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過去が会いに来た日

作者: Jin
掲載日:2025/09/27

過去が会いに来た。


「久しぶり。元気にしてる?」


あっけない再開だった。


もう10年も前に終わったことと高をくくっていた私を嘲る様に、そっくりそのまま現れた。


何の因果か、得てして人生の潮目が変わる時にこそ、不意の遭遇は起こるものだ。


変わった景色の中、変わらない高架下で二人。


急行が通り過ぎて、湿った不快な空気がまとわりつく。


「変わらないね」


やけに鮮明に響く言葉は、それでも平等に喧騒の中に飲まれていく。


時間をかけて硬直した表情筋も、腫れあがって鈍くなった矮小なプライドも今だけはきっと味方だ。


あの頃はさ――。


今は俺さ――。


そういえばあいつらは――。


擦り切れたはずのフィルムはまたも繋がれた。


手元のグラスはずっと冷たい。


「懐かしいよな。」


路地を吹く心地よいはずの風は、かき消してくれるほどの強さを持たない。


いつもなら足を急がせる雨も頼れそうにない。


腹立たしいほどに静かな夜だ。


「またね。」


改札前、電光掲示板の文字だけを支えに絞り出した。


それが今の私にできる最大限の抵抗だった。

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― 新着の感想 ―
お初にお目に掛かります。 ネットの海を流れていたら見つけた作品だったので拝見させて頂きました。 〉得てして人生の潮目が変わる時にこそ、不意の遭遇は起こるもの。 確かにこう言った出来事は私の周りでもあ…
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