そして雨は止む
降りかかる赤。
決して鮮やかでない、鈍く、赤黒い。
気付けば雨は止んでいた。
間もなく、アリアが元に戻る。
恐らく、【蒼い狼】の記憶は無いだろう。
アリア「……
湿気った木目の床に、左目から左脳にかけて、
綺麗にくり抜かれた、かつてのセイフラントが倒れている。
カンナ「敵の…兵士に殺られたんだ。」
ーーー<カンナ、後は任せたよ。>
最期の言葉の真意、カンナはまじまじと受け取る。
しかし、
アリア「もういいんだ…もう…全部知ってる…」
カンナは完全に虚を突かれた。
震え交じるアリアの声はまだ止まらない。
ー全部知っていた。
実験のことも、セイフラントのことも。
骸に近付いてみると
地面がずるりと滑った。
もう雨で湿ったのか、血で湿ったのか判らない。
ーーカンナは読んでいた。いや、読まされたに近い。
カンナ「もういいんだ。
因縁なんて…俺が馬鹿だった。
あぁ、俺が悪かった。もう…許すから……」
最期の一言には、それ程の何かが詰まっていた。
アリア「…で、これからどうするんだ?」
アリアが重々しく口を開く。
カンナ「そうだったな…本当は3人でやるべきだった。」
乱れて、赤く染まった白髪の死体を眺め、カンナは続ける。
「革命だ」
「革命?」
唐突な答えに思わず聞き返した。
カンナ「世界の…革命だ。」
アリア「世界……。」
カンナ「この…捻り狂った世界を変えるんだ。」
ーー何がこの勉学少年を駆り立てたのだろう。
まだその理由は判らなかった。
ーーーーこれより2人は、『世界革命』と名乗る。
みなさんこんにちは、
福神漬けです。
課題が終わらなくて投稿出来ますんでした。
申し訳っ!
でも、明日から出しますね!
今後もよろしくお願いしまぁす!