第4話 え?学校?
初めてのダンジョン攻略から早6年。僕は相も変わらず修行の毎日を過ごしていた。あれからも月1くらいの頻度でシロとダンジョンを周り、この国の半分くらいのダンジョンを攻略していた。
「やっ!はっ!らぁあ!」
今日は剣術の日なので、シロに剣術を教わっている。
「色々甘い!」
シロに切りかかるも普通に対処され、僕は地面に叩きつけられる。
「ふぎゃっ!」
前から知ってはいたが、やはりシロは最強だ。剣術では右に出るものなし。魔法は殆ど気合で耐える。華奢な体からは想像もできないほどのフィジカル。特に弱点も無く、ただただ強い。
「ミスカティア様の魔法は素晴らしいですが、剣術はまだまだですね。その辺の1流剣士には剣だけで勝てるでしょうけど、私に勝つにはまだまだです。」
アンタが強過ぎるだけだと思うけど…これも天才になるためだ。妥協はできない。
「よし、もう一回!」
そんな感じで、今日は一日中シロと特訓した。
「え?学校?」
その日の夜、疲れて半分寝ていた僕の部屋にお父さんが来た。
「そう!学校だ!王都にある王立魔剣学校から是非とも来てほしいとお前に推薦が来たのだ!」
お父さんはどーん!と、字幕が付きそうに言った。
「王立魔剣学校…ってどこ?」
聞き覚えがないというか…ぶっちゃけ学校に興味が無かったから頭から抜けている。僕は歴史やら魔法学やらも勉強していて、かなり頭は良い方なのだが、興味のないことは頭から抜けてしまう。
「知らないのか!?王立魔剣学校というのは!我が国が誇る最大級最先端の魔剣学校のことだ!」
またしてもどーん!という字幕を付けてお父さんは言ってくる。
「そう言われても…まず魔剣学校ってなんだよ。」
「それも知らないのか!?勉強が足りないんじゃないか!?…魔剣学校というのは、文字通り魔法と剣を学ぶ学校のことだ。王立ではどちらも最先端の技術を得ることができ、騎士団に入る者も多数。殆どが貴族やら王族やらだが、騎士団長や魔王になっている者もいるらしい。」
あー、そういえば今の魔王が何人かがそこ出身だった気がする…か?覚えてないな。
「とにかく、ミスカティアにはこの学校に行ってもらおうと思う。」
「えぇ…嫌だけど…」
学校なんて冗談じゃない。特訓の時間を潰してまで行く価値はないのだ。
「お前が学校に行きたくないのは知っている。だが、お前は人との関わり方というのを知らない。今まで父さん達家族以外と関わったことがあるか?」
・・・買い出しはメイドが行っているし、修行中誰かと話すことはない。うーん…
「・・・ないな。」
「あーあ、圧倒的コミュニケーション能力で人を動かしているの、カッコいいと思うんだけどなー。」
「!!!」
なんだと!?確かに、強さで従わせるより何気ない言葉で人を動かしている方がかっこいい!
「よし、行こう!」
「よく言った!」
そうして、僕は王立魔剣学校に行くことになった。にしても…
「なんで王立は僕のことを知ってるんだ?」
「実はな…王立の理事長が父さんの友達で、この前の飲み会でミスカティアの自慢をしたんだ。すると、是非ともうちの学校で育てさせてほしいと言われたんだ。」
まぁ公爵なら理事長の友達がいても変じゃないか…
「それで?いつから学校に行けばいいの?」
「来月から新入生として入学してもらう。他の生徒も新入生だし同い年だし仲良くできると思うよ。後のことはよろしくねシロ。」
「了解しました。」
扉付近で待機していたシロが部屋に入ってきた。
「早速、明日からミスカティア様には世間常識というものを覚えてもらいます。姉様にも協力してもらいますので、覚悟しておいてください。」
「姉貴ですか…?」
「はい!あの方が適任だと判断しました!」
はぁ…こりゃ大変な事になりそうだ。と、そんなことを考えながら、とりあえず今日は寝た。
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