#24 考えてたでしょ?
僕がその質問をすると莉乃は、大きな声でハッキリと答えてくれた。
「大輝、失礼だな!これは全部買ってきたものだから大丈夫だよ! 」
「そうなんだね。それなら良かった」
「それじゃ今からみんなで、具材切ったり用意してくるから大輝は、ここで待っててね」
「うん、分かった」
そして由衣は、お鍋を洗っていき莉乃が、白菜とにんじんをまな板の上に置いて包丁で切っていく。
しかし僕は、莉乃の後ろ姿をみながらえっちな事を考えていると、紗綾に気づかれてしまう。
「大輝、莉乃の後ろ姿をみながらエロい事でも考えてたんでしょ? 」
「そ、そんなことないよ」
「考えてたよ。今、大輝は莉乃のおしりの方を見てたから」
「そりゃ全く考えてなかったわけではないよ」
すると莉乃が僕の話していた内容に反応したのか、野菜を切るのを中断して、僕の方を振り向きながらこう言ってきた。
「私のえっちな事を考えてたってどんな事を考えてたの? 」
「どんな事って言われても言いにくいんだけど、莉乃がもし僕の妻だったらって考えてしまったんだよ」
「大輝、いきなり何を言い出してるんだよ!私が大輝の妻になんてなれるわけないよ」
「どうしてそう決めつけるのかな? 」
「それは私が大輝を苦しめてしまったからだよ。そりゃ私だってもし、大輝が私の夫になってくれるならすごく嬉しいよ! 」
「莉乃、もう後ろを振り向くのは辞めないか? 」
「大輝… 」
「これは莉乃だけじゃなくて、由衣と桜と紗綾も同じだよ」
すると紗綾がツンツンしながらこう言ってくる。
「大輝、何をバカなことを言い出してるんだよ!
今さら後ろを振り向くのを辞めるなんて出来ないから!仮に私たちが前を向いて頑張ろうとしても周りがそうさせてくれないんだよ! 」
「紗綾、今は僕もいるから一緒に前を向いて頑張っていこう! 」
「何を格好つけてるんだよ!バカじゃない?でも大輝にそう言われると、ちょっとだけ頑張って見ようかなって思うよ」
「紗綾… 」
僕が紗綾と見つめあってると莉乃が焼き餅をやいてくる。
「大輝、紗綾とばかりいちゃいちゃしないでくれない? 」
「別にいちゃいちゃなんてしてるつもりはないよ」
「ううん。今のはいちゃいちゃしてたよ!大輝、今から美味しいお鍋に出来るように頑張るからね! 」
「ありがとう、お願いするね」
それから莉乃たちは、お鍋パーティをするために、具材を切ったり、カセットコンロにボンベを取り付けてから火をつけたりして、みんなで頑張っていく。
そして1時間ほどしてからすき焼きが完成したため、由衣がお鍋をテーブルまで持って来ようとする。
「由衣、それは僕がするから大丈夫だよ! 」
「大輝はそこで待ってて!まだお腹のアザが治っていないんだから… 」
「ここは、遠慮は一切せずに男である僕に任せてくれて良いんだよ」




