森の中
今回はグロテスクです。
老人、もといブロックさんの家を後にした俺は、歩きながら色々な事を考えていた。これからどこへ向かうのか、俺は何を目的にするのか。
目的はなぜかすぐに決まった。「世界平和」だ。
今起こっている戦争は、こんな俺一人で収めることのできるものではない。だが、俺はやる。やる必要があるのだ。そんなことを心に刻みつけ、俺は目の前に広がる不気味な森の中に足を踏み入れた。
その森の中を数分歩いていると、今は昼……いや、朝なのに狼の「アオーーーーン」という鳴き声が聞こえてきた。
その途端、俺は動かしていた足を止めた。俺の右手には「ロングソード」が握られ
・・・
ている。それを使えば、狼など屁でもない。……熟練者であれば。
そう。ロングソードは、素人の手に握らしても、到底扱うことのできない剣なのである。
ロングソードは、刀身が長い所為で、重い。優に一キログラムを超える重さなのだ。
そのことを俺は知っていた。だから、震えていた。今の俺は、「丸腰同然」と言っても言ってもいいのだ。たとえ俺がロングソードを抜いても、ロングソードを振り回すだけ、いや、ロングソードに振り回されるだけだ。
どうか来ませんように…どうか来ませんように…と、呪文のようにその言葉を口にしながら、こそこそ歩いていくと、俺の「悪い予想」は見事に当たってしまった。
前方にある茂みから、数匹の狼が出てきたのだ。明らかに俺を狙っている。
「ぐるうう」と、汚い唾液を垂らしながらのそのそとこちらに向かって歩いてくる。
「ひぃぃぃぃぃ!!」と、情けない声を出しながら、俺は来た道を走って戻った……というより狼から走って逃げた。
逃げて逃げて、足が空回りするくらい走った。だが、そんな俺の努力も水の泡となった。
突如左肩に、鋭い痛みが走った。自分の左肩を見ると、群れのリーダーと思われる大きい狼が、俺の左肩に噛みついていたのだ。それを見た俺は、本当に足が空回りし、思いっきりこけた。
俺がこけても全く左肩から離れる様子のない狼に向かって、俺は「離せえぇぇ!!」と声を張り上げながら、狼の顔を思いっきりぶん殴ってやった。しかし、ビタイチ効いている様子はなかった。
しかし、一旦その狼は俺の左肩から離れた。その理由も考えないまま、とにかく俺はその狼の間から逃げ出した。しかし、その直後、前方から比較的小柄な狼が出てきた。そして、俺の右脇腹に噛みついてきた。俺は声も出せないまま、服と皮が破れて細長い臓器が出ている自分の右脇腹を見つめていた。
次々と数匹の狼が噛みついてきた自分の体を見つめ、俺はこの世に別れを告げた。
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