猫舌
――――― あっつ
また舌をヤケドした。いつもそうだ。
寒い冬の日、私はいつもホットミルクを飲みたくなる。
冷え切ったカラダにアツアツの牛乳が染みわたる感覚が好きなのだ。
しかし、私は所謂「猫舌」というものらしい。
そのため、正確に言えば、
心なしか冷めたホットミルク
が染みわたる感覚しか知らない。
しかし、そんなホットミルクでも、寒い冬の日には充分幸せな気持ちになる。
それで充分だ。
だが、もしも、寒い冬の日に、少しも冷めていない
アツアツのホットミルク
を飲めたのなら…
私は天にも昇る気持ちになるだろう。
感じたことのない幸せな気持ちになるだろう。
そんな、私には絶対に不可能な夢を描きながら、
私はいつものように毛づくろいをする。