表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/23

1-5狩り。

 焦った俺は特に準備をする事なく小屋を飛び出した。

 つか、行動を決めてねぇ。

 行き当たりばったりで狩りが出来るほど俺は熟練者じゃ無い処か素人だ。

 いかん、混乱している。

 今日は混乱してばっかりだな。

 ふう、落ち着け俺。


 よし落ち着いた。

 考えてみりゃ罠を作るって言う手もあるじゃないか。

 某狩猟マンガでも鉄砲猟と罠猟の免許があるって見たことあるし。

 此処には法令が無いから適当に作っても良いだろう。

 まさか現地の法令が有ったりするのか、まあ俺が知らんのだからいいだろ。

 自分が怪我しない様に目印だけはしっかり付けとこう。

 罠と言えば紐が必要だよな。

 針金とかあれば良いんだろうけど、望むべくもないので木の蔓を使って編んでいく。

 車載道具有ってよかったわ。ドライバー様様だね。

 基本硬いので色々使えて便利。

 ああ、バイクの金属部分を魔法で変形させれば色々使えるかも。

 後で取りに行こう。

 苦労して作った亜空間ボックスがさく裂するぜ。


 動物も水が必要なんだから、小川沿いに行けば得物が見つかるんじゃ無い?

 そんな閃きに従って小川を下っていく。

 くそっ、小動物も見つからない。

 大動物見つかっても困るか、いや困らないな。

 亜空間ボックス様様だ。

 取り合えず肉が食いたい訳だが、獲物が見つからないと肉が食えないのだ。

 ああ、芋とかの根菜でも良いな。

 見つかると良いんだが。

 果実の付いた植物を探すも、素人では中々見つかるものでもないらしい。

 ふらふらと歩いた先に、池の様に水のたまった場所に出た。

 其処には、体長五メートルを超える熊ぽい生物が水を飲んでいる。

 しかも足六本じゃないか、あれ。

 あんなのがいたら他の動物は近寄らんだろう。

 あ、なんか気にしている。

 まさか俺に気付いたか?

 熊ぽい何かが鼻をクンクンさせて、周りを見渡している。

 これヤバくね。逃げるか殺るか決めとかないと。

 つか、見つかったら逃げるのは無理だろう。

 あんな行動をしてるって事は、ほぼ見つかっている様なものだし。

 熊とか足早くてスタミナあるから何キロも追いかけてくるとか聞いたことあるし。

 しかも魔物っぽい熊だぜ、さらにパワーアップしてるはずだ。

 だが、俺には覚えたてとは言え魔法がある。

 よし、殺る。

 まだ完全にこちらを認識してない内に魔力を手の平に集中させる。

 そこらの堅そうな石を吸い寄せ、さらに圧縮、弾丸とする。

 螺旋を描くイメージ、ライフル弾。

 出来上がった弾丸を対物ライフルのイメージで加速させる。

 狙いは脳、頭を吹っ飛ばす。

「行け。」

 呟いたと同時に発射された弾丸は、狙い違わず熊の頭に吸い込まれたと同時に反対側に突き抜けた。

 あれだ、海外でスイカを撃ってる動画とかあるけど、そんな感じ。

 熊っぽい何かはゆっくりと倒れていった。

「ふはー、本当にできた。」

 これが俺の感想である。

 いや、こんなデッカイ熊を斃せるって、マタギじゃないんだから。

 でも、出来たんだな、俺。

 すげえええええええ、俺。頑張った俺。

 はっ、また混乱している、落ち着こう。

「ふぅ。」

 一息吐いて落ち着く。

 うわー、グロじゃん。

 頭の上部分が吹っ飛んでるよ。

 ちょっとした吐き気をこらえ、解体の為に腹を魔法で開いていく。

 我慢だ俺。

「確か内蔵は取り出すんだよね。」

 とか独り言を言いながら、ぐっちゃりした内蔵を取り出す。

 理科でやった解剖を思い出しながら、土魔法で空けた穴に放り込んでいく。

 きちんと埋めなおし、処置完了。

 皮を剥いで肉だけにすると、食える肉って感じがしてくる。

 ああ、内臓と一緒に魔石もちゃんと取り出してある。

 心臓の横に貼り付いていたのですぐ分かった。

 大きさはスライムの魔石と比べて三倍ほど、色は赤かった。

 肉だけにしても数百キロはありそうだったので、亜空間ボックスに放り込んでおく。

 これ、いつまで食えるんだ?亜空間自体の温度を下げて冷凍庫みたいにしておいた方が良いかな。

 因みに時間停止とか、俺がイメージ出来ないのでそんな機能は存在しない。

 冷蔵庫はイメージ出来るので、温度を下げるのは簡単だ。

 あ、冷凍庫にもなるんだから氷作っとこうか。

 夏とかにも便利そうだしね。

 出し入れで中身を忘れないようにしないとな、亜空間で腐ったらどうなるんだろう。


 命を奪うのは、釣りをしてると普通にするのであまり罪悪感は無いな。

 問題になるほどグロって感じにもならなかった。

 なんにしても解体したら肉になった。

 後数回狩りをしたら馴れそうなので、問題なしと言っても過言じゃないな、

 俺は、心の中で整理を付けながら帰路に就いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ