"雨"の過去
大きな喪失。
記憶の欠落の部分を彼は考えていた。
細い鋼の刀を受けながら…
いなして返す。
そんな余裕はなかった。
自分の非力さに痛感しながら、
抜け落ちた、これまでの大部分の記憶…
忘れた記憶を追っていた。
ーー何か、ある。
ーーー思い出せない何か。
<お前のせいで…カエデが死んだんだよォ!>
確かにカンナは言っていた。
つばぜり合いでポツリと聞こえた。
セイフラント「いや、でも…なぁ…」
刀を受ける。
何本も何本も…
そして溜息。
面倒だった。
なんでだろう。
なんで知ってるんだろう。
なんで…
なんでカエデを知ってるんだろう。
確信がある!
確かにカエデを知っている!
ー薄く、少しだけだが思い出せた。
その時
『いました!こっちです!』
威勢のいい声につられて、見た事のある長身が現れた。
セイフラント「…あーもう!いい所だった!!」
カンナは黙って推し量る。
消えかかったオレンジの灯りが
神々しくその長身を照らしている。
???「特別追跡班長官、アグナ・ラインハルト!参る!」
アグナと名乗る長身は、
やはり路地裏で出会ったあの2人の片方だ。
アリア「と、なるともう1人……
小柄なマスクがいたはずである。
アグナ「急務だ。代わりに私の部下を9人、連れてきた。」
それなりの目つきをした兵士がつく。
アリア達1人につき3人と言った形だ。
セイフラント「カンナ…一旦休戦協定ってのは?」
カンナ「へぇ…黙認するよ。」
アグナ「仲間討ちなら…続けてくれても良いのだが…」
ーこいつは違う。
こいつは何か違う
アリアは直感で感じ取り、
カンナはへぇ、と小さく頷き、
セイフラントはただ、納得行かない風に首を落としていた。
みなさんこんにちは、
福神漬けです。
停滞した訳じゃあありませんが、
若干用事がありまして…まぁ、
少し投稿遅れてごめんなさい!
以後、もっと良く出しますねぇ!