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オタサーの姫編④

「うそ!これが私!?」

いつものように家庭科室に集まる4人。

「写真を元に光とか色味とか調整できる専用のソフトがあるんだけどそれで6時間くらい加工してたかなー」

タンクが自信ありげに言う。

「すごい!うれしいー!」

満面の笑みの百々子。タンクは口半開きでデレデレ顔。

「も、もとがいいから……」

タンクのつぶやきは百々子に届いていない。

頭をポリポリ掻いているタンクに百々子がグッと顔を近づける。

「タンクくん!もっといっぱい撮ってよ!!」

百々子はキラキラした目でパチクリ瞬きしていた。



百々子の衣装は肌の露出が多いものになっていた。特にアニメキャラのコスプレは胸を強調したり、異常に短いスカートだったり。そこにさらにダメージ加工をしてエロさを増していくのだ。

「どう?可愛く映ってる?」

「可愛いよ」「かわいい」「かわいい」

男どもはこのシチュエーションを守るために『エロい』という言葉を発しない。

これがあくまで”かわいい”ものだという体で進めるのだ。

「じゃあ次これ着ようかなー」

百々子は自分の体に軽く衣装を合わせて、

「どう?似合いそう?」

としげるに聞く。しげるが

「うん!かわいい!似合うよ」

とまあ、デレデレである。

「魔法少女はいいんだけどステッキの種類が少ないのよねー」

と言ってサト先の方をちらっと見る百々子。サト先は

「明日にはもう20種類用意しとくよ!」

とまあ、デレデレである。

「じゃあ今日撮った分から5枚厳選して作品に仕上げてきてね」

とタンクに微笑む百々子。タンクは

「ももも、ももちろんだよ。ヒヒ」

とまあ、デレデレである。


「じゃあさ」

タンクがいつになく大きな声を出した。

「写真集で一発儲けよう!」

一瞬の沈黙。

「いいねそれ」

サト先がボソッと言う。

「やろう!売れるよ!」

しげるが盛り上がる。

「姫、やってくれるよね?」

三人の視線が百々子に集まる。


「私、頑張ります」


同人誌即売会は8月13日。マンガ研究部のイベント参加が決まり、記念すべき百々子写真集が完成された。

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