第1話 「予算ゼロからの冒険者デビュー」
ようこそ、『リサイクルマスター転生記』へ。
この物語は――
異世界に転生した青年 レイ が、“新品が買えない”という致命的(?)な弱点を抱えながらリサイクル(再評価)能力を武器に成り上がる物語である。
主人公は超ポジティブで能天気。
前世では大学を中退し主にバイトで生きてきた。
必要最低限の生活力と妙にリアルな金銭感覚だけは持っている。
そんな彼が転生先で与えられたスキルは中古品やジャンク品などのガラクタと言われる物に価値を見出すリサイクルマスター。
この世界には魔法もモンスターもあるが、新品装備を買うにはとんでもない金がかかる。
だからこそ、レイの能力は異様に光る。
そして、武器を直す天才鍛治少女・リナとの出会いがレイの人生を大きく変えていく。
ジャンク1つから、冒険は始まる。
また、今の現実社会でも初期費用がなければ何もできないと思い込んでいるあなたへ、少しでもワクワクが伝わりますように。
「……え、ここどこ?」
気づけば俺は、見知らぬ草原の真ん中に立っていた。
前世の記憶ははっきりしている。
大学を中退しやっととの想いで手にしたバイトだが安定のどブラック。いや漆黒だ。
ブラック企業の物流倉庫で働き毎日中古品やジャンク品の仕分けをして、気づけば過労で倒れた。
そして転生。その瞬間。
ピコンッ!
目の前に半透明のステータス画面が浮かぶ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ステータス】Lv.1
名前:レイ
年齢:20
職業:無職
所持金:100G(前世界での価値=約1万円)
スキル:リサイクルマスター Lv.1
・効果:中古品・ジャンク品の状態を一瞬で見抜く
・修復した場合、再販売価格(価値)の予測ができる
・ごく稀に、素材の真価(覚醒能力)を見抜ける
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……え、装備は? アイテムは?」
インベントリを開くと、
『錆びた短剣』
・価値:1G(前世界での価値=約100円)
・修復歴なし
それだけ。。。
あと、1Gが約100円ってことか?
冒険者ギルドの初期装備すらない。
この世界では定価の装備はとんでもなく高価で、初心者はまず買えないらしい。
「……終わったな。また死んだ。」
そう呟いたとき、道の脇に折れた槍が落ちているのを発見。
スキルが反応した。
《折れた槍(価値:0G)/素材:ミスリルの芯あり/修復価値:1200G》
「ミスリルの芯!? これ完全にお宝じゃん!」
とはいえ、俺には修復のスキルはない。
「おい!ちょっと待て!それ触らないで!」
振り返ると、エプロン姿の少女が走ってきた。
真っ黒な髪を一つにまとめ、肩には工具袋。年は十代後半。
「それ、うちで修理しようと思ってたやつだから!」
「え? 君、鍛治職人?」
「そうよ。私はリナ。一応、道具屋の娘で、半人前の鍛治師」
「それなら……これ直せる?」
俺は槍を差し出した。
リナは目を丸くする。
「え、これ……ただの折れた槍じゃない。
ミスリルの芯なんて……こんなの宝物レベルよ?」
「だよな。スキルで分かった」
「スキル?」
「リサイクルマスターっていう、ジャンク品特化の……」
説明すると、リナは目を丸め笑った。
「つまりあんた、安物拾って金に変えるタイプの冒険者ってわけね」
「おっしゃる通りです……」
リナは槍を手に持ち、少し考え込む。
「ねぇ。あんた、装備買えないんでしょ?」
「今日の宿代引けば実質ゼロ円スタートだからな……」
「じゃあ提案。私が直した装備をあんたが使ってモンスターを倒す。その素材でさらに強化。売れそうなら売って利益折半。 どう?」
つまり…
ジャンク品拾う → リナが修理 → 売って資金 → より強い装備へ
という最強のコンビネーション。
「乗った!」
こうして俺は、鍛治娘リナと共に旅をすることになった。
第1話を読んでいただき、ありがとうございます!
能天気で金銭感覚が完全に日本人のままのレイ
そんな彼は、冒険者とは思えない視点で世界を見ていきます
「1200G? 12万!? 今日帰っていい?」
「新品高い! 中古でいいよ!」
「宿2000円とか天国じゃん!」
この“ズレ”こそが、この物語の面白さのひとつです
そして、彼のスキル《リサイクルマスター》は、まだまだ“Lv.1”にすぎません
これからレイは、
拾い物 → 再評価 → 修理 → 再販売 → 資金アップ
という独自ルートで常識破りの成長をしていきます。
鍛治少女リナとのコンビがどんな装備を作り、どんなジャンクを宝に変えていくのか
次回、第2話もぜひお楽しみに!




