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#25 冷蔵庫に卵

  そう言ってから由衣の代わりに僕がテーブルまでお鍋を持っていくと、由衣がこう言ってくれた。



  「大輝、うちの代わりにありがとう」



  「良いんだよ!僕だってみんなの力になりたいって思ってるから。そう言えば、冷蔵庫に卵はあるのかな? 」



  「うん。ちょうど5個だけあったんだよ」



  「そうなんだ!それは良かったね」



  「その代わりこれで、飲み物以外は冷蔵庫の中身が空っぽになってしまって、お金も一切無くなってしまったけど」



  「そうなんだね。ちなみにこのプレハブ小屋って家賃はいくらなのかな? 」


  「莉乃、ここは家賃ってないよね! 」



  「うん。このプレハブ小屋は誰も使わなくなった奴を勝手に再利用してるだけだから、無料だよ」



  「だから大輝、家賃はいらないんだよ! 」



  「そうなんだね。あとですき焼きを食べる時で、良いからちょっと話したいことがあるから、みんな聞いてくれるかな? 」



  すると4人全員は、不思議そうにしながらも頷いてくれた。



  そしてすき焼きをみんなで美味しく食べ始めると莉乃が早くも聞いてくる。



  「大輝、そう言えば話したいことがあるって言ってたけど、どんなことかな? 」



  「冷蔵庫の中身がこれで、飲み物しかないって困るよね? 」



  「そりゃ困るよ! おまけに電気は乾電池の懐中電灯しかないから、他の人みたいにスマホとかも無いから、これからどうしようって思ってるところだよ」

  「そこで2万円くらいしか難しいけど、それでも良かったらその2万円で、生活していかない? 」



  僕がそう言うと真っ先に桜が反応してくる。



  「その2万円ってもしかして大輝、働いてたりするの? 」



  「僕は、高校に行くのがせいいっぱいだから働いてはないけど、親から毎月仕送りをしてもらってて、それで毎月2万円くらい余るから良かったらって思って… 」



  「そうなんだ!2万円あったらけっこう生活していけるじゃん! 」



  桜が嬉しそうに言うと莉乃が、僕のことを心配してくれる。



  「でも大輝の親からの仕送りなら、置いてる方が良いんじゃないの? 」



  「それは気にしなくて良いよ。僕は、莉乃たちを助けたいんだ! 」



  「大輝がそこまで言ってくれるならお言葉に甘えさせてもらおうかな」



  「もちろん良いよ! 」



  「それにしても大輝は、どこまで良い男なんだよ!大輝、お肉食べさせてあげるからお口空けてくれない? 」


  「それはちょっとまずいんじゃ… 」



  「どこがまずいんだよ。別に良いじゃん!ほら、早くお口あーんして! 」



  僕は、言われた通り恥ずかしい気持ちになりつつも莉乃に食べさせてもらった。



  「どう?おいしい? 」



  「すごくおいしいよ」



  「それなら良かった! 」


  それから僕たちは、すき焼きを美味しく食べたのであった。


  しかしこの時僕は、これから急展開な出来事がやってくるとは知るよしもなかった。


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