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魔王が勇者じゃおかしいですか?  作者: 引 小森
魔王復活編
4/21

豪華。

やっとテスト終わったー!

最後に残った男子も協力する事を承諾した(ただこちらに来て頷いただけだが)ので、結果全員が参加することがきまった。コスお達も満足した顔をして喜んでいた。

俺たちは1人1部屋を与えられるというので今日はそこでゆっくり休み、明日から本格的に特訓に入ることになった。

そしたら、コスおが「部屋はメイド達に案内させる」と言い鈴を鳴らすと、この建物の中にある唯一の扉が開き、メイドが3人入ってきた。

正直見惚れてしまいました、はい。

彼女達は、黒と白を混ぜた感じの王道のメイド服を着ており、顔のレベルも高かった。感激をして緩みそうな口を何とか引き締め、彼女達の指示に従って跡についていく。危ない、危ない。第一印象が大事だぞ、うん。

そのメイド達に案内されて、城内に入るとそこは綺麗な洋風な城だった。様々な装飾が施されており、歴史の教科書でみたヴェルサイユ宮殿を思い出させる感じだ。全員がその装飾に目が奪われており、首を右往左往に忙しく動かしている。日本にいたら絶対見ることの出来ない光景だ。

首を動かすのが少し疲れたくらいの時に、前を先導するように歩いていたメイドが立ち止まった。


「こちらが皆様全員の共有スペースである談話室でございます。」


そう言い、部屋を開けて先に入ってくださいとばかりにお辞儀をしている。それを察して中に入ると、そこにはどデカい部屋が広がっていた。

先程通ってきた廊下ほどではないが、何だかほっとできる内装になっている。

真ん中に大きなテーブルがあり、それを囲むようにして、1人分のソファと複数人用のソファが二つずつ向かい合うように置いてある。奥の方まで目を向けると何かの通路が見える。

それぞれが、それぞれの気になる所に目を向けていると、最後に入ってきたメイド達が再度俺たちの前に立ち、説明をし始めた。


「こちらは先程説明した通り、談話室となっております。勇者様達が何かを話し合う際はどうぞここをお使いください。ここは、防音の魔法がかかっているため扉を開けない限り、外に声は聞こえません。近くのメイドに申しつければ紅茶やお菓子などを御用意致します。

それでは勇者様方お一人ごとお部屋に案内致します。」


そう言い、談話室の奥の方の通路に行くと、そのには両サイドに一つずつ扉が5個ずつ並んでいた。


「これらの部屋すべてが勇者様方お一人ずつ分けられおります。中にはベットやソファや服を入れるための棚などの日常家具、他に洗面所や御手洗、お風呂などがございます。お風呂は大浴場もございますので、それは後ほど案内致します。他に何か御要望の物がありましたら遠慮なく申しつけ下さい。できる限りの力で最高の物をご用意致します。

それでは部屋割りはどのように致しましょう?」


なにこの高待遇!

正直、こんなにも高待遇だと逆に怖い。俺たち10人全員にこの待遇を与えられるという事は相当の財力を有しているという事だ。もし今、コスおがここにいたら輝いて見えただろう。


「やっぱり手前側が女子の方がいいんじゃないかな。外に出るときに近いし。」


ブレ高1とその他が部屋割りについて話し始めていた。その他と言っても俺ともう最後まで残っていた男子を抜いた連中で話し始めていた。

今改めて見ると、最後まで残っていたこいつは少し男子というには何か欠けていた。

制服は学ランなので男子だとは思うが顔がよく見えない。なにか毛糸でできた帽子のような物を深くかぶっていているためだ。その帽子も何だか女物みたいにみえる。帽子に隠れていない肌は白く透き通った雪のようだ。それに身長も男子高校生と思うと小さすぎるような気がする。本当に男か?こいつ。

そこで俺は気づいた。このような男子を見た事がある。ラノベで。

ま、まさかこいつ・・・男の娘か!

バカな、実在していたのか!あれは想像上の産物だと思っていたのに。やばい、何か興奮してきた。


「そんな感じでいいかな。2人とも。」


「へ?」


唐突に話しかけられたので、驚いておかしな声を出してしまった。やっべ、何の話ししてたんだっけ?


「部屋割りだよ、部屋割り。僕たち男子が奥の部屋を使って、女子は手前側を使おうという話になったんだけど。それでいいなかな?」


あ、まだその話してたんだ。てか最初から結局なんも変わってなくね?


「ああ、それでいいと思うよ。」


ここは適当に同意をしておく。今はこんな事よりも、隣にいる奴の方が重大な案件だ。


「そっちの君もいいかな?」


ブレ高1が男の娘(仮)に同意を求めると、なぜか一度俺の方に顔を向けてからブレ高1の方に顔を戻し黙って頷いた。


「よし、それじゃあ。男子は男子で、女子は女子で話あって決めよう。そっちが決まったら教えてくれ。僕たちの方も決まったら教えるから。」


「うん。わかったわ。」


ブレ高1と委員長が言葉を交わすとそれぞれが仕切り始めた。


「うーんとりあえず男子が使えるのは奥の方だけだけど。なんか希望とかある?」


「一番奥がいい。」


そう真っ先に俺が自分の希望を言った。

当たり前だ。一番奥の方が安全に決まっているだろう。敵が入ってきた時とか、一番遠い位置にあるから、すぐに対応できそうだ。それに、端っこの方がなにか落ち着く。別に引きこもりのに丁度いいとかそういう訳では断じてない。


「わかった。他に、奥の方がいいって人いる?」


「別に俺はどこでもいいぜ。どこだろうと大して変わらないだろうからな。」


この見た目脳筋のやつは、さっき真っ先に裏切った男2号か。肩回しながらかっこつけながら協力するとか言ってたやつだ。なんか暑苦しい。


「そっちの君はどうかな?なにか希望がある?」


「・・・・。」


スッと。無言で俺の隣の部屋を指した。


えっ?なに?どうしたの突然。お兄さん困っちゃう。


「君はあそこがいいのかい?」


コクコクッ


首を上下に振るだけで言葉を発さずに会話を進めている。なにこの子、トークスキル高い。

というよりなんでだ?なぜ、こいつはそんなにも俺の隣の部屋がいいんだ?

俺に性別の壁を越える勇気はないよ。


「よしわかった。なら、君たちはそこで決まりだね。じゃあ、えーとそこの」


松平武志(まつだいらたけし)だ。」


「あ、うん。わかったよ松平君。

僕の名前は島津大河(しまずたいが)だ。気軽に大河と呼んでくれ。」


「ああ、わかったぜ大河。俺のことも武志でいい。よろしくな。」


「こちらこそよろしく、武志。」


2人でガシッと暑苦しい握手を交わしている。腐女子のお姉さま方がいたら興奮やむなしの絵だな、これは。


「じゃあ、部屋割りはどうする?」


「俺はさっきも言ったがどこでもいいぜ。」


「僕も対して希望はないからなぁ。うーん。じゃあ、出席番号で決めようか。僕の方が早いから手前だけどそれでもいいかな?」


「ああ、別に構わないぜ。」


「よし、じゃあ、決まったな。女子に報告してくるから待ってて。」


そう言い、走りながら女子達の方に行ってしまった。

やばい。突然、話の中心が消えたから気まずい。

誰も一言も話さずにシーンとしている。俺、この空気やなんだよなぁ。

そう思っていると、脳筋・・じゃなく、武志が話かけてきた。


「なあ、お前はなんて名前なんだ?」


「え?ああ、俺の名前は織田真央だ。」


「そうか、さっき聞いていたかもしれんが改めて、俺の名前は島津武志だ。よろしく、真央。」


「・・・ああ、よろしく。」


空気を変えてくれたのは嬉しいのだが、なんだろう。話していると熱を感じる。


「そっちお前も教えてくれねぇか?」


今度は男の娘(仮)の方に顔をむけた。

尋ねられた本人はすごいオドオドしている。そして、なぜか俺の方をまた見ている。助けてくれと言わんばかりに。

やめて、そんな目で見ないで。堕ちちゃう。


「ん?どうやら恥ずかしがり屋のようだな。すまんな、突然聞いて。後で気が向いたら教えてくれ。」


おお、なんだか見た目に比べて優しいな。こいつ、兄貴肌だな。


そうこうしている内にブレ高1、いや大河が帰ってきた。なんか、紙とペンをもっている。


「もう、女子も決まったらいしから、メイドさんに部屋割りについて話しておいたよ。 なんか部屋のドアにつけるネームプレートを作るらしいから、名前をこの紙に書いてくれだって。」


「わかった。」


紙とペンが、一つずつ配られた。紙には名前を書く欄がありここに書けということらしい。だが、ここには机がないので自分の部屋に行こうとした時、突然大河が俺たちを引き止めた。


「あ、ちょっと待って。ころから自己紹介も兼ねてこれから僕たちの詳しい方針を決めるから談話室に集まって。」


「ああ、そういえば俺たちだけでしか自己紹介してなかったな。」


「うん。これから命を預け合う仲間になるんだ。お互いのことについて知っとかないと。」


「そういうことなら参加を断る理由はねえ。」


「女子達はお茶とかお菓子とかの用意をメイドさん達に頼んでくるから、先に行ってるって。」


「女子を待たすなんて男子として失格だ。さっさと行こうか。」


なんで君たちはそうやって逃げ道をなくすかな?なに?嫌がらせ?その、もちろん行くよな?って感じの目をやめてい頂けませんか?


「・・・了解」


もちろん断ることが出来ないから行くしかない。もう、やだぁ。


「・・・・・。」


またもや最後になってしまった男の娘は、これもまたもや俺を見てから、頷いた。なんのフラグだこれ?





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