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詩*見つめて*

ユレル

作者: a i o


首をかしげた芽が

朝露を払いしなやかに

立ち上がる


さ迷いがちな朝の気配に

真っ直ぐと貫く光

朧気な建物の輪郭と

冷たいコンクリートの硬さ


排水溝を流れる夜の雨

排他的な路地裏が

素知らぬ顔で道をあける


昨晩までは確かに

俯いていたのだ

地面を、

己の足下を

見つめていたのだ


視線の移動と

空を見上げるということ

歩幅を持たぬものが

背を伸ばすということ


明らかにされるものは

想像以上に少なくて

自覚された朝は

霞がかったまま

当たり前のように忘却に消費される


そうやって

立ち上がってきたのだ


上書きされた記憶の中で

一羽の白い鳩を真っ直ぐに飛ばすように

曖昧さの中で

忘れてしまうという力強い確信と

少しの憐れみ


ハッとした気付きの中で

もう朗らかに咲いた花と

くっきりとした真昼の太陽

するりと抜けた空に見下ろされ

身体のあちこちに染みついた

生活を営むということ


それなのになぜ


立ち尽くす

何がどうして


地球に閉じ込められた身体と

一点の

人混みに紛れた身体

同じだなんて








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