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第4章:拡大

## 第4章:拡大


### 1


秋の空気が冷たく、シカゴの街に降り注いでいた。枯れ葉が通りを舞い、人々は厚手のコートに身を包んでいた。デリの窓から外を眺めながら、ヴィクトリアは時計を確認した。午後6時、閉店の時間だった。


「レンジと冷蔵庫の電源を切ったわ」彼女はレオナルドに声をかけた。「明日の朝一で配達の野菜が来るから、覚えておいて」


「ありがとう、ヴィッキー」レオナルドはカウンターを拭きながら言った。「娘さんの学校の面談はどうだった?」


「うまくいったわ」彼女は微笑んだ。「リジーは適応してるみたい。新しい先生は彼女の...特性をよく理解してくれてる」


レオナルドは理解を示すようにうなずいた。彼はヴィクトリアの状況について詳細を知らなかったが、彼女とリジーが「特別な事情」を抱えていることは感じ取っていた。マリアおばさんの甥として、彼は質問をせず、必要な支援を提供していた。


サンフランシスコから逃げてから6ヶ月が経っていた。シカゴでの生活は落ち着き、ある種の日常がそこに生まれていた。リジーは新しい学校に通い、ヴィクトリアはデリで働き、夜には「思考の多様性運動」の活動に時間を費やしていた。


デリを出ると、冷たい風が彼女の頬を打った。彼女はコートの襟を立て、降りかかる雨から身を守った。10ブロック先のアパートに向かいながら、彼女はいつものように周囲を警戒していた。習慣となった行動パターンだった—異常がないか確認し、同じ顔が繰り返し現れないか注意し、不審な車がないか見回す。


アパートに到着すると、マリアが温かいミネストローネスープで彼女を迎えた。リジーはテーブルで何やら熱心に描いていた。


「何を描いてるの?」ヴィクトリアはコートを脱ぎながら尋ねた。


リジーは顔を上げた。彼女の左目は今では頻繁に青い光で輝いていた。「地図よ」彼女は答えた。「結花が見せてくれた場所の」


ヴィクトリアは娘の隣に座り、描かれたものを見た。それは海岸線と山々の粗いスケッチで、場所を示す記号のようなものが散りばめられていた。


「これはどこ?」


「結花が今いる場所」リジーは説明した。「彼女は移動してるの。でも、彼女はこの場所に向かってる」彼女は地図の北にある点を指差した。「ここで何かが起きてる。結花はそれを見つけなきゃいけないって言ってた」


ここ数ヶ月間、リジーと結花の「会話」は頻繁になり、深くなっていた。それはもはや断片的な印象ではなく、実質的な情報交換になっていた。距離に関係なく、二人の少女は何らかの方法でつながっていた。


「どんなこと?」


「何か実験」リジーは眉をひそめた。「彼女はそれが何か分からない。でも、とても重要なことだって」彼女は描いたものを見て、付け加えた。「それと、彼女のママについても何か関係があるみたい」


「ミレイ博士か...」ヴィクトリアは考え込んだ。「この地図を写させてもらってもいい?」


リジーはうなずき、ヴィクトリアは携帯電話で写真を撮った。


「ディナーの用意ができてるわよ」マリアが台所から呼びかけた。「手を洗っておいで」


食事中、ヴィクトリアは静かだった。彼女の心は結花と、彼女が追っている謎めいた「何か」に向かっていた。そして、ミレイのことも考えていた。拘束されてから6ヶ月、彼女はどのような状態にあるのだろうか?


「今晩、会合があるのね?」マリアが尋ねた。


「ええ」ヴィクトリアは我に返った。「8時から」


「他の街からも人が来るんだって?」


「デトロイトとミネアポリスから」ヴィクトリアは答えた。「運動が広がっているわ」


実際、「思考の多様性運動」は過去数ヶ月で急速に拡大していた。シカゴを拠点に、ミッドウェスト全域に支部が形成されていた。それはもはや単なる支援グループではなく、組織化された運動になりつつあった。


「準備はいい?」マリアが微笑んだ。「あなたは良いことをしてるのよ」


「怖いわ」ヴィクトリアは正直に認めた。「でも、必要なことだと分かってる」


午後8時、彼女は聖アンソニー教会の地下室に戻っていた。今回は約20人が集まっていた—シカゴの常連メンバーに加え、数人の新顔もいた。彼らの中には、ミネアポリスとデトロイトからやってきた代表も含まれていた。


「皆さん、今晩はお集まりいただきありがとうございます」ヴィクトリアは会議を始めた。「特に遠方からお越しいただいた方々に感謝します」


彼女は彼らの進捗状況の概要を説明した。過去6ヶ月で、彼らは50人以上の「特別な子供」とその家族を特定し、連絡を取り合っていた。アレクサンダー博士は子供たちの能力についての研究を深め、地下出版物として「思考の多様性—人類の進化の分岐点」という小冊子が作成され、安全なチャネルを通じて配布されていた。


「軍と政府機関の動きについての最新情報をお伝えします」彼女は緊張した表情で続けた。「彼らは『特別な子供』の捜索を強化しています。特に、感情知覚能力を持つ子供たちに関心を寄せています」


「何のために?」デトロイトから来た男性が尋ねた。


「私たちが入手した内部情報によれば、彼らは『ホモ・センティエンティス』と呼ばれる進化の新段階を研究しています」ヴィクトリアは説明した。「彼らの目標は、これらの能力を制御し、最終的には軍事目的に利用することです」


「具体的にどんな方法で?」


「主に二つのアプローチです」ヴィクトリアは言った。「一つは技術的手段—《Spectral Void Eye》のような人工インターフェースを通じて、これらの能力を"複製"すること。もう一つは生物学的手段—能力を持つ個人の直接研究です」


アレクサンダー博士が言葉を引き継いだ。「私の仮説では、これらの子供たちの能力は、人間の脳の新たな可能性の表れです。技術的介入なしに現れたケースが増えているという事実は、何らかの進化的な飛躍が起きている可能性を示唆しています」


「問題は」ヴィクトリアが続けた。「軍がこの進化の方向性を制御しようとしていることです。彼らは『集合的思考』、つまり均質化された思考パターンを志向しています。これは私たちの運動の根本理念と直接対立します」


「でも、私たちにできることって何?」若い母親が尋ねた。「私たちは軍と戦えないわ」


「直接対決するのではなく、情報と認識を広める必要があります」ヴィクトリアは答えた。「今のところ、この問題は一般の人々の目から隠されています。私たちの当面の目標は、安全な方法で情報を共有し、ネットワークを拡大することです」


会議は熱心な議論に発展した。その中で、ヴィクトリアは別の重要な情報を共有した。


「リジーを通じて、私たちは結花という少女から情報を得ています」彼女は言った。「結花は軍の追跡を逃れながら、何らかの重要な実験施設を探しています。彼女の母親—神崎ミレイ博士—がそこで拘束されている可能性があります」


彼女はリジーが描いた地図の写真を投影した。「これが結花が向かっている場所です。おそらく北カリフォルニアの海岸線だと思われます」


「私の妹はカリフォルニア沿岸警備隊に勤務している」ミネアポリスからの訪問者が言った。「確認してみることができるかもしれない」


「ありがとう」ヴィクトリアは感謝した。「どんな情報でも助かります」


会議が終わりに近づくと、彼女は次の段階について述べた。「私たちはもはや単なる支援グループではありません。私たちは運動です。しかし、まだ脆弱です。セキュリティと安全が最優先事項です。特に子供たちの」


解散後、彼女はアレクサンダー博士と短い会話を交わした。


「子供たちの能力についての最新の発見はある?」彼女は尋ねた。


「興味深い進展があるよ」彼は静かに答えた。「彼らの能力は相互作用する傾向がある。一人が別の子供の能力を『活性化』するようだ。さらに重要なのは、これらの能力がシステム化されつつあることだ」


「システム化?」


「最初は単なる感情の知覚だった」彼は説明した。「今では、思考の共有、遠隔コミュニケーション、場合によっては記憶の共有さえ可能になっている。まるで...集合的な意識の萌芽のようだ」


「でも、それは軍が追求しているものではないの?」ヴィクトリアは困惑して尋ねた。


「似て非なるものだ」アレクサンダーは首を振った。「軍が望んでいるのは制御された、均質的な集合だ。子供たちが発達させているのは、自発的で多様な集合だ。根本的な違いがある」


彼の言葉は彼女の心に響いた。それは彼女のマニフェストの中心的なテーマだった—制御された一様性と、自由な多様性の対立。


帰宅途中、彼女は後ろから足音を感じた。誰かが彼女を追っていた。彼女は心拍数の上昇を感じながら、いくつかの迂回路を取った。足音は続いていた。


角を曲がると、彼女は暗い通りに面した店の窓ガラスに自分の姿を映し、後ろを見た。男性の姿が見えた—黒いコートと帽子を身につけ、明らかに彼女の後を追っていた。


ヴィクトリアは息を殺し、次の角を右に曲がった。そして即座に店の入り口に身を隠した。追跡者が角を曲がってくると、彼女はその顔をはっきりと見ることができた。


見知らぬ顔だったが、その姿勢と動きは軍事訓練を受けた者のものだった。彼女は自分が見つかったことを悟った。今のところ、これは偵察に過ぎないようだが、時間の問題だった。


家に戻ると、彼女はマリアに状況を説明した。


「ここにはもう長く留まれないわね」マリアは心配そうに言った。


「でもまだ大丈夫」ヴィクトリアは彼女を安心させようとした。「彼らが確信を持っていたら、今夜にでも突入してきているはず。これは単なる確認作業だと思う」


しかし、その夜彼女は眠れなかった。彼女は窓際に立ち、暗い街を見つめながら、次の動きを考えていた。運動はようやく勢いを得始めたところだ。去るには早すぎる。しかし、彼女とリジーの安全が最優先だった。


深夜、リジーが彼女の部屋に入ってきた。少女の左目は鮮やかな青色に光っていた。


「リズ、どうしたの?」ヴィクトリアは起き上がった。


「結花から」リジーは息を切らしていた。「彼女が見つけたの。場所を。そしてママを」


「ミレイ博士を?どこに?」


「海の近くの秘密の場所」リジーは言った。「彼らは何か大きなことを計画してる。結花は言ってた—『彼らは共鳴を強制しようとしてる』って」


「強制的な共鳴?」ヴィクトリアは眉をひそめた。


リジーはうなずいた。「結花は...彼女は助けを求めてる」少女の声が震えた。「でも、彼女はまだ一人でいなきゃいけないって。まだ会える時じゃないって」


ヴィクトリアは娘を抱きしめた。「結花は大丈夫?」


「彼女は強い」リジーは答えた。「でも怖がってる。彼女は言ってた—『もし彼らが成功したら、私たちの多様性は失われる』って」


窓の外で、雨が激しく降り始めた。街灯の光が水滴に反射し、幻想的な景色を作り出していた。しかし、その美しさの中にも、差し迫った危険を感じずにはいられなかった。


「リズ、明日からもっと用心するのよ」ヴィクトリアは厳しい口調で言った。「もし見知らぬ人が近づいてきたら、すぐに逃げるのよ。約束して」


「約束する」リジーは真剣な表情でうなずいた。「ママ、私たちは大丈夫?」


「大丈夫よ」ヴィクトリアは強く言った。「私があなたを守る」


リジーが自分の部屋に戻ると、ヴィクトリアは窓際に戻った。暗闇の中で、彼女は決意を新たにした。彼女は逃げるつもりはなかった。少なくとも、まだ。彼女には果たすべき使命があった。「思考の多様性運動」を守り、拡大すること。そして何より、結花が発見した「強制的共鳴」について、もっと知る必要があった。


シカゴの雨の夜に、彼女は次の一手を計画し始めた。


### 2


「今日はもう上がっていいわ」レオナルドはヴィクトリアに言った。彼の表情には明らかな心配が浮かんでいた。「最近疲れてるみたいだし」


ヴィクトリアは感謝の意を示してうなずいた。実際、彼女は疲れ果てていた。過去1週間、彼女は常に監視されているという感覚から逃れられなかった。デリに来る途中、帰り道、さらには買い物中にも、見知らぬ顔が彼女を追っていた。それは異なる人物だったが、その動きのパターンは同じだった。彼らはプロだった。


「ありがとう、レオ」彼女はエプロンを外しながら言った。「リジーが学校から早く帰ってくるの」


それは嘘だった。リジーは放課後のアート教室にいるはずだった。しかし、彼女はパターンを破る必要があった。予測不可能な行動をとることで、追跡者を混乱させる狙いだった。


デリを出ると、彼女はバスに乗った。通常の帰宅ルートとは逆方向だ。窓から外を見ると、駐車されていた黒いセダンが動き始めるのが見えた。彼らは彼女が方向を変えたことに気づいていた。


バスは繁華街に向かっていた。彼女はそこで下車し、大きなデパートに入った。店内のセキュリティカメラは彼女に一定の安全をもたらした。追跡者は公共の場では行動を制限されるだろう。彼女は階段で上の階に行き、別の出口から脇道に出た。そこから急いで地下鉄の駅に向かった。


プラットフォームで電車を待つ間、彼女は周囲を警戒した。今のところ追跡の兆候はなかった。電車が到着し、彼女は乗り込んだ。ドアが閉まる直前、黒いコートを着た男性が乗り込んできた。彼女の心拍数が上がった。


電車が動き出す中、彼女は座席に座り、さりげなく男性を観察した。彼は軍人のような厳格な姿勢を持っていたが、民間人のように振る舞おうとしていた。典型的な監視員だった。


二駅後、彼女は突然立ち上がり、閉まりかけのドアをすり抜けて外に出た。男性は反応が遅れ、電車を降りる事はできなかった。ヴィクトリアは階段を駆け上がり、駅を出た。彼女は一時的に追跡を振り切ったが、それは長くは続かないだろう。


リジーの学校に向かう途中、彼女は公衆電話を見つけ、マリアに電話をかけた。


「マリア、私よ」彼女は素早く言った。「リジーを学校から早めに迎えたいの。彼女に言ってくれる?私はすぐそこに行くわ」


「どうしたの?」マリアの声には懸念が滲んでいた。


「後で説明するわ」ヴィクトリアは答えた。「ただ、今日は普段のルートで帰らないほうがいいの」


電話を切ると、彼女は急いで学校に向かった。今日は通常の監視カメラの目が及ばない、裏門から入るつもりだった。


学校の事務所では、彼女の緊急引き取り要請に疑問の目が向けられたが、「家族の緊急事態」という説明で許可された。リジーは彼女を見ると、即座に何かが起きていることを悟ったようだった。


「大丈夫?」少女は母親の手を握りながら尋ねた。


「ただの予防措置よ」ヴィクトリアは小声で答えた。「静かについてきて」


彼らは裏門から出て、近くにいた待機タクシーに乗った。ヴィクトリアは一般的な住所ではなく、シカゴ美術館の近くという指示を出した。


「ママ、怖いよ」リジーはタクシーの後部座席で小声で言った。


「大丈夫よ」ヴィクトリアは彼女を安心させようとした。「ただ用心してるだけ」


「追いかけてくる人がいるんでしょ?」リジーの青く輝く左目が母親をじっと見つめた。「私に嘘をつかないで。私には分かるから」


ヴィクトリアはため息をついた。リジーの能力は彼女の感情状態を読み取るほどに発達していた。隠すことはできなかった。


「そう、誰かが私たちを見つけたみたい」彼女は静かに認めた。「でも心配しないで。私には計画があるから」


実際には、即席の計画だった。美術館に行き、人混みの中で時間を稼ぎ、そして連絡を取っておいたアレクサンダー博士と落ち合うというものだ。


美術館に着くと、彼女たちは入場料を払い、中に入った。平日の午後だったが、観光客と学生グループでかなりの人出があった。彼女たちは展示品を見るふりをしながら、追跡者の兆候がないか注意深く周囲を観察し続けた。


「ママ、何かを感じる」リジーが突然言った。彼女の左目は明るく輝いていた。「結花が...彼女が急いでる」


「何が起きてるの?」ヴィクトリアは小声で尋ねた。


「彼女が見つけたもの...それは大きな機械」リジーは断片的に説明した。「彼らはそれを使って人々の考えを...変えようとしている」


「どこで?」


「海の近く」リジーは頭を振った。「結花は逃げなきゃいけない。彼らが彼女を見つけそうになってる」


ヴィクトリアは娘の肩に手を置いた。「彼女は大丈夫?」


「まだ」リジーは緊張した表情で言った。「結花は言ってた...『オルタナティブチャンネル』があるって。彼女が行ければ安全な場所」


「オルタナティブチャンネル?」ヴィクトリアは眉をひそめた。その言葉は軍事用語のように聞こえた。「それが何か分かる?」


リジーは目を閉じ、集中した。「保護...結花を助けてくれる人たち。彼女は条件を出したの」


「条件?」


「結花は言ってた—彼女が協力する代わりに、彼らが彼女のママを守ることと、私との連絡を維持させてくれることを約束させたって」リジーの表情は複雑だった。「彼女は勇敢だよ」


ヴィクトリアは胸が締め付けられる思いがした。10歳の少女が交渉をしている—自分の安全と、母親の保護、そして友人とのつながりを条件に。彼女はあまりにも早く大人にならざるを得なかった。


「博士が来た」ヴィクトリアは美術館の入り口近くに現れたアレクサンダーを見つけた。「行きましょう」


アレクサンダーと合流し、すぐに美術館を出た。彼の車は数ブロック先に停めてあった。


「何があった?」博士は車に乗り込みながら尋ねた。


「追跡されている」ヴィクトリアは簡潔に答えた。「彼らは私たちを見つけた」


「安全な場所に連れて行くよ」アレクサンダーは言った。「運動のメンバーがシカゴ郊外に隠れ家を用意している」


彼は街を出る方向に車を走らせた。バックミラーで追跡の兆候がないか確認しながら、彼は話を続けた。


「ミネアポリスからの仲間が、あなたが言っていたカリフォルニア沿岸の施設について情報を得たよ」彼は言った。「メンドシーノ郡の沿岸に、海軍の研究施設があるらしい。公式には閉鎖されているはずなんだが、最近、活動の兆候が見られるようだ」


「結花が見つけた場所ね」ヴィクトリアは言った。「リジーによれば、彼らはそこで『強制的共鳴』の実験をしているとか」


「共鳴...」アレクサンダーが考え込んだ。「それは、複数の意識の同期を意味するんだろう。私の研究でも、子供たちの脳波パターンに興味深い同期現象が見られる。だが、それは自然で自発的なものだ」


「軍はそれを強制的に行おうとしている」ヴィクトリアは言った。「そしてミレイを使って」


「だがなぜ?」


「制御のためよ」ヴィクトリアは窓の外を見つめながら答えた。「均質化された思考は予測可能で、制御しやすい。彼らが追求しているのは、完全に同期された兵士たちだわ」


彼らが郊外に近づくと、リジーが突然体を緊張させた。


「あれ!」彼女は後ろを指さした。「黒い車!」


ヴィクトリアが振り返ると、黒いSUVが彼らの後を追っているのが見えた。それは明らかに追跡車両だった。


「アレクサンダー、加速して!」彼女は命令した。


博士はアクセルを踏み、車は前に飛び出した。SUVも速度を上げ、彼らとの距離を縮め始めた。


「対向車線に入って!」ヴィクトリアは言った。


アレクサンダーは躊躇したが、従った。彼らは対向車線に入り、いくつかの車をすり抜けた。黒いSUVも同じ行動を取った。


「彼らは諦めない」ヴィクトリアは呪文のように言った。「リズ、シートベルトをしっかり締めて」


アレクサンダーは次の出口に急に曲がり、住宅街に入った。狭い道路と複雑な曲がり角が彼らに一時的なアドバンテージを与えた。


「あそこ!」ヴィクトリアは小さな公園を指さした。「公園のそばに止めて。走って逃げるわ」


「でも—」


「議論している時間はない!」彼女は言った。「彼らが私たちを追っているだけなら、あなたは安全よ。私たちが去った後、普通に運転して」


アレクサンダーは公園の近くに車を停め、ヴィクトリアとリジーは急いで降りた。


「明日連絡するわ」ヴィクトリアは言った。「気をつけて」


彼女はリジーの手を引き、公園を横切って走り始めた。後ろでアレクサンダーの車がゆっくりと走り去るのが聞こえた。彼女たちは木々の間を縫うように走り、公園の反対側に出た。そこには住宅地が広がっていた。


「ママ、疲れた」リジーが息を切らして言った。


「もう少しだけよ」ヴィクトリアは励ました。「あの家の裏に隠れましょう」


彼女たちは庭の塀を乗り越え、空き家のように見える家の裏庭に隠れた。しばらくの間、彼女たちは息を殺して待った。遠くに車のエンジン音が聞こえたが、次第に遠ざかっていった。


「リズ、大丈夫?」ヴィクトリアは娘の顔を見た。


リジーはうなずいたが、その目には恐怖が浮かんでいた。「ママ、結花に何か起きてる」彼女は突然言った。


「何?」


「彼女が...痛みを感じてる」リジーの声が震えた。「何か悪いことが起きてる」


リジーの左目が異常に明るく輝き始め、少女は突然うめき声を上げた。彼女は頭を抱え、体を丸めた。


「リズ!」ヴィクトリアは娘を抱きしめた。「どうしたの?」


「結花が...彼女が苦しんでる」リジーは涙を流しながら言った。「彼らが何かをしてる...彼女のママに」


数秒間、リジーの体は震えた。そして突然、彼女はぐったりとヴィクトリアの腕の中に倒れた。


「リズ!リズ!」ヴィクトリアは必死に娘を揺さぶった。


リジーは目を開けたが、その表情は奇妙なほど冷静だった。「ママ、私たちは逃げなきゃいけない」彼女はまるで大人のように言った。「でも、結花はオルタナティブチャンネルに行った。彼女は今、安全」


「どういうこと?」


「結花は今、保護されてる」リジーは説明した。「彼女は条件を出したの—彼女のママを守ることと、私との連絡を維持すること」


「誰が彼女を保護してるの?」


「わからない」リジーは首を振った。「でも、政府じゃない。彼らは軍と闘ってる人たち」


ヴィクトリアは深く考え込んだ。これは新しい情報だった。結花を保護する別のグループがいる—おそらく、軍の内部告発者か反体制派だろう。それはチャンスを意味するかもしれない。


「リズ、マリアおばさんの家には戻れないわ」彼女は静かに言った。「少なくとも今夜は」


「どこに行くの?」


「アレクサンダー博士が言っていた安全な場所」ヴィクトリアは答えた。「私たちには一晩だけの避難場所が必要なの」


彼女はポケットから小さなノートを取り出し、アドレスを確認した。その場所はシカゴ郊外のエルムハースト地区にあった。彼女たちはそこに行くためにタクシーを拾う必要があったが、それは危険を伴うことだった。


「ママ」リジーが突然言った。「結花が言ってる。どうすれば私たちが行けるか知ってるって」


「どういうこと?」


「結花は言ってた—『アドレスに19735と記した紙を持って、ウェスタン通りとメイディソン通りの交差点で待つ』って」


ヴィクトリアは驚いた。「それは...」


「結花は言ってた、それは合言葉みたいなものだって。オルタナティブチャンネルの人たちが私たちを迎えに来る」


「それを信じていいのかしら?」


「結花は信じてるよ」リジーは真剣な表情で言った。「私も彼女を信じる」


ヴィクトリアは決断を迫られていた。未知のグループを信頼するというリスクを取るか、それとも自分の力だけで逃げるか。娘の安全が最優先だった。


「行きましょう」彼女はついに決めた。「でも、何かおかしいと感じたら、すぐに逃げるのよ」


彼女たちは薄暗くなり始めた街に戻り、ウェスタン通りとメイディソン通りの交差点に向かった。これは賭けだったが、結花を信頼する以外に選択肢はなかった。


### 3


夕暮れのシカゴ、ウェスタン通りとメイディソン通りの交差点。ヴィクトリアとリジーはバス停のベンチに座り、緊張した面持ちで周囲を警戒していた。ヴィクトリアの手には「19735」と書かれた紙切れがあった。


「来るかな?」リジーが小声で尋ねた。彼女の左目の青い光は、以前ほど明るくなかった。


「来るわ」ヴィクトリアは娘を安心させようとしたが、内心は不安だった。未知のグループを信頼することは大きなリスクだった。


15分が過ぎた。交通量は少なくなり、街灯が次々と点灯し始めていた。そのとき、無地の白いバンが交差点に近づき、ゆっくりと彼女たちの前で停止した。運転席の窓が下がり、ヘルメットをかぶった女性が顔を出した。


「バスを待ってる?」女性は何気ない口調で尋ねた。


ヴィクトリアは用心深く答えた。「いいえ、友人を待っています。19735番地に住んでいる人です」


女性の表情が変わった。「後部ドアを開けるわ。急いで」


ヴィクトリアはリジーの手を握り、素早くバンの後部に乗り込んだ。ドアが閉まると同時に、バンは動き始めた。


内部は予想外に広く、ハイテク機器が配置されていた。運転席の後ろには30代半ばの男性が座っており、彼は軍人のような立ち居振る舞いをしていた。


「カペリ軍曹」男性は敬礼した。「ベンジャミン・モリス大尉です。オルタナティブチャンネルへようこそ」


「軍の人間ね」ヴィクトリアは警戒を解かなかった。「どうして私を助ける?」


「私たちは軍内部の...別の派閥です」モリスは慎重に言葉を選んだ。「プロジェクト・オラクルの進行方向に同意できない者たちです」


「どういう意味?」


「現在の指揮系統は、技術の軍事応用を急ぎすぎています」モリスは説明した。「特に《Spectral Void Eye》の感情統制能力と、いわゆる『強制的共鳴』の実験について」


バンは市街地を離れ、郊外に向かって走っていた。窓の外の景色から判断すると、彼らは北方向に進んでいるようだった。


「結花はどこ?」リジーが突然尋ねた。「彼女は大丈夫?」


モリスは少女を見て、微笑んだ。「彼女は安全です。西海岸の保護施設にいます」


「彼女のママは?」


「神崎博士は現在、メンドシーノの施設にいます」モリスは答えた。「しかし、彼女の状況は...複雑です」


「説明して」ヴィクトリアは命令するように言った。


「神崎博士はヘイガン少佐の直接監督下にあります」モリスは言った。「彼女の研究は強制的に継続されています。しかし、彼女の娘が私たちの保護下にあることで、ある程度の安全が確保されています」


「どういうこと?」


「簡単に言えば、ヘイガンは結花を必要としています」モリスは説明した。「彼女は《Spectral Void Eye》と脳の統合の最も成功した例です。そして私たちは結花を保護しています。これは一種の均衡状態を生み出しています」


リジーが母親の腕をつかんだ。「ママ、結花と...話しにくくなってる」彼女は心配そうに言った。


ヴィクトリアは娘を見た。リジーの左目の青い光は確かに弱まっていた。「どういう意味?」


「前みたいにはっきり感じられない」リジーは説明しようと努めた。「遠くなってる感じ」


モリスは興味深そうに観察していた。「あなたの娘さんの能力は、結花との接近や接触によって活性化されたものです」彼は言った。「彼女たちの距離が離れるほど、その効果は弱まる可能性があります」


「つまり、リジーの能力は...消えるの?」ヴィクトリアは尋ねた。


「完全に消えるとは限りません」モリスは慎重に答えた。「しかし、大幅に弱まる可能性はあります。結花の《Spectral Void Eye》は強力な増幅器であり、その影響下でリジーの潜在能力が活性化されました。その直接的な影響が薄れると...」


ヴィクトリアには複雑な感情があった。一方では、リジーの能力が弱まれば、彼女がプロジェクト・オラクルの注目を集めるリスクも減少する。しかし同時に、彼女は娘が抱えていたこの特別な力の喪失を惜しむ気持ちもあった。


「オルタナティブチャンネルとは何?」彼女は話題を変えた。「そして、あなたたちの本当の目的は?」


「私たちは軍内部の研究者、分析官、そして時には将校のネットワークです」モリスは答えた。「私たちはプロジェクト・オラクルの方向性に懸念を持っています。特に、ヘイガン少佐率いるグループが追求する『強制的共鳴』技術について」


「思考の均質化」ヴィクトリアは言った。


「その通り」モリスはうなずいた。「その技術が完成すれば、個人の思考の多様性が失われる危険があります。私たちはそれを防ぎたいのです」


バンは郊外の静かな住宅街に入った。しばらく進むと、モダンなガレージを持つ一軒家の前で停止した。


「ここが安全な場所です」モリスは言った。「当面の間、ここに滞在してください」


彼らは家の中に案内された。内部は質素だが清潔で、必要なものはすべて揃っていた。モリスはリビングルームのテーブルに座り、タブレットを取り出した。


「あなたの『思考の多様性運動』について、私たちは関心を持っています」彼は切り出した。「実は、あなたが気づかないうちに、私たちはあなたの活動を支援していました」


「どういう意味?」


「シカゴでの会合場所の一部は、私たちが手配したものです」モリスは説明した。「また、あなたの小冊子の印刷と配布も、私たちのネットワークを通じて行われました」


ヴィクトリアは驚いた。「なぜ?」


「目的は同じだからです」モリスはシンプルに答えた。「思考の多様性を守るという目標は、私たちも共有しています。ただし、私たちは軍内部から変化を促そうとしているのです」


彼はタブレットに何かを表示させた。「メンドシーノの施設で行われている『強制的共鳴』実験の詳細です。神崎博士の脳波パターンを利用して、複数の意識を強制的に同期させる技術を開発しています」


ヴィクトリアはその内容を読み、恐怖を感じた。ミレイは単なる研究者ではなく、実験台にもなっていたのだ。


「彼らの究極的な目標は、量子共鳴ネットワークシステムの開発です」モリスは続けた。「それは全人類の思考を統合する集合意識ネットワークになる可能性があります」


「それを止めなければ」ヴィクトリアは強く言った。


「それが私たちのミッションです」モリスは同意した。「そして、あなたの運動が外部から圧力をかけることで、私たちの内部工作と相乗効果が期待できます」


リジーは別の部屋で休息していたため、ヴィクトリアはより率直に話すことができた。「私を信頼させるには、もっと情報が必要よ」


モリスはうなずいた。「カペリ軍曹、あなたはミレイと結花を警告したことで、自分のキャリアを犠牲にしました。それは勇気ある行動でした」彼は敬意を込めて言った。「私たちは似たような選択をした人間の集まりです。内部からの変化を信じる者たちです」


彼は別の画面をタブレットに表示させた。「結花の《Spectral Void Eye》の技術は、将来のシステムの基盤になる可能性があります。私たちは彼女を保護することで、その技術の流れを間接的に管理できます」


「具体的にどう?」


「結花は条件を出しました」モリスは小さく微笑んだ。「彼女は賢い子供です。彼女は協力する代わりに、母親の安全確保とリジーとの連絡維持を条件としました」


「そして、あなたたちはそれに同意した」


「はい。彼女の条件は私たちの目的とも一致していました」モリスは言った。「神崎博士を保護することで、技術の急速な軍事応用を遅らせることができます」


夜が更けていく中、彼らは詳細な情報交換を続けた。オルタナティブチャンネルの範囲、「思考の多様性運動」の今後の方向性、そして何より、彼らがどのように協力できるかについて。


「リジーの能力について話しましょう」ヴィクトリアはついに切り出した。「彼女は安全?」


「彼女の能力は結花との距離によって弱まりつつあります」モリスは説明した。「これは彼女の安全にとっては良いことです。軍の関心は主に結花とミレイ博士に集中しています。リジーの存在は知られていますが、彼女の能力が弱まれば、優先度は下がるでしょう」


「それで、今後どうすればいいの?」


「あなたと娘さんには新しいアイデンティティを提供します」モリスは言った。「そして、あなたが望むなら、『思考の多様性運動』を続けることもできます。私たちはバックアップを提供します」


その夜、リジーが眠った後、ヴィクトリアは家の裏庭に出た。星空を見上げながら、彼女は今日の出来事を整理しようとしていた。オルタナティブチャンネル、軍内部の分裂、そして何より、娘の能力の変化。


「休めない?」モリスが後ろから近づいてきた。


「考えることが多すぎるわ」ヴィクトリアは答えた。


「私も最初はそうだった」彼は静かに言った。「軍の理想に忠実だったのに、突然、自分が信じていたものが間違っているかもしれないと気づいた時の衝撃は大きかった」


「私にとって、それは結花とリジーを見たときだった」ヴィクトリアは言った。「彼女たちの能力が、統制のためではなく、理解のために使われるべきだと思ったとき」


「そして、あなたは『思考の多様性』という概念を生み出した」


「それが重要だと思うの」ヴィクトリアは星空を見上げながら言った。「もし人類が進化するなら、それは単一の思考に収束することではなく、多様な思考の共存によるべきだと」


モリスはしばらく黙っていた。「それは長い闘いになるでしょう」彼はついに言った。「量子共鳴ネットワークシステムの開発は止まらないかもしれない。しかし、私たちはその中に多様性を守る種を植えることはできます」


「種?」


「未来の反抗の種です」モリスは説明した。「今は小さくても、いつか花開く可能性を持つものを」


その言葉は彼女の心に深く刻まれた。


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一か月後、ヴィクトリアとリジーはミネソタ州セントポールの郊外に住んでいた。新しい名前、新しい背景を持ち、新しい生活を始めていた。リジーの左目の青い光は完全に消え、彼女の特殊能力はほとんど感じられなくなっていた。時折、彼女は結花について話したが、以前のような鮮明な「会話」ではなく、断片的な印象に過ぎなかった。


「結花のことを覚えてる?」ヴィクトリアはある夜、娘に尋ねた。


「うん」リジーはうなずいた。「でも、前みたいには感じられない。夢の中で時々会うような感じ」


「寂しい?」


リジーは少し考えてから答えた。「少し。でも...普通に戻った感じもする」彼女は微笑んだ。「それに、結花は言ってた—『いつか必ず会おう』って」


ヴィクトリアはリビングルームの机に向かった。そこには彼女の新しいマニフェストの原稿が広げられていた。「思考の多様性:抵抗のネットワーク」というタイトルだった。


オルタナティブチャンネルとの接触以来、彼女の運動はより組織化され、より戦略的になっていた。彼女は演説をし、秘密の会合を組織し、同じ志を持つ人々のネットワークを拡大していった。彼女の声は小さいかもしれないが、その反響は徐々に広がっていた。


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10年後、「思考の多様性運動」は地下ネットワークとして全米に広がっていた。ヴィクトリアの著書「多様性の哲学」は秘密裏に出版され、標準的思考に疑問を投げかける知識人たちの間で回し読みされていた。


一方で、神崎ミレイの研究に基づく技術は進化し続けていた。《Spectral Void Eye》からより高度なニューラルインターフェースへ、そして最終的には初期のエーテル・コルテックスへと。報道は制限されていたが、軍と政府は「集合的意識技術」の開発に多額の資金を投じていることが噂されていた。


リジーは成長し、大学で神経科学を学んでいた。彼女の特殊能力は失われたが、その経験が彼女の研究方向を決定づけていた。彼女は「神経多様性と創造性の関係」について研究し、思考の多様性が人類の進化にとって不可欠であることを科学的に立証しようとしていた。


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30年後、ヴィクトリアは「思考の多様性運動」の精神的指導者として、その最後の日々を迎えていた。彼女の運動は、量子共鳴ネットワークシステム(まもなくシナプティック・コンフラックスと呼ばれる)の開発を止めることはできなかったが、その内部に「多様性の種」を植える準備を整えていた。


ベッドサイドで、今は中年女性となったリジーが母の手を握っていた。


「彼らはついに成功したわ」ヴィクトリアは弱々しい声で言った。「でも、私たちの闘いも続いている」


「あなたの運動は生き続けるわ」リジーは約束した。「あなたの思想は量子共鳴ネットワークシステムの中にも埋め込まれる」


「多様性の種」ヴィクトリアは微笑んだ。「いつか花開くよう」


彼女の思考は過去に戻った—サンフランシスコでの日々、ミレイとの出会い、結花とリジーの不思議な絆、そして彼女が選んだ道。一人の軍人が良心に従い、自分のキャリアと安全を犠牲にして、より大きな真実のために立ち上がった物語。


「リジーと結花がもう一度会うことはあるかしら」彼女は静かに尋ねた。


「ええ」リジーは優しく答えた。「結花は約束したでしょう。そして彼女は約束を守る人よ」


ヴィクトリアの意識が徐々に薄れていく中、彼女の思いは未来に向けられていた。量子共鳴ネットワークという新しい世界において、思考の多様性の種が芽吹く日を想像して。彼女の闘いは終わったが、より大きな闘いはこれから始まろうとしていた。

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