八十二話 サウラとフィーザ
宿に戻ると、僕らを出迎えたのはフィーザだった。フィーザは何故かエプロンを付けていて、ホウキで床を掃除している。
ぱっと見、別人にしか見えない。
「ただいま。えっと、みんないるかな?」
「おう、アルフレッド。メシにするか? 風呂にするか? それともオレにするか? へへ! 一度言ってみたかったんだよな、これ」
「いや、その」
相変わらずというかなんというか、アグレッシブだな、フィーザは。
「ちょっとそこの痴女! 純情なアルを誘惑しないでくれる? あんたみたいな馬の骨でも、アルからすれば年頃の異性なんだから、もう少し恥らいなさいよ。全裸でエプロンだなんて……やらしい」
「誰が全裸だ誰が! ちゃんと服着てるだろうが! このクソ赤毛が! お前こそ、なんだよそりゃ。そのスカート丈短すぎるだろうが! 純情なアルフレッドがお前のお子様パンツ見て、よこしまな考えを抱かないとも限らないだろうが! 風紀を乱すんじゃねえ!」
「なあんですって!? 誰がお子様パンツよ! 今日は大人っぽく、黒のレースよ!」
黒のレース……。僕は、思わずロッテのスカートを見た。確かに、かなり短い。動けばかなり際どいぞ、あれは。
風のルーンで……ちょっと風を起こせば……あるいは。
いやいやいや! 何考えてるんだ、僕。
「だいたい、お子様はあんたでしょ! ふふ。知ってるのよあたし。この前あんたがかわいい動物のパンツはいてるの、見たんだから!」
「う。うるせえな! かわいいんだから、いいだろうが!」
フィーザは頬を桜色に染めると、ロッテから目を逸らして叫んだ。
意外だ。フィーザが……。
フィーザが話題を逸らそうと一生懸命視線をさまよわせていると、僕の背後を見て指差した。
「そ、それより! 何だよ、うしろのちんまっこいのは? この村のガキか?」
サウラだ。サウラはさっきからずっと僕の影で、事の成り行きを見守っていた。別に恥ずかしいからとかじゃなくて、気配を殺すのは習性なのかもしれない。
「いや、違うよ。彼女は僕らの協力者なんだ。少しの間だけど、仲間になってくれる――」
「……サウラだ。短い間だが、頼む」
サウラは僕の影から飛び出すと、フィーザの前にでた。
「フィーザ・ドルベンだ。よろしくな」
互いに視線を合わせたサウラとフィーザ。どちらともなく歩み寄り、手を取り合った。握手をすると会話はなかったが、彼女らを包む空気は友好的だ。
「後でオレがこの宿を案内してやるよ。わからないことがあったら、何でも聞けよな」
「かたじけない」
「……よかった。フィーザとサウラ、仲良くなれそうだね」
「よくないわよ。ちょっと、どういうことフィーザ! 何が『わからないことがあったら、何でも聞けよな』よ! あんたのキャラじゃないでしょうが!」
「あ? 仲間を大切にするのは当然だろうが。ったく、器の小さい女だな、赤毛は」
「まったくだ。修行が足りん」
「ぐぬぬぬぬぬ! 正論だけに、反論し辛い! むかつく! むかつく~~!」
「どうどう。ロッテ、抑えて抑えて」
どうやら、フィーザとサウラはうまくやってくれそうだ。問題は、リトやオルビアか。
師匠は大人だから、あんまり心配の必要は無いが……。
モチベーションの低下と、他作品を先に完結させたいので
三ヶ月程更新停止します。
半端な事はしたくないので、こういう形になりました。
現状、週一回の定期更新という義務感だけで書いている
感があるので、そんな物が面白いとは思えないのです。
自分が面白いと思えない物を他人に見せるわけにはいきません。
もろもろのケリが付いたら、改めて更新を再開しますので
気長にお待ちください。
すみません。