第3話 「灼熱地獄」完全攻略
次の日、僕とシロは早速ダンジョンへ向かっていた。
今日行くのは屋敷から一番近いダンジョン「灼熱地獄」だ。
「灼熱地獄ってどんなところなの?」
僕はシロにそう問う。シロはどうやら学生時代にダンジョン巡りをしていたらしく、灼熱地獄にも行ったことがあるみたいだ。
「とにかく暑いですね。耐熱の魔法を使わないと死んじゃいます。」
「耐熱か。なら問題ないな。」
何を隠そう、耐熱や耐寒は幼少期に完全に出来るようになっているのだ。だから僕は1000度を超える場所でも-1000度の場所でも快適に過ごすことができる。やろうと思えば、10000度でも過ごすこともできるだろう。
「ミスカティア様は耐熱の魔法は使えるでしょうか?できなくても私が…」
シロが僕の顔を覗き込んで言う。僕としてはシロの方が心配なのだが、まぁ一度攻略しているなら問題はないだろう。
「問題ないって言ったでしょ。耐熱魔法はしっかり使える。シロこそ、耐熱魔法使えるの?」
そう聞くと、シロはキョトンとした顔をした。ん…?
「いいえ。私は気合で耐えました。」
僕より化け物なんじゃないのこの人。ていうか僕が耐熱魔法使えなかったらどうするつもりだったんだよ。
僕も自分が化け物っていう自覚は有ったんだけどね、今回は流石にシロの方が化け物なんじゃないかと思う。なんで気合で灼熱って言うほどの熱に耐えれるの?
「失礼な事考えてません?」
「いやいや、凄いなーって思ってただけだよ。」
危ない危ない。シロはなぜか僕の心を見透かしてくるからね。顔に出さないようにしないと。
「顔に出さなくしても分かりますよ。危ない危ないとか考えてますよね?」
「なんで分かるの⁉」
もしかしたらこのメイドは解雇した方がいいのかもしれない。
そんなことを考えながら、僕達はダンジョンへと向かった。
「なるほど…これは確かに暑いね。」
僕達は灼熱地獄に着き、早速中を探索していた。
「はい。体感だともう軽く200度くらいありますし、もっと奥に行けばもっと暑くなりますよ。」
まぁ僕の耐熱魔法なら何も問題はないのだが、見た目が熱い。マグマに炎など、とにかく赤赤赤で暑くてしょうがない。
「とにかく、先へ進もう。確かボスを倒せばいいんでしょ?」
「主って奴ですね。そこまでにも何体か強い魔物がいるので、それにも気を付けてください。」
「了解。」
シロは髪も肌も服装も白だから見てるだけで多少涼しく感じる。
僕は近づいてきた魔物を倒しつつ、前に進んだ。
「凄いですね!もう主がいる階層まで来てしまいました!流石ミスカティア様です!」
「ありがとう。でも本番はここからだよ。」
1時間ほどで僕はダンジョンの最奥にたどり着いた。今からボス戦だ。
ギギギ、と扉を開き、僕はボス部屋へと入った。
「ぎゃあああぁああおおお!」
中に入ると、早速主が出てきた。炎を纏った竜、火竜だ。
「んじゃ、いくよ!」
僕は魔法で剣を作り出し、火竜に向けて剣を振るう。少し躱されてしまったが、深く切り込んだ。
「魔力弾!」
手から魔力弾を10発ほど撃ちだし、火竜に当たる。少し細工をしていた為、当たった瞬間大爆発を起こした。
「ぎゃあああぁああおおお!」
火竜は倒れ、塵となって消えた。
「流石です!火竜も相手にならない!これが天才ミスカティア様です!」
シロが凄く盛り上げてくれる。が、別に僕とシロしかいないので、盛り上げようがないと思う。
「じゃ、帰ろうっか!」
「はい!」
そうして、初めてのダンジョンが終わった。完全攻略で圧勝だ。あんまり実戦経験が積めなかったので、今度はもっと強いところに行こうと思う。
そんなことを考えながら僕達は帰宅したのだった。
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