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第88話 売却と購入

 詐術スキルによる支援を受けながらの交渉で、魔牛の肉の売却価格を上げる事に成功しました。

 でも、まだ不服の様です。

 戦利品処理スキルにより完璧に血抜きをし、料理スキルにより熟成・長期保存処理をした魔牛の買取価格が1頭当たり30万GAU。


 100頭分だから3000万GAU。


 約3億円か。


 凄い金額だけど、これで十分かと言われると、十分でもないんだよな。


 俺が渋い顔をしている事に気が付いた支配人は「これでも、随分奮発したのですが」とか言っている。


 表情分析スキルによると、『微妙に嘘を付いている』との事だから、奮発はしていないけど騙したと言える値段ではないと言った感じなのかな。


 なので「まあ、ホルスト市やベイルミト市で売れば良いだけか」と嫌味を言ってみた。


 「そ。そちらでもお売りになる予定なのですか?」


 「値段次第だね。

  俺も上から決められているから」


 と、また詐術スキルに頼り嘘をつくと。


 「ホルスト市とベイルミト市での販売を自粛していただけるのであれば、1頭当たり40万GAUで買わせてもらいます」との譲渡が引き出せた。


 販売を自粛してくれと言う条件があるので微妙なのだけど、売る手間を考えると、この辺で妥協かな。


 「分かった。

  少なくとも1月の間は、この都市と2つの都市で魔牛の熟成肉は売らない。

  それで良いか?」


 と言う事で、1頭分40万GAUで100頭分を売り4000万GAUで売却出来た。


 売却の自粛については、特に契約とかさせられなかった。


 まだ、肉の在庫が大量にあるなんて思っていないからだろうか。


 白金貨38枚と金貨200枚を受け取って格納箱に入れるふりをして亜空間収納へ。


 最後に、偉そうな人の自己紹介があったのだけど、やっぱり商会長で、名前はルルバードではなくミルアニアと言うそうだ。


 「今後もよろしくお願いいたします」


 と丁寧に言われたので「ああ」と返事をして別れたが、どうなんだろうな。


 まあ、しばらくはお金に困らないはずだけど。


 でも、武器・防具の良いのを揃えたり、一生傍に居てもらうつもりの奴隷を購入したりしようとすると、足りないのだろう。


 さて、次はスキルを得る為、転職条件を得る為の指導書探しだ。



 商会の暗部かなにかに追跡されているかどうかを確認しながら、本を買いに行く。


 今家を借りているロダン市だと、冒険者ギルドにスキルや職業を得る為の本が置いてあったが、ここはロダン市より大きな都市。


 ちゃんと、本屋があるようだ。


 それも大き目のが5件程あるので、市場原理が働き寡占状態ではないかもしれないと、期待して向かう。


 その5件を順次回って本を探す。


 冒険者ギルドも、大き目の都市だから販売コーナーは大きいし、そちらも行ってみるつもり。


 後は、図書館もあるので、そこに行って良い本があれば写本をしてもらう事になるそうなのだけど、それだと時間もお金もかかるので、今回はパス。


 だから、本屋と冒険者ギルドの販売コーナーに期待したのだけど。


 あまり、参考になると言える本は無かった。


 いや。指導書は数百冊あったのだけど。


 参考になる本が数冊しかなかった。


 となると、ワザと知識を本に残していない可能性が高いかな。


 例えば、クトリアに剣技を教えたのでハッキリとしたけど、幾つかのスキルについてはそのスキルに聞けばスキルを得る為に必要な事を教えてくれる。


 それも、剣技スキルならば一般的な方法から、その人の状況にあった方法まで。


 だから、スキルに教わった一般的な方法が書いてある本を彼女達に読ませて理解させた上で、俺が細かい事を指導すれば効率が良いと思っていたのだけど。


 スキルを持っている事自体が利権みたいな形になっているのかもしれない。


 このスキルは自分達だけのモノ、又はこれで利益を得るのは自分達だけと言う様な。

 

 転職条件を得る方法に関しても同じような感じ。


 まあ、幸運スキルや経験値増加スキルの様にスキルを得る為に必要な事を教えてくれないスキルもあるし、世界中を見て回った訳じゃないから、ワザと知識を広めていないと断言は出来ないか。


 幸運スキル等は、マジックアイテムで取得するしか方法が無いのだったかな。


 意識を本探しに戻して一生懸命探しても、殆ど駄目だ。


 それでも、数冊は手に入れられた。


 『魔法使い入門』、『火魔法について』、『薬草と薬草師』、『採掘士と鍛冶』、『土魔法とその応用』、『光魔法と闇魔法』、『時空間魔法とその運用』、『生活魔法とその仕事』、『魔力操作とその応用』の9冊だけだ。


 まあ転職については、木こり、信者、戦士とかだと、転職条件は分かっているし、この程度でも良いのかもしれないけど。


 でも、スキルの取得方法の指導書については、この程度の数しかなくて良いのだろうか。


 まあ、剣技とかは本を読むより実際に体を動かしながら剣技を習った方が良いとは思うけどね。


 とりあえず、これらは指導書として使えるのは間違いなさそうなので、これを買ったのだけど、一冊1~5万GAU。


 全部で31万GAUだった。


 高いね。


 310万円相当だぜ。


 まあ、今日の収支は大黒字だけど。


 後は、DランクとかCランクの魔物の魔石などを売るかどうか。


 でも、冒険者ギルドは強い奴の監視もしていると言う話だから、売ることは出来ない。


 となると、少知に情報を売られるかどうか確認の上、一般の商店に売れば良いのか。


 だけど、ランクの高い魔石は思ったほど数が無いので止めておく。


 さあ。二人の元へ帰るか。

 無事、魔牛の肉の売却を終え、目的であったスキル及び転職条件を得る為の指導書も幾つか手に入れられたようです。

 これで、彼女達の強化は順調に行える様になるでしょうか。

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