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プロローグ
それは突然だった。
高校の帰り道。今日発売のラノベ、「デットですか?アライブですか?」について考えながら自転車を漕いでいた。地元で買って、家でゆっくり読むか。はたまた、今すぐここから少し遠い本屋で買って電車でいち早く読むか。悩みに悩んでいた。今すぐ読みたい。しかし、電車の中で読んで酔わないだろうか。気持ち悪くなりながら読むなどまっぴらごめんだ。どっちか悩んだ末、結局地元で買うことにした。理由は簡単。考えている間に駅についてしまったのだ。このまま行けばいつもより早い電車に乗れる。そうすれば、いつもより早く家に帰れる。だったらもう答えは決まった。地元で買い、家に帰ってゆっくり読む。なんとか自分の早く読みたいと気持ちを抑え、決意を新たにして自転車を降りた瞬間だった。突然、体が落ちた
地面が突如としてなくなったのだ。
「うわーーーー‼︎」
暗い穴に落ちていく彼の悲鳴は誰にも届かなった。