#11 マンゴーとバナナ
「莉乃たちがゆっくり出来るようにって思って頑張ってみたんだ」
「ありがとう!それで分かった? 」
「うん。さすがに全部探しだすのは、多すぎて無理だけど、莉乃が履いてたパンツっていちご柄のとぶどう柄のとマンゴー柄のパンツじゃないかな? 」
僕がそう言うと莉乃は、ものすごく驚いた表情をしながら言う。
「えっ、なんで分かったのよ!他にもいろいろあるじゃない! 」
「うん。確かにたくさんあるね。でも僕には分かるんだ!莉乃ってもしかしてフルーツの柄のパンツが好きなんじゃないかなって思って」
「そうだよ。私、フルーツ大好きだもん! 」
「やっぱり莉乃は、かわいい女の子だよ! 」
僕が莉乃の頭を優しく撫でながらそう言うと、莉乃がえっちな事を言い出す。
「そのセリフずるいよ!もう、大輝のバナナが欲しくなってきたじゃない! 」
「僕のバナナってそれはダメだよ! 」
「良いじゃん!その代わり私のマンゴーあげるから」
「変なこと言わないの! 」
するとまたしても真っ先に由衣が便乗してくる。
「大輝、マンゴーなら、うちの方が絶対良いよ!新鮮あるから! 」
「由衣まで便乗しなくて良いから! 」
「まぁ、誰のマンゴーを選ぶかは大輝の自由だけど」
すると莉乃が、僕に向かって変な宣言をしてくる。
「大輝、いつか私のマンゴーがすごく欲しいって思わせてやるんだからね! 」
「莉乃、今でも十分かわいいマンゴーだと思うよ」
「それなら私のマンゴーと大輝のバナナをくっつけようよ! 」
「僕が可笑しくなるからこの話はこれでおしまい! 」
こうして僕は、莉乃たちと仲良くなりすぎたのであった。
そして翌日、学校にいくと廊下で夢嫁に会う。
「大輝、おはよう! 」
「おはよう、夢嫁! 」
「大輝どうしたの?顔にアザがあるけど! 」
「ちょっと色々ありまして… 」
「もしかしてまた松田に近づいたの? 」
「うん。だけどもう大丈夫だよ! 」
「えっ、どうしてもう大丈夫って言えるの? 」
「昨日、仲良くなったんだ」
「仲良くなったって言われても理由が分からないんだけど」
「実は、昨日蹴られたり殴られたりされるのに耐え続けることが出来たら、僕の勝ちにしてあげるって言ってくれたんだ」
「と言うことは、もしかして大輝、それに耐え続けたの? 」
「うん。耐え続けたよ!それから仲良くなって今では、莉乃って呼ぶようになってるんだ」
僕がそう言うと夢嫁は、いきなり泣き出しながら抱きついてくる。
「大輝に万が一の事があったらあたしどうしたら良いの! 」
「夢嫁、ごめんね」
「あたしをすごく不安な気持ちにさせた罰として今夜、あたしの車で家に来なさい! 」
「夢嫁の家に?それはまずいよ。誰かにバレたらどうするんだよ」
「受験生の生徒に勉強を教えてあげてただけって言うから大丈夫! 」