべ別にラインに名前が増えて嬉しいなんて思ってないし!ないし!
「じゃあ、詳しくは今日の夜送るよ。僕は今から部活があるからね」
「ああ。そうしてくれ」
爽やかな笑顔で教室から出ていった草薙。
俺が大多数の女子生徒から殺意を向けられていたのは言うまでもないことだ。
さーて、これ以上此処にいると、体に穴が開きそうだし退室退室。
俺は鞄を背負うと、そそくさと教室から出ていった。
「あっ!待って!」
委員長のそんな言葉は俺には聞こえない。聞こえないったら、聞こえない!俺は教室を出ると同時に猛ダッシュで玄関に向かう。
正面玄関で靴を履き替え、帰ろうとする。
すると後ろから肩に手を置かれた。だ、誰だ!
「何だ椿か」
俺は後ろにいる人物を見てほっと胸をなで下ろした。
「さっきは、か弱い女の子をいじめて楽しそうだったね」
「お前は今すぐ医者に言った方がいい。眼科か精神科をオススメするよ」
アレのどこがか弱い乙女なんだよ。片方は当てはまるかもしれないが、もう片方はどう考えても弱くないだろ。強いて言うなら猛獣だな。
「まあ、色々と話したいことがあるからね。今日は一緒に帰ろうか」
「生徒会の仕事は無いのか?」
「有能だからね。全て午前中に終わらしておいたよ」
「流石だな」
ふふんっと胸を張る椿。胸はそこまで大きくないので、揺れることは無い·····。
「ん?今失礼なこと考えなかった?」
「イエイエナニモカンガエテナイヨ?」
「何故急に片言に·····」
ははは。僕がソンナコト考えるわけないじゃないか!ははっ!ははははっ!
「まあ、今回は問い詰めないで上げるよ。それよりだ」
「何?」
「今日、一緒に御飯を食べていたのは、一体誰何だい?」
あ〜、朝日の事か。
「転校生だよ。まだ、友達がいないからとか言って、自分の席で食ってた。だから、一緒に食べてた訳では無い」
「ふーん」
あの、真顔でものすっごいプレッシャー放ちながら近寄んの辞めてもらえませんか?ちょっ、ホントやめて!
「その目、やめてくんない?」
「······」
黙り込み、そっぽを向く椿。
·····不機嫌になった。
「まあ、俺の一番の友達は椿だけだし、な?」
「友達、じゃあ駄目なんだよ·····」
「ん?何か言ったか?」
「はあ、もういいよ。早く帰ろうか·····」
頭を手で抑え、溜息をつく椿。
俺、なんか言ったかなぁ?
俺はそんな事を思いながら、椿と一緒に帰るのだった。
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