第86話 ニクロス市
スキルや転職条件を得る為の指導書を得る為に、大き目の都市へと移動。
その道中、美味しそうな魔物が居れば狩る事にしていたので、結構な数の魔牛を狩れたようです。
長距離を移動しながらの自分の強化は、思っていたより上手くいった。
それだけでなく、お金にする為の肉と皮を大量に手に入れる為、魔牛、魔豚、魔鹿、魔熊を倒す。
後は、数を倒せば経験値増加スキルが成長すると魔アリも倒す。
皮が高く売れる魔狼については悩んだのだけど、隠れているのを見つけられると、1級職や2級職の職業ではEランクでも戦闘力が高く群れている魔狼相手だとステータス不足になるかもしれないと、討伐対象から外した。
それでも、1級職の1種と2級職の10種の職業を順次転職すると言う手順を7回も繰り返せた。
まあ、1級職の村人だと7489、2級職の職業だと443168で貯まる経験値が上限になるので、上限に達し切り捨てになった経験値が結構あっただろう。
多分、半分とか3分の2くらいの経験値が無駄になった。
だけど、少知少能の使用可能回数が増える日数があっという間に10日になった。
これなら、もっと早くこの強化方法を実行すればよかったと、しみじみ思ったね。
これで、彼女達に俺からスキルを付与すると言う事も、本当に現実的になって来た。
でも、それに浮かれている場合ではない。
俺が隠している事を暴ける者が居る都市に行くわけなので、目的の都市が近づいた時に諦めて3級職の戦闘士に転職し、ステータスも上げてある。
まあ、流石に1級職と2級職の職業とは言え、今回だけで78回も転職すれば、1%しかない転職よるステータス強化も、結構な数値になった。
もっとも、単純に1%ではなく、転職時にその職業のレベルアップにより得られたステータスの1%なので、その職業の初期ステータス分の加算はないので思っていたほど上がった訳では無い。
だけど、死ぬまでステータスが強化され続けるのはありがたい。
ざっとステータスの数値を見た感じだと、1級職で2級職の職業並みに、2級職で3級職の職業並みのステータスになれる感じだ。
まあ、それよりランクが上の職業となるとステータスの初期値やレベルアップによる伸びが違い過ぎて、一つ上のランクの職業に相当するステータスと言えるほどではないが。
1級職の村人でも2級職程度のステータスがあるのは、今後もこの鍛え方をするのに安心材料と言える。
でも、これ以上今回の鍛え方を繰り返しても、人の枠を超えると言う理由で、小知少能の使用可能回数が増える期間が10日より短くなる事は無いから、もうやらないかな。
ステータスは伸ばしたいけどね。
そんな事を確認しながら、空間魔法の転移先と出来る座標指定を、街道から少し離れた場所に4か所ほどして、門へ向かう。
向かう途中に、『偽装スキル、メニュー表示』と念じて偽装スキルメニューを起動。
表示されたメニューの中から『自分の全て対象』を選ぶと、ゲームの最初にあるキャラクターのクリエイト画面みたいになった。
名前をジロウ。
職業を薬師、髪の毛の色を赤、目の間隔を少しだけ空ける、身長を縮める等の偽装をして、偽装スキルのメニュー内の『偽装記録』にその状態を『パターン:ジロウ』で記録し、都市へ入る人の列に並ぶ。
それ程出入りする人はおらず、直ぐに俺の番となる。
可視モードのステータスウィンドウを確認され、直ぐに都市に入る事が出来た。
入って最初に向かう場所は決めた。
と言うのも、門番と前に並んでいた人の会話から、ここには大き目の商店・商会が幾つもあると聞いたので、そこで得た戦利品を売って、まずお金を手に入れようと思ったから。
そこで、少知に良心的な商店・商会を教えてくれと言うと、【無い】と返事をされてしまう。
商売も戦いと言うか騙し合いなんだろうな、と正直気持ちは萎えたのだけど、戦利品を売ってお金を得る必要があるのは間違いない。
なので、比較的良心的な商店・商会を教えてくれと言うと2つほど提示された。
大きな商会で品ぞろえを見るのも楽しみだなと思いつつ、入った門から近かったルルバード商会へ向かっている。
コンクリート造りに見える7階建ての大きなお店に到着。
1階から4階が売り場だったので、一通り見て相場を確認。
羽ペンとインク等の雑貨も購入しておく。
その後、1階の別の入り口から入る買取カウンターに行って魔物の肉を買い取ってくれるかどうか確認。
そこで、サンプルとして魔牛の肉1頭分を出してみたのだけど。
1頭分。
つまり、冒険者ギルドで血抜きがいい加減でも1個2万GAUで買い取ってくれていた4個分の魔牛の肉で10万GAUと、冒険者ギルドと買取金額が大して変わらず売るのを止める事にした。
魔牛の肉は、思ったほど高く売れない様です。
でも、事前に小知に良心的な店は無いと聞いているので、これから価格交渉が始まるのでしょう。




