掴み所のない男
気持ちを改め、ようやく『世界革命』として動く2人。
ただ、正式なギルドと認められるには最低でも、
4人の仲間が必要なのだ。
アリア「もう越えたか?」
カンナ「へぇ、いや…あ、今越えた。」
2人は今、トルガフレアを脱し、
聖国・セーフィアへ入った。
巡り巡る森の中、
小鳥がさえずり出す音に合わせて、アリアは問う。
カンナ「へぇ…何を聞こうとしてるか分かるよ。」
アリア「2つだ。」
カンナ「へぇ、わかった。」
スムーズに会話が進む。
するとカンナは歩んでいるまま、
自分の固有家継について語る。
ーー思考奪取
文字道理そのまま、人間の思考を読み取るのだ。
カンナ「へぇ…初めは非伝承者だった。
思考奪取を持ったのは妹のカエデ。
カエデは、死ぬ直前に、
な̋ん̋ら̋か̋の方法で俺に能力をくれた。
…恐らく、屍人の魂胆だろう。」
ー屍人の魂胆。
この世界、死ぬ直前に1つ、ある程度の願いを叶えられる。
アリア「…じゃあ、セイフラントは何をしたんだ?」
建前、そう聞くがアリアには分かっていた。
『ーー思い出した。』
その言葉の意味を知った。
知らされた。
そして思い出した。
きっと衝撃で狼から戻った。
カンナ「へぇ…それはそうと!新しい仲間だ!」
アリア「そうだな…。」
話題が逸れたのか、
目的の場所が見えたのか、歩み足が速くなる。
セーフィア、ベンガルッシュ町。
ーカンナの生まれ故郷。
神聖な港町の様だ。
地面のタイルは白が主体。青、黄、少しの緑。
海辺からの反射で町中央の光が綺麗に輝いている。
???「お久しぶりぃ!」
声を掛けてきたのは、藍の髪をした男。
???「カンナじゃないか!会いたかったぞ。」
カンナ「へぇ、嘘をつくな、女いただろ?」
…会えて嬉しいのは嘘じゃないだろう。
少し朗らかな表情がそれを裏付ける。
すると、
『いた!あの男!!そこの2人!お願い!捕まえてっ!』
教会のシスターらしき女が、顔を赤らめて叫ぶ。
ー叫ぶと同時に走ってくる。
???「あー、いい、無視してて…」
一言かけると、女のいた所に木箱が、
恐らく木箱の所に女が立っている。
カンナ「へぇ、だいぶ能力を悪用してるねぇ。」
そう言いつつ、女を撒く、
???「所で、君は?」
突然振られるが、アリアは冷静に自己紹介をする。
???「ほぅ、よろしくね。
私はアーサー・ハーロック。
居換だ。
さっきみたいに、目視の物を入れ換えるんだよ。」
1通りの説明を終え、カンナが会いに来た理由を述べる。
とてつもなく省略された気がするが、
革命について語っている。
アリア(そう言えば、革命について聞いてなかったな)
カンナ「へぇ、後で教えるね。」
さり気なく心を読まれた。
…ただしかし、アーサーはついてくる気があるそうだ。
今は吟遊詩人をしているらしい。
掴み所がない男だな、
と言うのは今度にしようと決めたアリアだった。
みなさんこんにちは、
福神漬けです。
思ったより高校生活が厳しいので、
更新が遅れます。
ただ、ながーく続けて行こうと思いますので、
今後ともによろしくお願いしますね