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置いてかれたロボットと僕
店長はゆっくりと僕から背を向けて歩き出した。
店長の事だ僕が何を言っても聞く耳をもたないだろう。
何でこうも全て僕を置いて話が進むんだろうか。
頭を掻くと人型ロボットの顔を見る。
真っ黒い髪に青色の瞳。
そういえばミサも青色の瞳だった。
そんな事を思いながら人型ロボットの電源を入れた。
「ただいまの時間21時31分。現在地サーチ中。サクラン地区831-5」
透き通った優しげな声が起動音とともに紡がれる。
「貴方は・・・。検索にヒットしませんでした。ユウ様の新しいご友人ですか?」
人型ロボットはジッとこちらを向いて表情一つ変えず話す。
店長にしては珍しく初期化を忘れたのだろうか。
前働いていた場所の人の名前を人型ロボットは口にした。
「ユウ?」
「はい。ユウ様です。」