表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/24

オタサーのオタクくん編②

「なんか、照れますね……」

ベンチに座る百々子。周りを囲むオタクたち。

シャーペンとスケッチブックの摩擦音がかすかに聞こえる。それ以外に音がしない、オタクたちは一切しゃべったりはしないのだ。

「すごく、本格的……ですね」

沈黙。

「ちゃ、ちゃんと書けてますか?」


「ごめんなさい黙りますね……」


「シャーペンじゃなくて鉛筆使ってたりs―—」

「いいかげんにしろよ!!」

もじゃもじゃが立ち上がって叫ぶ。

「あ、すいません!」

百々子は目を丸くして固まる。

「いい加減にしろよタンク、おめえ須貝さんのスカートの中見ようとしてんだろ!」

もじゃもじゃの視線は体が大きい男の方へ向かっていた。

「……見てないし」


(ホッ……。私じゃなくてよかった……)


「おめえ何でそんな近くで座って描くんだよ!」

「ベストポイントで描くのが流儀。ッフフ」

「おめえ全然スケッチ進んでないじゃねえか!」

「しげるも進んでないじゃないっスか」

「お、お前が須貝さんのスカートの中を見ようとするからだ!」


(もじゃもじゃ頭の人がしげるさんで、体が大きい方の人がタンクさんか……。)


「ふたりともやめなって、須貝さんの前でみっともない」

「「サトせん……」」


(この謎の雰囲気があるイケメンがサト先さんというのね……)

「レディとの接し方がなってないぞ、しげる、タンク。百々子さんは善意で協力してくれているというのに」

「……いえ、とんでもないです」

「私が描いたのはこれです」

サト先がスケッチブックを百々子に見せる。

「え!?メチャクチャうまい!!」

「やっぱりモデルがいいと筆が乗るね」

「いや全然そんなことないです……」

百々子は顔を少し赤らめる。

「今日はタンクとしげるは上手く書けなかったみたいだし、外だと百々子ちゃんが日焼けしそうだし明日部室に来てくれないかな?」

「部室ですか?」

「ああ、私らはマンガ研究部なんだ」

「だからスケッチ……」

「おいおいしげる、そこまで説明してなかったのか?」

「あ、はい。すんません……」

「まあ、百々子ちゃんさえ良ければ明日の放課後、うちの部室に来てよ。家庭科室でやってるから」

「か、考えておきます……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ