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晴れの雨

第三話です。

よろしくです。

彼が目を覚ましたのは、朝の十一時を既にまわっっている頃だった。

「……ん?」

彼はあることに気がついた。

彼が眠っていた所は、彼のベットではなかった。いや、それどころではない。

そこは、彼の家ではなかったのだ。

「!?…!?」

と、彼があたりを見回していると、ドアが開いて、一人の老人が入ってきた。見たところ、六十~六十五歳ほどだった。

「良く眠れたかい?」と、その老人は優しい声で話しかけたきた。

「あ、あの…?」と、彼が意味無ささげにその老人に向かって問うと、「君、どうしたんだい?あんな夜中に、……あっ!………い、家出かい…?」と言ってきた。

そこで、彼は全てを思い出した。戦争で母を昨日無くし、行くあてもなく、この家に辿りついたことを。

「うっ…ううっ……」と、彼はたまらず泣きだしてしまった。

「どっ……どどどどうしたんだい?…………あっ!暖かいスープでも飲むかい?うん…用意してくるからね……」と、老人はその部屋からいなくなってしまった。

彼は、何も頭に入ってこなかった。愛する母との楽しい思い出などが、脳内を目まぐるしく回っていたからだ。

「うあああっ、ううっ……」と、彼はうめいていた。


それから何時間かして、彼は老人から色々な質問をされていた。どこから来たのか、どうしてここに来たのか。親はどこにいるのか。老人は、少年が答えるたびに、「すまない……」と、謝り続けた。

老人の名前は、「ブロック」と言った。少年は「若者みたいな名前ですね」と、笑った。老人も苦笑しながら「こいつめ。」と言った。

そして、少年の名前を、「ホープ」といった。


俺は、悲しみを必死にこらえていた。一瞬でも気を緩めたら、涙が溢れ出てきそうだったからだ。

しかし、怒りの炎は常に心の中にあった。

父親は、俺が生まれる前に死んだ。だから、物心ついた時から、戦争を憎んでいた。

この「ホープ」という名は、父親から名付けられたものだと、母親から聞いていた。母親は、俺の名前を呼ぶ度に、父親のことを思い出すなぁと、笑っていた。

その笑顔は、常に心の中にいるが、この世界にもう本当の母親はいない。

俺は、ここにずっと居れる訳ではない。

そのことをさっき老人にも言ったが、「いいんだよ?ずっとここに居ても……」と言ってくれた。だが、「明日出発します……」と言った。


そして次の日驚くことに晴れていた。

家を出ようとすると、「これを持っていきなさい…」と、一つのななめがけバックを差し出してきた。「中には何も入っていないけど…」と。

それと「これももっていきなさい。」と、一本のロングソードを差し出してきた。

ロングソードというのは、鉄や、銅などの金属から精製される、その名の通り、刀身の長い剣である。

「どうしてこれを……?」と俺が聞くと、「これからは危ない道を進むんだろ?それは分かっている。その道を進むにあたって、困ったことができたら、これを売るなり使うなりしなさい。」と言ってくれた。

俺は、悲しみではなく、嬉し涙を流していた。そんな涙は久しぶり、いや、初めてと言ってもよいくらいだった。

「ありがとうございます………………」と言い、俺はその老人……もとい、ブロックさんと別れた。


ここから、俺の「旅」は始まった。

結局晴れましたね。

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