アリア・グローゼ
薄暗く長い通路を抜けると、綺麗な空が果てまで見えた。
まだ聞こえる機械音を背に少し立ち止まる。
…久しく見た鮮やかな色が懐しい。
『おーい!もー行くぞ!』
『……。』
何年だろう、何年あの無機質な灰色を傍観ていただろう。
~
俺の父は死んだ。母も死んだ。
故郷であるトルガフレアの勝手な…実に勝手な実験の為に。
ずっと考えていた。
なんで俺、生き残った?
その丁寧な疑問は、いつの間にか復讐という名の静かな決意に変わっていった。
殺してやる。
全部壊してやる。
あいつらもこの国も、この世界も…俺も。
何も出来なかった自分が悔しいから。
~
???「おい!早くしろよっ!」
???「悪い…考え事をしてた。」
???「そうか、あぁ、そういえば名前…聞いてなかったな。」
???「俺か?アリアだ。姓はグローゼ…覚えなくていい。
さっきはありがとな」
???「…命令だから。」
そうか、と軽く頷く。無駄な詮索はしない
???「追っ手…来ちゃったよ?」
アリア「ここで殺る。」
???「嘘だろおおぉおぉぉおぉ………」
そうだ、殺ればいいんだ。
折角の命だ、死のうとは考えない。
生きよう。
生きて生きて生きて生きて
復讐するんだ、必ず!
俺はグローゼ家の生き残り
アリア・グローゼ、だから!
皆さんこんにちは
福神漬けです。
友達の勧めで小説をはじめました。
他にも考えている作品は多々ありますが、
この『魔王の暇潰し』を初めの作品とします。
かなり長い作品になると思うので、
どうぞごゆるりと堪能していって下さい。