零時-色のない日常-
最近、朝夜冷え込みますね。
風邪にだけは、お気を付けて。
思い立ったが吉日ですよ。
20○✕年12月
『今夜もよく冷えるなあ…。』
『こりやあ、ひと雪くるんじやない?』
『ねえ、遊んでかない?』
いろいろな言葉が飛び交う街。
自分はひとり、淡々と足を進める。
日暮れの時間に自分の仕事は始まる。
『おはようございます。』
「お〜お疲れ様〜。」
太陽が沈み始めるとみんな家路につくが。
自分はこれから働かなければならない。
なんと、億劫な。
学校が終わったと思えばすぐに仕事ときた。
何のときめきもない毎日。
面白いことなんか、一つもない。
実家を離れて暮らしている自分は、部屋には寝に帰っているようなもので。
机の上には、やりかけのレポートの山と飲みかけの麦茶が入ったコップが2つ。
テーブルには、使用済みのティッシュと塩コショウとか、調味料。
ベットの上には、服だらけ。
休日返上でアルバイト。
片付けをする暇もない。
自分は高校生だから、アルバイトは22:00までが法律。
22:00に帰ってきたら、もう、お風呂に入って洗濯は次の日の朝。
学校に行く前に急いでまわして、雑に干して。
面白味のない毎日は、いい加減つまらない。
自分の目に見えている色は、モノトーンでしかない。
赤とか、青とか。
そんな色も見てみたい。
たまたまつけたテレビの美味しそうであるはずの食べ物もなんとも思うことがない。
感情がすっぽり抜け落ちたかのように、自分自身もつまらない。
学校に行くと、ひとりぼっち。
職場に行くと、仲のいいと思う人はいるけれど、本当は自分のこと嫌いなんじゃない?とかマイナスな気持ちになる。
家に帰っても、暖かな空気に包まれれて"おかえり"なんて、言ってくれる人なんかいない。
それどころか、帰ると部屋はひんやりと冷たく寂しい。
しばらくして、冬休みに入ると実家の母から地元の方言となまりまじりで、一本の電話が入った。
『はんなあ、正月な戻っくるっちゃろ?いつ戻っくっとか。』
自分は、母子家庭で育った。
実家には、祖父。祖母。母。愛犬。の3人と1匹の家族構成だ。
家族は大好きだし。帰るつもりではいた。
『うん。戻いよ。27日ぐらいやろか』
『そおけえ、待っちょっで、はよ戻ってこんな。』
『わかった。じゃあね。おやすみ』
何気なく5分程度話して電話を切ると、ソファに寝転がると、ぷつんと意識が途切れた。
明け方になり、ハッと意識が戻ると早すぎる目覚めに気がつき
冷えきった部屋でひとり呟いた。
『どうしよう。』
学校とか仕事とかの忙しさの中でバタバタしている時は、少しは目的があって動いてるからいいけれど、いざ休みになると、ぼっちだしやりたい事もこれと言ってないから、何していいかわからなくなる。
なので…とりあえず、部屋を出て電車に乗って、ICカードの残額で行けるところまで行った。
ついたところは、木がたくさん生い茂った無人駅だった。とりあえず、改札はあったから、改札を通ってしばらく駅の近くを散歩をすることにした。
幸せって人それぞれだけど。
小さな幸せを手に入れた時もっとってよくが出るのが人間なのです。