01 ぼうぼう 著 映画 『映画館ラブストーリー』
内容はチェックしたのだ、確かに。しかしー。
手に感じる湿気が汗だとわかるぐらいには、まだ正気ということか?「祥子?」
汗ばんだ手を彼が握った。伝わってくる困惑が全身を駆け抜けた。
理解しようとしてるーでも…映画館での初デートはこれで何回目だろう?
映画館に誘うのは「試す」ため…。そして今まで一度として祥子に答えた彼はいなかった。だから、今度もそうだとー祥子はいつものように映画に誘ったのだった。祥子は映画館を出て快斗と握っていた手を離した。
戸惑う快斗に、同じ状況で幾度目かのリフレインの言葉を躊躇なくー
「ごめんね、私、あなたと付き合えない…」
「え?」
これで終わりーいつものこと。別れる辛さより、映画館という空間から開放された安堵感の方が強かった。振り出しに戻っただけー祥子は快斗に決別の笑顔を向けた…はずだった
「え?」
祥子が笑顔で振り向いた瞬間。
快斗が祥子を引き寄せー祥子に間を与えず引き寄せると二人の唇が重なった。
「ごめん…」
「あ、謝るなら、キスしないでよっ」
快斗の言葉に反射的に快斗の体を押し離し祥子は叫んだ。「キスしたことが、君の不本意なら、謝る」
「え?」
「違うならー前言撤回」
想定外ー快斗の二度目キスに祥子は混乱したーあぁ、手のひらが汗ばんだままだ。動揺がひかない。手が震える。いやー体の震えが止まらない!
快斗が祥子を抱きしめた。
「なっ何をするのっ!?」
「震えが止まらないら、落ち着くまでいつまでもー」
快斗の声だけがー雑踏のざわめきがどこかにいったー抱きしめられながら快斗の声だけが再び響く。包まれる安堵感?祥子は包まれながら小さく尋ねた。
「閉ざされた空間が苦手なのー閉所恐怖症ってやつ?」
自虐気味に祥子は続けた。
「だからー付き合う為に試すーあなたを試したの」
困惑する快斗が掠れ声で尋ねた
「今、君を抱きしめてるのはダメ?」
祥子ははっとした。この空間は…ダメじゃない!ダメじゃない!!祥子は体の力みがぬけるのを感じながら、受け止める快斗に身を委ねた。
再び祥子を抱きしめながら快斗はその耳元でささやいた。
「映画館にこなくてもみることは出来るから、ね?」
(終わり)
ぎゃーーーラブストーリー書いてしまった~~っ、ぎゃぁぁぁぁ!!!凹●




