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暇神様は今日も京都で暇してる  作者: いけがみいるか
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『暇神達は我が強い』

トラの「誰がリーダーなの?」という発言を聞いた瞬間──


「そりゃあ当然あたしでしょ。何て言ったって赤色なんだし」

「待て待て。ここはやっぱ唯一の男である俺だろ。色だって玄、つまり黒色。十分主人公としてやっていけるし」

「いやいや。やっぱ格好良い龍であるぼくがメインだよ。男の子の憧れだよね龍」

「………違う。わたし。新たなる道の開拓。無口なリーダー」

「えと、皆さん………?自己主張激しすぎじゃないですか?」


リンを除く全員が一斉に立ち上がり、それぞれが自分がいかに主人公っぽいかを語り始めた。


「はいはい。あんた達の我が強いってことはもう理解してるわよ。でもね。戦隊モノでレッドがリーダーなのはお約束なのよ。これだけは揺るがないのよ!歴史が証明してるわ」

「ふっ。お前こそ視野が狭いんじゃないか?漫画やラノベだったら赤色の女の子はヒロインではあるが、主人公ではないのさ。そしてそういう場合、だいたい黒髪の男が主人公をやっている。だから俺こそが主人公!つまりリーダーに相応しいんだよ!」

「タケシも馬鹿だねぇ~。玄武とかよく漫画だと『奴は四天王の中でも最弱』とか言われるタイプなんだよ。ここはぼくみたいな伝説上の存在がリーダーになるべきなんだよ!」

「………でも龍はよく敵キャラに出てくる。空想上の生き物、敵としてこそ映える。故に、その龍に並び立つ、大地を駆ける虎こそ、最強……!」


「ほぅ………。おいしい………」


お互い火花を飛ばし合い、徐々にヒートアップしていくタケシ達を見ながら、リンだけは一人静かにお茶を飲んでいた。


「こうなったら埒が明かないわ。なにか勝負で決めましょう」


誰一人譲る気などさらさら持っていないことはもう既に全員が理解していた。


だから全員スズメの提案に乗ることにした。問題は何で勝敗を決めるかだが──ここでもやはり一筋縄ではいかなかった。


「格ゲーで一番強い人がリーダーね」

「パズルゲームで勝った人にしようよ」

「………音ゲで、勝負」

「じゃ間を取ってギャルゲで──」

「「「却下」」」

「なんで俺の意見だけ即却下なんだよ!?」


何故??全く理解できない!


「当然でしょうが。それでどうやって勝敗決めるのよ」

「誰が一番早くヒロインを攻略出来るかのタイムアタックだ」

「くだらなっ」

「ちょ!おまっ!ギャルゲ侮辱してんじゃねえよ!」


「そもそも何でゲームで決めようと…?しかもここでも誰も譲り合う気ないんですね……」


結局、一番その気のないリンが決めたシューティングゲームで勝敗を決めることにした。

負けられない戦いがここにあったり、なかったり。

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