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ムーン・セイヴァーズ  作者: 白洲ヨム
Chapter-01 『Missing』
5/173

Section-3

更新履歴 21/9/8 文章のレイアウト変更・表現の修正


 ここは、県立芦原高等学校第二分校。


 俺が通っている、全校生徒合わせてたったの十二人しかいない、片田舎の小さな高校だ。



 その周りに広がるのは、見渡す限りの緑深き森。

 それを取り囲むのは、平坦な尾根の連なるなだらかな山地。

 そこには校舎の他に、人が造った物の気配は皆無であり、もちろん街の灯火や喧騒も届かない。

 要はとんでもない僻地の学校、ということである。


 俺は今、そこのだだっ広い校庭を、一人のんびりと歩いていた。

 眩しい朝の日差しに目を細めながら、いつもの古ぼけた学び舎に向かって。

 しかも鼻歌でも歌い出したくなるような、ひどく浮わついた気分で。


 なぜそんなにも上機嫌なのかと言えば、それは前回のゲームの結果に、十分満足していたから。

 期待以上の戦果ポイントが獲得できて、単純に喜んでいた、ということである。

 ここが校庭でなければ、きっと本当に歌を口ずさんでいただろう。


 そんな風に俺は、すこぶるご機嫌な心持ちで、足取り軽く学校へ向かっていたのだが。

 その途中で、ふと視界に、飽きるほど見慣れたものを捉える。


(お? あれは……)


 それは俺と同じ制服を着て、同じように校庭を歩む、同年代の男子生徒の後ろ姿だ。

 それが誰なのかは、まあ考えるまでもない。


 ゆえにすかさず、俺はそいつに駆け寄って、勢いのまま明るく挨拶を放った。


「よっ、サトル」


 悟はそれに応じて、くるりとこちらを振り返り、少し意外そうに俺の名を呼んだのだが――


「あ……カイト」


 なぜかそのまま、言葉もなくぼんやりとこちらを見つめるだけになる。

 突然話しかけられたことに、うまく反応できていないという様子だ。

 きっと考え事でもしていて、注意が散漫になっていたのだろう。


 そこでそんな彼をからかうため、俺はあえて冗談交じりに絡んでいった。


「おいおい、ずいぶん辛気臭いな。

 ひょっとしてあれか? 青春の悩みってやつか?

 よしよし、ならいつでも相談に乗るぞ」


 そしてその鬱陶しい俺の振る舞いに、悟が苦笑いしつつ突っ込んで、それをきっかけにいつもの楽しい時間が始まる……


 ……という展開を、俺は期待していたのだが。

 しかし残念ながら、そんなこちらの目論見とは裏腹に、彼からはひどく奇妙な反応が返ってきた。


「うん……おはよう」


 発言そのものを、ほぼ完全にスルーされてしまったのだ。

 突っ込みどころか、まともなリアクションすら無い。

 常日頃のこいつとは違って、またずいぶんとつれない対応である。

 いったいどうして、ここまで態度が上の空なのだろうか。


 そう悟の態度を訝しんだ瞬間、俺はふと思い出す。


(あれ? そう言えば……)


 先のゲームにおいて、彼の成績がかなり悪かったことを。

 どうやらあの時に抱えていた問題を、未だに解決できず、今になっても引きずっているらしい。


 となれば当然、勝手に悟の親友を自認する、俺が取るべき行動はひとつ。

 迷わずその相談に乗り、背負っている重荷を取り払うことだ。

 善は急げということわざもあるわけだし、早速実行に移すとしよう。


 ゆえに俺は、素早く態度を切り替えて、真剣に彼を気遣った。

 声のトーンを落としてから、その不調の原因を聞き出すため、単刀直入に質問を放ったのだ。


「……どうしたんだよ、サトル? ホントに元気ないじゃないか。

 何かあったのか?」


 そのらしくもない思いやりを受けて、悟は急に、自らの失態を悔やむような苦い顔になる。

 それから変に慌てた風に、弁解口調で答えを返してきた。


「ああ、いや、ゴメンゴメン。いや別に、何でもないんだ。

 ちょっと考え事をしてたから、すぐ反応できなかっただけで。

 だからそんなに、気にしないで」


 何か隠しているのが見え見え、というわかりやすい態度だ。

 察するにどうも、俺には言いづらいトラブルを抱え込んでいるらしい。


 当然そこで、俺の心に芽生えてきたのは、彼を強く心配する気持ちである。


(……大丈夫かな、こいつ?)


 だってこいつの性格と言えば、死ぬほどのお人好しで、そのうえ呆れるほどの気づかい屋。

 どんなに悩もうとも、どれほど困ろうとも、きっと一人で解決しようとするはずなのだ。

 そんな危なっかしいやつを、このまま放っておけるわけがないだろう。


 なので再び、俺は彼を問い詰めるため、語気を強くして口を開いた……のだが。


「いや、何でもないって感じじゃ……」


 それと同時に後方から、氷で作られたナイフのごとき、冷淡で尖った声が割り込んできた。

 あたかもその鋭利な刃で、俺の言葉を切り刻み、不要なゴミとして捨てようとするかのように。


「付き合わなくていいよ、結城。

 木原の馬鹿が移ったら大変だからね」


 その透き通った響きからは、こちらへの好意など、一片たりとも感じ取れない。

 まるで慈悲とは縁遠い死神が発した、血も涙も無い死刑宣告である。

 ゆえに厄介なのが来た、と内心で舌打ちしつつ、俺は嫌々声の方を振り返る。


 そこに仁王立ちとなって、こちらを見つめていたのは――


(やはりお前か、美山)


 金色に近い茶色の髪と、微妙な制服の着崩しが醸し出す、ラフで不良じみた雰囲気。

 まるで研ぎ上げられた日本刀のように、鋭く突き刺さってくる厳しい眼差し。

 女性にしては高い背丈と、自信に満ち溢れた立ち方から放たれる、強い圧迫感。

 そんな強面感満載の要素を持ち合わせた、どこかヤンキー風の女子生徒である。


 彼女の名前は、美山涼。『涼しい』と書いて、同じく『すず』と読む。

 字面の印象も音の響きも良い、たいへん美しい名前と言えよう。


 もっともその清涼感漂う名前とは裏腹に、性格は頑固で攻撃的、とにかく強気全開なやつである。

 男と正面から口論をしても、一歩たりとも退かないというくらいに。

 そういう何かと面倒な、俺の数少ないクラスメイトの一人だ。


 ちなみにその彼女は今、犯罪者を見つけた警官のような目つきで、こちらを睨み付けている。

 どうやら俺が悟に対し、面倒な絡み方をしているのを発見し、それを止めようと割って入ってきたらしい。

 その反応自体はまあ、まともと言えばまともなものだろう。


 だが当然、そんなのはひどい誤解だ。

 決して見過ごせぬ、おそろしく的外れな認識なのである。


 だって俺の先ほどの言動は、あくまで落ち込んだ悟を励まし、元気づけるためのものなのだから。

 それを厄介者扱いするなんて、なんと悪辣な誹謗中傷だろうか。

 その不名誉な勘違いは、今すぐにでも正されなくてはならない。


 そう決意を固めた俺は、早速美山の圧力に抗い、力強く自身の正当性を主張した。


「失敬な。元気が無い友の心を、ちょっとでも盛り上げてやりたい…という、この俺の巧みな気づかいがわからんのか?

 まったく、これだからガサツな女は。

 もう少し思いやりってもんがないのかよ」


 しかしあちらはそれに、一切怯む様子を見せぬまま、頑強に言い返してくる。


「そういうのを余計なお世話、って言うんだと思うけど。

 落ち込んでる時に木原の冗談聞いたって、もっと気分が悪くなるだけだし。

 友達のためを思うなら、今は黙ってた方がいいんじゃない?」


 わりと否定しにくいところもある、中々に鋭い指摘だった。

 頭の回転が速いと言うか、敵の弱点を見つけるのがうまいと言うか、とにかく変なところで賢い奴である。


 ただ当然、言われっぱなしなのも気が収まらないので、俺は即座にさらなる反論を開始する。


「いやいやいや、俺達はいつだってこういう感じだからな。

 色々とアホな絡みをしながら、毎日楽しく過ごしてるのさ。

 女にはわからない、男の友情ってやつだよなあ、うんうん」


 しかしそれでもやはり、美山はほとんど退く気配を見せなかった。

 むしろさらに圧力を強めつつ、冷静にこちらの弱点をえぐってきたのだ。


「それ……結局は木原の方が、一方的にそう思ってるだけでしょ。

 結城はお人好しだし、仕方なく付き合ってくれてるだけなんじゃないの?」


 その一撃には、正直ぐうの音も出なかったりする。

 確かに悟は気遣い屋だし、滅多に自分の内心を語らないので、そういう可能性も十分にあり得るのだ。

 そこを的確に突いてくる辺り、さすがに手強い相手である。


 結果としてそれで、俺は反撃の糸口を喪失し――


(……くっ)


 やむを得ず、苦し紛れの一言を絞り出す羽目になった。


「……ホント負けず嫌いだな、お前は」


 それを美山は、澄ました顔で軽く受け流す。


「それは、そっちも同じでしょ」


 いかにも勝ち誇っています、という印象の態度だ。

 おそらくこの口論において、自分が相手を制した、と実感しているのだろう。


 その反応がとてつもなく悔しかったので、俺は必死に考えを巡らし、せめてもの反撃を繰り出した。


「……そんなだから、男に敬遠されるんだぞ」


 すると一瞬、美山が呆けたような表情を見せる。

 何を言われたのか理解できず、つい思考停止に陥ってしまった、という雰囲気だ。


 しかし直後、その言葉の意味を把握したのか、さらに厳しくこちらを睨みつけてきた。

 きっと自覚している欠点を指摘され、この上なく腹を立てているのだろう。

 当然ざまあない、と俺は内心でほくそ笑む。


 だが俺は、すぐに彼女から、思わぬしっぺ返しを食らうことになった。

 ジェントルマンシップの欠片も無いその行動へ、天から重い罰が下ったかのように。


「そ……そんなの木原に言われたくない!

 自分だってデリカシーが全然無いって、女子みんなから敬遠されてるくせに!」


 すごく初耳な、その恐ろし過ぎる情報に、俺もまた強烈なショックを受ける。

 特に女子みんなから、という部分が衝撃で、何やら軽く涙さえこぼれそうになってきた。

 どうやら俺達は、子どもじみた意地の張り合いの結果、互いに大怪我をしてしまったらしい。


 なのでその痛みをこらえるかのように、俺達は二人して、しばし言葉もなく立ち尽くす。

 ただし相変わらず、正面切って睨み合ったままでだが。

 端から見たら、さぞかし滑稽な場面と感じたことだろう……


 ……などと俺が考えていた矢先、その予測を証明するみたいに――


「フフ……」


 唐突に横から、思わず漏れてしまったという雰囲気の、小さな笑い声が届いた。

 それは極めて上品で柔らかで、とても心地の良い響きである。

 ゆえに俺は、その声に誘われて、自然と目をそちらへ向ける。


 すると視界へ、口に手を当てて微笑む、一人の女の子の姿が入ってきた。


 それは長くまっすぐな黒髪と、白く細長い指、そして穏和そうな顔立ちが印象的な、正統派美少女だ。

 その奥ゆかしい美しさには、どうしたって視線を引き付けられずにはいられない。


 彼女の名前は、望月和歌。『和歌』と書いて、『のどか』と読む。

 美山涼と同じく、俺のクラスメイトである。


 もっとも見ての通り名前の通り、あの辛口毒舌な跳ねっ返りとは、容姿も性格も正反対だ。

 実際その振る舞いにはどこか気品があり、全身からはお淑やかで優美な雰囲気が漂っている。

 この二人が親友というのは、全知全能の神々にも決して解けぬ、世界最大の謎であろう。


 そう馬鹿な事を考えながら、俺は激しい胸の高まりと共に、彼女を見つめ……いや、完全に見とれていたのだが。

 そんな俺の視線を、抗議の表明だと勘違いでもしたのか、望月さんが申し訳なさそうに口を開いた。


「あ……ごめんなさい、笑ったりして。

 本当に二人は仲がいいんだな、と思ったから……」


 そのいかにも彼女らしい、的外れで純真な感想はともかくとして――


(やはり……かわいい)


 彼女のその反応が、飛び切り慎ましくお嬢様然としていたので、俺はますます何も言えなくなる。

 本来なら謝罪は不要だ、そんなの気にしなくていい、と伝えなければならないのに。

 柄でもない話だが、恋の病というのは本当に厄介なものである。


 するとそうして黙り込む俺を見かねてか――あるいは単に場を和ませようとしたか――そこで悟が、横から助け船を出してくれた。

 ただしその声音に、ずいぶんとからかうような調子を交えながら。


「大丈夫だよ、望月さん。カイトは別に怒ってるわけじゃないから。

 ただ望月さんが可愛くて、ちょっと照れてるだけでね」


 彼としては無論、冗談のつもりで言った事なのだろうが。

 しかし図星を突かれたこちらとしては、思い切り動揺するより他はない。

 なので俺は、そんな自身の狼狽ぶりを隠すため、慌てて反論だけはしておく。


「……馬鹿な事、言ってんなよ」


 目だけを動かして、悟に厳しい視線を注ぎながら。

 本当にそう思っているとは知られぬよう、できる限り平静を装った状態で。

 まったく普段は素直なのに、ときたま意地悪なのが、我が親友である。


 とは言えそのおかげで、黙り込んだままという状態を避けられた俺は、こっそりと胸を撫で下ろした。

 最低限のフォローはできた――そう思いたい――と感じ、密かに安堵したわけだ。


 しかしそうやって完全に気を抜いた直後、俺は無情にも、自分が最も見たくなかった光景を見てしまう。


(……ッ!)


 それは悟に声をかけられた望月さんが、そちらを振り向いた後、安心したように微笑みを浮かべる姿だ。

 それは決して、俺には向けられることのない顔。

 相手に完全に気を許した時のみ、彼女が見せる表情である。


 そいつを今、彼女は悟に向けている。

 加えて悟の方もまた、すぐそれに応じて、望月さんに優しく微笑み返していた。

 誰の目にも明らかな、心通じ合う者同士のやり取りと言えるだろう。


 そんな二人の睦まじい様子に、激しく胸を痛め付けられた俺は、思わず視線を逸らす。

 眼前の辛い現実からも、同じく目を背けるように。


 だってそれが、自分にはどう足掻いても不可能なやり取りだったから。

 どうすれば彼女にああいう表情をしてもらえるのか、さっぱり見当もつかなかったから。


 だと言うのにこれほど近くで、直にその様子を見せつけられ、どうにもこうにも居たたまれなくなってしまったのだ。

 こんな思いをするのも、全ては自分の至らなさのせいだろうに、まったく情けない男である。


 ただそんな現実逃避の果てに、正面へと向き直った結果――


(……ん?)


 俺はなぜか再び、美山と真っ向から睨み合うような体勢になった。

 向こうもまた、見つめ合う二人から視線を外していたことが原因だ。


 もちろんこいつが、どうしてこっちを見ていたのかはわからない。

 クールなその表情には、ほとんど感情が浮かんでおらず、胸の内を読み取ることは難しかったから。

 まあ他人の心を見通すなんて、がさつで鈍い俺には、そもそも無理なのかもしれないが……


 ……とか何とか考えつつ、俺が彼女に視線を注いでいると――


(……ぬっ)


 不意に美山が顔をしかめて、そのまま不機嫌そうに顔を背ける。

 『見てんじゃないよ』とでも言わんばかりの、ひどく挑戦的な反応だ。

 やっぱり、可愛げなんて欠片もない奴である。


 しかも同時に美山は、何か大きな鬱屈を振り払うかのように、強い口調で望月さんに声をかけた。


「そろそろ行こう、のどか」


 そしてこちらを置き去りに、迷わず早足で歩き始める。

 いつもの古びた学び舎へ向かって、いかにもこいつらしく、前だけを見据えてまっすぐに。


 望月さんはそんな美山の行動に、だいぶ戸惑った様子を見せていたものの、しかし結局は逆らわず後に続いた。


「う、うん……わかった」


 となると当然、これで彼女との時間は終わりというわけだ。

 まともな会話は、未だに一言だって交わしていないにも関わらず。

 かなり名残惜しいが、これも自業自得というところだろうか。


 ……なんて風に、俺はすっかりこの場を諦めていたのだが。

 しかし次いで唐突に、望月さんがこちらを振り向き、小さく会釈しながら別れの挨拶をしてくる。


「じゃあ二人とも、また後で」


 その薫風に揺れる百合のような美しい所作と、春の訪れを告げる暖かい日差しのような声。

 そのふたつに激しく揺さぶられ、俺の心臓は再び鼓動を速めていった。


 いつものことだが、彼女の一挙手一投足、その全てに俺は反応してしまう。

 常にこうして、強く心を掻き乱されるのだ。

 病状はかなり深刻、ということである。


 とは言えその内心の動揺が、相手に伝わってしまっては色々とまずい。

 ゆえに俺は、軽く肩をすくめるだけで、彼女の会釈に返事をする。

 美山の行動に呆れている、という風を装いながら。


 彼女はそんな俺の振る舞いに、また軽めに微笑んだ後、くるりと踵を返して友人の後を追った。

 俺はその背中を黙って見送り、十分に距離が空くのを確認してから――


(ふう……)


 独り内心で、深いため息をつく。

 あまりうまく話せなかったことを悔やみつつも、一方で彼女と関われたことに、少なくない喜びを覚えながら。

 そう変な雰囲気にもならなかったし、これはこれでまあ上出来だろう……たぶん。


 それから瞬時に気持ちを切り替えると、俺は悟へ向き直り、明るく声をかけた。

 無論、未練やら嫉妬やらの面倒臭い感情は、いったん胸の奥に押し込めてだ。


「じゃ、俺達も行こうぜ」


 しかし悟はなぜか、その呼びかけに対し、また少し落ち込んだ空気を醸し出す。


「うん……そうだね、行こうか」


 そんな彼の態度に、俺は再び違和感を覚えた。


(……まだ、調子は戻ってないのか)


 だって常に周りへの配慮を欠かさないこいつが、こうもはっきりと悩ましげな様子を見せ、大して繊細とは言えぬ俺にさえ心配をかけているのだ。

 そういう今の状態を、どこか異様と感じるのは当然である。

 いったい彼は、何にそこまで悩まされているのだろうか。


 ただそうして友の不調を心配しながらも、先ほどの美山の乱入により、すっかり話のきっかけを失っていた俺は――


「……おう」



 特に意味の無い、承諾の言葉を返すくらいしかできぬまま、重い足取りで歩き出すしかなかった……








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