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モブAはラブコメなんて求めてない  作者: 弱人間
一章
3/6

「匿って下さい!」と言いながらメインキャラを脅迫する俺こそ真のモブだ!

学校での朝の出来事だ。


「はーい!みんな座れー。今から転校生を紹介するぞー」


担任である古賀先生がそういった。


転校生か·····。


これがアニメとかなら美人の転校生が来るんだろう。


でもこのクラスに学校一のリア充ハーレムイケメンがいるんだよな。


俺は、確信した。


これ、絶対美少女来るやつだ!と。


「おーい、入ってきたまえ」


「失礼します」


俺は、その顔を見た瞬間驚愕した。


いや、そんな、まさか!ねぇ!昨日助けた美少女なわけないよな?


うん、無い無い。


頼む!勘違いであってくれ!


間違いなく、こいつが俺のことに気づけば面倒ごとに事になるのは明らかだ。


そうなってしまえば、俺の平穏な学校生活は潰れてしまう!


俺は、そう思い咄嗟に机に顔を伏せた。


「朝日 鈴音です。分からないことも沢山あると思いますが、これから教えてくれれば嬉しいです!これから一年間宜しくお願いします!」


生徒たちから拍手が上がる。これは、見た目と性格で早くもカースト上位にくい込んだかな?


「じゃあ席は法堂の隣が空いてるからそこに座ってくれ」


は!!?俺は思わず顔を上げた。


同時に殆どの男子連中から憎悪の眼差しを向けられる。


しかし、そんなことよりも起きてはならないことが起こった。


顔を上げた時に、夜明と思いっきり目があった。


彼女はわなわなと震えながら俺を指さす。


「いっ、いたーー!!!」


彼女の声が教室に響くより早く、俺は机に突っ伏した。


スタスタと歩き俺の方に寄ってくる。


やばい。こいつ、俺の席の前で俺のことガン見してやがる。


誰か!助けてぇ!


「はーい。夜明席につけー」


「あ、はい」


そんな俺の願いが通じたのか、女神である古賀先生が夜明へ席につくように促す。


マジ感謝だ!古賀先生!


よし、これは今日ずっと帰るまで下を向いておく作戦をすることにしよう。


流石に一日徹底的に無視しとけば興味は無くなるだろう。


·····そう信じたい。


俺はそんな切実な願いを願いながら、午前中は何とか、この気まずい空気を乗り切った。


昼休み、俺はすぐさま気まずい雰囲気の教室を全力で逃走した。


*********************


「それで、僕のところに来たわけかい?」


「ああ、そういう事だ。単刀直入に言う。匿ってくれ」


俺は現在、生徒会長室にて生徒会長である、夜桜 椿に匿って貰う様に頼み込んでいた。


夜桜 椿。綺麗な黒髪が印象的な、この学校の生徒会長であり、眉目秀麗、頭脳明晰というまさに完璧超人。


何で、この学校の中の数あるモブの一人である俺が何故こんなに主人公級の生徒と親しいのかは、まあ内緒だ。


「君は生徒会長室を休憩室かなんかだと思って無いかい?」


「いや、お前も似たようなもんだろ?」


そう言い、俺はポケットからスマホを取り出し一枚の写真を見せる。


その写真には幸せそうに爆睡している椿が写っている。


「ど、何処でそんな物を····」


「よく撮れてるだろ?前に放課後遊びに来た時、偶然取れちゃってさ」


「·····消して下さい」


「断る。これは大事な大事な椿への唯一の切り札なんだ。そう簡単には消せないなー」


涙目でぷるぷると震える椿。


「さあ、決めてもらおうか。俺を匿うか、この写真をマニアックな奴らに売られるか、さあどっちだ!」


「分かったよ!匿えばいいんだろ!昼休みが終わったら帰ってくれよ!?」


「えっ、嫌だよ。俺はもう今日は疲れたからここで過ごすよ。」


「いや、授業はちゃんと出なよ!」


何を馬鹿なことを言っているのだろう。


「俺は、もう注目浴びたくないからな。だから、俺は今日はもう授業に出ない」


「·····分かった。仕事の邪魔をしないなら許可するよ。」


「サンキュ。美人の生徒会長さん!」


「うるさい」


心無しかこの時の椿の顔は少し赤い気がした。


·····気のせいだよな?



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