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神々の国(オリュンポス)  作者: タライ
1/2

プロローグ

 悲鳴が聞こえる

 建物が崩壊し、人々が悲鳴を上げている

 鈍痛が頭を襲う、どうやら頭を強く打ったようだ。

 崩れた建物の瓦礫から、這いずって出る

 土煙が晴れて、阿鼻叫喚とする現状の原因が空であざ笑うようにこちらを見る。

 氷を纏った【それ】は手の平をこちらに向けて

 大きなつららをあっというまに空中に作り出すと


「お前は厄介だ。ここで死んでくれ。」


 【それ】は明確な敵意と殺意を持って僕にそういうと、つららをこちらに発射してきた。

 目を見開いてギリギリで回避する僕


「いっつ!」


 しかし、どうやら右腕をかすめたらしい

 確実な痛みが右腕を襲う

 右腕を押さえながらひたすらに逃げる

 何故だか知らないが、どうやら僕が狙われているらしい

 なら、せめて人のいないほうに

 僕は悲鳴とは逆方向に走り続け

 やがて人気ひとけのない海上近くの倉庫へとたどり着く

 

「逃げられると思っているのか!雷の神トール!」


 雷の神!?

 この僕が!?

 そんなわけがない、僕はただの17歳の高校生で

 名前も佐藤空さとうそらっと言うのだ。

 そんな神だなんていうほどのものじゃない

 しかしそれでも、あちらさんは僕を殺そうと躍起になって追いかけてくる。


「ひぃ!」

「逃げるな!戦え!トール!」

「違います!僕は空です!」

「お前の人間の名なんて聞いてない!お前の中にいる神に話しかけている!」


 僕の中にいる神!?

 やばい、何言ってるんだあいつ

 僕はひたすらに逃げる

 頭痛を我慢して走って、やがて体力も尽きて


「やっと、止まったか。しかし妙だな、なぜ神のポデルデディオスを使わないんだ?」

「わわわ、追い込まれちゃった。」


 ポデル・・・何?

 僕は目の前の【それ】に恐怖し、その場に腰を落としてしまう

 逃げきれない絶望感

 これから殺されるという恐怖

 ガタガタと震える体

 そんな僕を見て、【それ】はつまらなそうに一息つくと


「もういい、ここで死ね。お前はもう脱落者だ。」

「や、やめてくれー!」


 【それ】は先ほどと一緒で大きなつららを空中に作りだすと

 僕に向けてそれを・・・


「死ね、煉獄の氷槍アイススピア


 僕に向けて発射してきたと同時に


「待たせたわね!空!」


 女性の声が僕の名前を呼ぶのと同時に

 大きなつららを拳で砕く


「ほーう、来たかヘラクレス」

「ハデス、弱いものいじめ?」


 なんだ、何かさも当然のように会話が始まったけど

 僕は全く状況がつかめない

 僕を守って?くれたね、名前も知ってたしきっと知り合いなのだろう

 しかし僕の知り合いにこんな美少女いたかな?

 僕を助けてくれた女性は、整った顔立ちに黒髪短髪といったボーイッシュな見た目だが・・・いやこの子ボーイッシュだな。

 服装も短パンにTシャツだし

 だけど、ボーイッシュな性格であろうのに言っては失礼だが、かなりあるな。首の下にある双丘が


「ゴクリ・・・」


 思わず唾をのんでしまった。

 場違いな場所で興奮してしまうのはきっと男のさがだろうな

 しかし、その子が助けてくれたのは確かな事実で

 僕は命を救われた

 

「空!あなたも早く神のポデルデディオスを!」


 まただ、一体何なんだポデルデディオスって


「それ何!わかんないよ!」

「えっ、分からないって何よ!いいからトールって叫びなさい!」


 お、怒ると怖いなこの子

 しかしトールっと叫ぶ?

 

「えーっと、トール!」

「しまった!」

「ふふん、こっちの勝ち!」


 僕は謎の子に言われた通りトールっと叫ぶが


「・・・」

「・・・」

「・・・」

「あの、何も起こらないけど。」

「ふぁっ!?」


 謎の子がアホそうな顔で驚くと空中にいた【それ】が声を上げてあざ笑う


「なんだそれ!まさか神のポデルデディオスを使えなくなったのか!あーっははははは、くっだらない。もういいよ。」


 冷酷な顔になった【それ】は空中にいくつもの大きなつららを作ると


「煉獄の氷雨アイスレイン


 無数に作った氷のつららを僕らに向けて降らせてくる。


「う、うわああああ」

「空、私の後ろに!」


 謎の子は僕に後ろに来るように指示するので、女性の背中に隠れるのも男としてどうかと思うが、死にたくない一心で僕は謎の子の後ろに隠れる


「私が大技を使ったら、ここから一旦逃げるわよ!」

「大技!?なんのことか分からないけど、分かったよ!」


 降ってくるつららの雨に向けて謎の子は拳を強く握ると


「破壊のブレイクハンド!」


 その大技?っと共につららの雨が一気に吹き飛び、空中にいた【それ】も大技を回避するために上空へと逃げた


「良し、逃げるわよ!」

「ってうおわあああ」


 謎の子は俺をおんぶすると、その場からものすごい速度で走り去っていった。



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