プロローグ。
初めての小説です。
やる気はありますが、キャラの動きでストーリーが動き、文章はサクサク進むように頑張りたいのでよろしくです。
「喜べ、マリア! お前にお見合いの話が来たぞ!!」
帰ってくるなり、喜々としてそう叫びながら家族が寛いでいたサロンに現れた父親を見て・・・。
次女であるマリアはいつものように、そして母親と姉は怪訝な表情で、父親であるダグラスを見た。
「あなた! 何度言ったら解るの! 静かに帰って来なさいって言っているでしょう!」
「ごめんなさい! だってマリアにっ…! 」
「言い訳しない! どんな理由でも静かに帰って来るようにいつもいつも言ってるでしょう」
「お父様、お母様の言う通りですよ。 驚いてしまいます…」
「すみませんでした! でもでもっ! 本当に私も驚いたんだよっ… だから早くマリアに教えてあげたかったんだっ…」
慌ただしい父親の様子に、母親と姉はもう仕方ないわね…といった様子で、ソファに座った。
「お父様お帰りなさい。 今日もご無事でなによりですわ」
「あぁマリア、ただいま。 って違う! お前にお見合いの話が来たっ!」
「あらまぁ…お姉様にじゃなくて? …お相手は何処のどちら様ですの?」
「アリスは付き合っている方がいるだろう。 相手は軍事総監のルイス・ガードナーの子息のマーレッドだ。 27歳だが、とても好青年で今は王国騎士団第一紅蓮隊隊長を務めている方だ」
そう言いながら目の前にあるソファに座る父親を見て、マリアは小さく頷いた。
「あの方は確か…誰にでも素晴らしい笑顔で、女性のファンが多い方ですわよね?」
「誰にでもって…マリア…そんなことはないよ?」
「そうですの? だって噂がすごいじゃないですか。 いつ何処で誰とどうしたこうしたって。 あれですか? 年も年だけに、ルイス小父様がお片付けしたくてお話を私に?」
「マ、マリア…そんなことはないんだよ…」
「別に大丈夫ですわよ。 私だって嫁ぎ遅れになるよりは。 でもお相手の方は私が相手だと納得してますの?」
「う、うん…あの、マリアが相手だと知ったら乗り気で了承してくれたらしいよ」
「そうですの。 不思議な方ですわね。 私も良いですわよ、会うのは。 どうなることかは解りませんけれど」
「そ、そっか…でね、皆のお休みが重なるのが明日なんだ。 急で悪いんだけど、大丈夫かな?」
「それはまた本当に急ですわね。 でも大丈夫ですわ。 この前お姉様と一緒に作ったドレスがありますし」
「じゃあ明日お互いの家族共々の顔合わせもあるからよろしくね」
「解りました」
そう言えば母親と姉が全く話に入ってこないのはどうかしたのか…そう思ったマリアが二人の方を見ると、彼女達は物凄いキラキラした瞳でマリアを見ていた。
そして余談だが…………、ここまでの父親とマリアは、無表情で会話していた。
「お母様、お姉様?」
「なんでもないのよ、マリアは気にしないで」
「マリアは明日、どのドレスにするの? お部屋に行って私と決めましょう」
「そうね、アリスと決めておきなさい。 今日は明日に備えて早く寝なさいな」
「解りましたわ」
突然慌ただしく動き出す二人に促され、マリアは父親と母親に就寝の挨拶をすると、いつになくキビキビした様子の姉と一緒にサロンを出て自室に向かった。