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【最終話】32

 ニーデスが何やらブツブツ言い始めた。


「芝生の管理か。それならあれがあった方がいいかな……」


 考えに嵌っていくニーデス。俺はニヤけて声をかけた。


「ニーデス。その考え、纏まったら企画書出してね」


「え?! でも、その」


「また開発費かかりそうだとか考えて心配しただろう?」


「それは……その……」


「昨日、父上と兄上たちと話し合っていくらでも借金できることになったから大丈夫だよ」


「借金っ!?」


「そ。借金返済のためにもこれから付き合いもアイディアもよろしくね」


 ニーデスはキョトンとした後、頭の整理ができたようだ。


「はいっ! 借金返済頑張りましょう!」


「まだ借りてないってば。アハハ!」


 ニーデズの力強いガッツポーズに俺は喜び笑った。


〰️ 〰️ 〰️


 家族の反応を見ると、ゴルフ業は最初は金がかかるが長期的に上手くいきそうな気がしている。


 まずは打ちっぱなしセンターを開業だ。


 母上の協力でガーシェル公爵家主催のチャリティーパーティーを催し、イベントととしてドライバーコンテストを行いゴルフ改めガルフを貴族たちに知ってもらう予定だ。


 打ちっぱなしセンターだけでなくホテル業もやらなくては事業にならない。車も電車もないから仕方がないが。

 使用人を考えるとホテルよりコテージが良さそうだが、建てるとなると金がかかる。土地はたくさんあるのだが。


 まずは近くの宿屋を買い取ってホテルにするべきかな。宿屋なら少しぐらい不便で居心地が悪くても貴族たちは程度を理解しているので文句は言わないだろう。

 メッセスの妻とウルトの妻が打ちっぱなしセンターの給仕長とホテル業のメイド長をやってくれることになりそうだ。


 センターの責任者として、ニーデスの次兄ライアルが近々騎士団を退団してタァサスに来ることになっている。まだ若いので役職もなかったから揉めることなく引き抜きができた。

 ニーデスが自活と家のために高官を目指していたように、ライアルも自活と家のために騎士団を選んだだけで、特に夢を持って入団したわけではないらしい。俺たちのやろうとしている仕事が年をとっても続けられそうな仕事であることを喜び説明即時了承となった。確かに騎士団はいくつになってもできるという仕事ではなく、いつか地方自警団や貴族家護衛や門番になる。それよりは高給高待遇で長年勤めてもらえると思う。


 事業が成功すれば、だけどね。


 とりあえず、ガルフの流布とタァサスガルフセンターの開業。

 将来的にはパターゴルフ場も作りたいし、ショートコースも作りたい。

 もちろん最終的にはコース作りだ。


 となると、アイアンの開発は必須で先行だな。


 ニーデスも何か浮かんでいるようだし、まだまだ開発に時間も金もかかりそうだが、俺もニーデスもまだ学園二年生。慌てずゆっくりやっていこう。

 あ! 学生のうちに友人たちをタァサスへ連れて行って遊んでもらえば流布に繋がりそうだぞ。


 俺の異世界ゴルフ業。やりたいことだらけで考えだすと眠れないほど楽しい!


〜 fin 〜

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