1-7お家作ろう。
そう言えば、今食っている熊肉の元になった五メートルの熊にこの小屋は耐えられるのだろうか。
なんか、一撃喰らっただけで壊れそうだ。
あの時はほぼ不意打ちで殺れただけなので、寝てる時に来られると今度はこっちが殺られる未来しか見えない。
やはり心の安寧の為にも、きちんとしたお家は必要だよな。
熊に叩かれても壊れない丈夫さが大前提で、その他俺の欲しい機能が満載の家を作ろう。
まず場所はどうする?此処は唯の河原なので、防御陣地としては弱いと思う。
移動するか?でも水場が近くていい場所が見つかるとは限らないよな。
熊を斃したあの池付近はどうだ?むしろ熊以外の魔物も来ちゃいそうだ。
そうするとこの河原で良いのかもしれない。
残念なのは水車とか使って水を上にあげられるほどの水量が無い事か。
その辺りは水魔法込みでやるか。
屋上を作ってマンションの上に有るような貯水タンクを付けて、それを濾過して飲み水とかにすると。
石と砂と、あと炭も有った方が良いか。
他でも必要だから炭作っちゃうかな。
魔法を使えば簡単に出来そうだし。
木を山盛りに並べてからドーム状に土をかぶせる。
次に燃やせば出来るらしいのだが、要は炭化させればいい訳なのだ。
炭素部分を残してその他を燃やしちゃえってのが炭作る趣旨な訳でしょ。
まず風魔法で炭にする木の周りの空気を抜く。
次に火魔法でその辺りを熱すると、出来上がりになるはず。
まあ、やってみましょ。
木を切り倒してくるのが大変だったと言う感想しかないな。
割とあっさり出来ちゃったので、次に進めよう。
出来た炭を小屋の中に放り込んでおく。
この小屋はそのまま物置になりそうだな。
次はっと、どんな建物にするかだ。
つか、建物じゃなく、地下に作ってもいいのか、いやいや湿気が凄くなりそうだから止めておこう。
やっぱり二階建ての地下室有りかなー。
上水道はさっき考えた貯水タンク方式で良いとして、下水道はあれか、浄化槽にスライムと、おなじみの方法を取るって事でどうよ。
浄水してから流すのは、下流の人に対しての礼儀だし。
ちゃんとスライムさんが働いてくれるかは、やってみないと判らないけどね。
働いてくれなかったり、巨大化して使えなくなったりしたら、下流の人達ゴメンナサイでいいか。
ライフラインは水道位しか使えないし、その他は自分の魔力頼みだなぁ。
魔石の使い方が解って魔道具とか作れるようになれば電気ガス代わりになりそうだが。
これは今後の課題としておこう。
監視塔を立てて周囲の警戒、って俺一人しかいないから周囲の警戒より、襲撃を受けた後にどのくらい耐えられるかが重要だよな。
家と判らない様にカモフラージュするか、意味があるかは判らんけどね。
それじゃ、壁で囲うか。
うん、家の壁も厚くするけど、壁で囲っておけば安全度は増すだろう。
どうも俺の頭は現代日本の家屋のイメージが強くて壁に至らないとか、平和ボケって怖い。
よし、この辺りの土地を土魔法で整地して壁を作ろう。
熊の体長が五メートル位だったから、個体差とか考えて壁の高さは十メートルあれば良いか。
いや、空堀にしてやれば半分位で行けるか。
それじゃ、整地した周りをぐるりと土魔法で凹ませて五メートルの空堀、で壁も五メートルって事で。
十メートルの壁よりはましだろうけど、五メートルの壁に囲まれたら日当たりが悪くなりそうなのである程度の広さは必要だよな。
取り合えず四十メートル四方位でいいか、いっそ百平方メートル位にして畑も視野に入れとくってのもいいな。そうしよう。
どうせ目算なので正確に測れる訳でもないし、俺が良いかなと思える程度って事で。
あ、そうだ池作ろう、池。
川を引き込んで池に水貯めて、そこから貯水タンクに水を上げると。
てことは、小川をまたぐ感じで整地するか。
考えた通りに整地していく。
やっぱり魔法ってすげぇ、みるみる間に俺のイメージ通りに整地されていく。
小川は一旦地下を通して上がってくる様に作っておく。
其処に池と言うかプール?みたいな感じで水槽を作った。
そのプールに水が貯まり切ったら、元の小川に戻る様に作る。
勿論、地下を通してだけど。
整地が終わり、壁を立ち上げていく。
空堀を含めて十メートルの落差があるから結構な迫力じゃないか。
跳ね橋で渡れるようにするにしても、綱を作らない事には引き上げたりできないな。
今は壁に出入口を作っておいて、板を渡して通れるようにするだけで良いか。
壁が出来てプール的な所には順調に水が貯まっている。
結局、小屋は整地した土地の中に入っているので、今後は物置として活躍してもらおう。
次は本宅に掛るよ。
一回にリビングダイニング作って、キッチンはかまどを使うしかないか。
じゃ、土間でいいからキッチン、リビングルーム、あと収納と水回りは重要っと。
トイレは下水にタンクを作って、あとでスライム捕まえてこなきゃ。
風呂は広めが良いよなー檜とかの木の種類は判らんけど、木製の湯舟にしたいかも。
まあ、土魔法で仮に作っておいて、あとで改装しよう。
一階はそれだけで良いかな。
二階に通じる階段を作ってと、寝室はあまり広いと落ち着かないから八畳位の広さで良いか。使うかどうかは判らないけど、四部屋程作っておく。
ベランダも作っちゃえ、日当たりのいい日はここでBBQとか。
二階もオッケー、次は屋上の貯水タンクか。
金属が無いから得意になって来た三和土製の貯水タンク。
配管も同じ感じなので、金属が手に入ったら取り換えた方が良いのかな。
配管の先に濾過装置を設置する。
大きめの石から段々小さくしていって、砂の所に炭でも入れときゃ良いでしょって構造です。
蛇口はまだゴムも無いし難易度高いので、栓を差し込んで水を止める構造にしてみた。
木の栓なので腐ったり、出てくる所が割れたりするかもしれないが、その時は修理だな。
水洗トイレの構造とか、多分こうなんじゃないかな位しか解らないけど作ってみた。
これで多少は文化的な生活が出来るだろう。
この辺りで昼になったから、熊肉を取り出して焼いた。
流石に飽きて来たなぁ。