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未だ教室は遠く

1年半ぶりに書いたので内容思い出しながら書いてます。



人は大人になる為に一歩、また一歩と歩いていく、または成長の度に大人の階段を一段づつ登っていくと言われている。


しかし、その一歩や一段の間にはとてつもない苦労が待っているのだ。ある者は自分のコンプレックスと戦い、またある者は自分の目標を達成しようと足掻く。一段を登るというのはそう容易いことではないのである。

そこにはドラマやターニングポイントなど人生の節目があるのだ。


もしこれ以上登れないと諦めそうになった時は、一段降りて助走をつけてみるのも良い。初心や昔覚えた教訓などが役に立つかも知れない。



「ハァ・・・ハァ・・・待ってくれもう限界だ、ベル」


「へっへーん進おっそ〜い!!一段づつ登ってるとかバカじゃない?私は二段飛ばしですー!!」


「バカ・・・飛ばせる体力もう・・無いんだよ・・ハァ・・・」

(ってか一段飛ばしなら分かるが二段飛ばしとか聞いた事ねーぞ)


この2人には果たして人生の階段と言うものがあるのだろうか・・・二段飛ばしとかしないだろうか・・・


「アンタが教室まで勝負しようとか言い始めたんでしょ!」


「ここまで教室が遠いとは・・・思わなかったんだ・・・やめにしよう・・」


足を止めてご立腹のベル。

「ほんっと体力無いんだから、力も無いし今まで何してきたのよ」


「勉強・・・んかなぁ・・・ハァ」


(うわウザッ)

さり気無いドヤ顔に少し腹が立つ。


「まぁ良いわ、息が私の顔にかかるから早く呼吸整えてよね」


「無茶言うなよハァ・・てか教室はまだかぁ・・?」



エイデンの本校舎は8階建てであるが、3年生が4階、2年生が5階、そして1年生は7階にある。

1年生は筋力がまだ足りない為、7階にまで登らせて体を作ろうという学校の方針のためだ。

ちなみに建物自体高さがあるので階段の段数も多い、そして現在、進達は5階にいる。


「そろそろ着くはずよ」

進達は7階にたどり着いた。


「いやーこの学校縦もデカイが横もスゲーな」


「そうね、でも綺麗すぎてとても伝統ある学校とは思えないわね」

自分の歩いた道を振り返り足跡が残らないか確認しながら歩く。


「おい、後ろ見ながら歩くと誰かにぶつかるz!ブハォ!!!」

進はベルに注目していたため、前にいる人間にぶつかってしまった。


「あら、進大丈夫?」

お前のせいだと思いながらベルに顔を覗き込まれる進。


「あぁ大丈夫・・」


「すみません、大丈夫ですか?」


食い気味で進の言葉に被せてくるのはぶつかった凛とした女。黒髪のショートで真ん中からちょこんと髪が1束垂れている。姿勢がとても良くスラっとした印象を容易に抱けるであろう。


「いやこっちこそすまん、よそ見してたもんで」

頭をポリポリと掻きながら謝る進。


「そうよ、よそ見しながら歩くなんてどうしよもないわね!アンタ」


「元はと言えばお前のせいなんだよ!!」


「はぁー人のせいにしないでもらえますかー」

(コイツ・・・後で借りは返させてもらうからな)

怒りを取り敢えず抑える進。


「申し遅れたね、私はリュイン・バルタニア。

リュインって呼んでくれて構わないよ」


この振る舞いにベルは思った。

(すごい上品な人、紳士だし隣の男とは大違い)


そして進思う。

(すごい上品な奴、賢そうだし隣の馬鹿とは大違いだ)


「俺は坂巻進、よろしくな」


「私はジュゼル=ペン=ベル、よろしく!」


2人の挨拶を受け制服の裾を広げてリュインが口を開く


「可憐なお嬢様にそれを守る賢そうなナイト・・・今後ともよろしくお願いします」



ーーー貴族だーーー


進達はそう思ったに違いない。


「可憐ですってー!ねぇ!進!私可憐って言われたわよ!!」


「 まったく、このお馬鹿さんは俺が居ないとダメなんだからさ。・・・ナイト!・・賢そうって!・・・うへぇ!」

自分の事しか考えてなかった


「それで君達、教室に行こうとしているのだろう?私が案内しよう」

男より紳士なリュインが軽く手を差し伸べる


「そうか、それは悪いな。じゃあSクラスまで案内してくれ!」


そう進が言い放った途端!リュインの手が僅かな震えを帯びる!


「S・・・クラス・・・?」


「そうよ!あなたはどこのクラス??」


ベルがそう聞くと、クラスを答えるとは到底思えない程の力を肩に入れ、ダインは声を発する


「ウィカイルーナァァァァァ!!!」


あまりの大声に進とベルは動きを止め、感情は驚きに専念する。


「お呼びですか?ダイン」


その声と共に黄色のカチューシャをした黒いドリルヘアーの少女がリュインの隣に現れた!


「!?、コイツ、いつの間に!!リュインの声に驚いてたとはいえ全然気付かなかったぜ」


そして2人は次の瞬間、とんでもない光景を目の当たりにする



「ウィカイルーナァ、私の・・・う・・・う・・」





ーーーーーー腕を切り落としなさいーーーーー




バッと口で制服を捲り、腕を真横に差し出すリュイン


「!?」

驚愕する2人


「はい、かしこまり」


そう言うと黄色のカチューシャ、ウィカイルーナのお腹にブラックホールの様な物が現れ、そこから剣を取り出した。

横に伸び、血管が浮き出る程、力が入ったリュインの腕に対し剣を振り降ろす!!


それを見て上半身が後ろにのけ反りながらも叫ぶベル。

「あなた!やめなさいよぉ!」


「バカ!見るな!」

ウィカイルーナを止められないと悟った進は、急いで怯えるベルの目を隠す。


ニュパッ!!っと音を立てリュインの腕が肉体を離れ宙を舞う!!


さっきまで自分に差し伸べられていた腕が、空中で回転する様を見て進は思う。

(コイツ、本当にやりやがった・・・)


「あぁぁぁぁぁぁ!!!最ッ悪ぅだ!!!Sクラスにぃ触ってしまったぁ!!手を差し伸べてしまったぁ!!こんな腕はぁ!!僕の腕では無いぃ!!」


ベチャっと落ちる腕を無表情で、自らのお腹に出来たブラックホールにしまうウィカイルーナ。


徐々に息を整え、切られた痛みも無くなったかの様にリュインは話し出す。


「ありがとうウィカイルーナ・・・これで正気を保てそうだ・・」


リュインの紳士な一面とそれとは真逆の狂気を目の当たりにした2人は思わなかっただろう。教室に向かう途中でこんな目に合うとは。。。

誰も見て無いですか??

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