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第84話 指導書探し

 クトリアとカトレインを鍛える為に、指導書を手に入れる事にしたようです。

 でも、役立つ指導書はそう簡単に手に入る物では無さそうで。

 次の日起きると、やはりカトレインはもうベッドに居ない。


 顔を洗い居間に行き、冒険者ギルドへ行ってくると伝えて冒険者ギルドへ。


 昨日、買取依頼を出した戦利品の代金、248,250GAUを受け取る。


 依頼書や緊急事態の確認後、それを持ち帰って二人に124,100GAUずつ渡すと。


 「何のお金ですか」


 と、またカトレインに怒り気味に聞かれる。


 また何か誤解しているのかなと思いつつ、


 「これは、昨日の戦利品の販売代金だけど」


 そう告げると。


 「本を買うなら、お金が必要なのでは?」


 少し表情が柔らかくはなったけど、カトレインが強めの口調で聞いて来る。


 「まあ、そうだけど、本は俺のモノにする予定だから、俺の取り分から払うつもりだけど」


 そう言うと、二人は顔を見合わせた後、黙って受け取ってくれる。


 「まあ、折角同年齢の女性が二人いるんだから、今日は買い物とか楽しんできたら」


 そう軽めに言っても「はい」と、落ち込み気味に言われる。


 まあ、現状ではニコニコ笑いながら俺からお金は受け取れないか。


 そんな風に考えながら、一緒の食事を。


 「行ってくるから」


 と二人を半ば強制的に抱き寄せて、口づけを。


 そのまま家を出て、冒険者ギルドへ。


 まずは受付から倉庫へ行き、昨日の戦利品の解体と買取りを依頼。


 その後、冒険者ギルドの販売する本を見せてもらう。


 二階の販売コーナーに百数十冊はあったけど。


 少知スキルに、『この本に』とか『ここの段の本に』、『書いてある通り修行したら、スキルや転職条件は手に入るかな?』と聞いて確認するのだけど。


 【いいえ】と返事が返ってくる本の多い事。


 二回目以降は、『入る?』とだけ質問しても返事が返ってきたから良かったけど、面倒だよね。


 なのに、【はい】の返事が返ってきた本についても、


 『この本には嘘が書いてあるか』と聞くと、【はい】と返事が返ってくるしね。


 『クトリアとカトレインがこの本の通りに修行したらスキル・転職条件が手に入るかな?』と質問して、【はい】と答えが返ってきたのは、『探索系スキルを手に入れるには』と『察知スキル入門』。


 どちらも印刷された紙の古本だけど、各1万G。


 印刷技術はあるんだなと思いつつ、それらを買って冒険者ギルドを後にして、東門から出る。


 結構時間がかかってしまったけど、まだ10時半くらいだ。


 全力で走ればなんとかなるだろう。


 ああ。全力で走ると偽装とか隠形とかが解除されるから、そうならないギリギリで走らないと駄目か。


 まあ、この都市の周りと借りている家の裏庭には時空間魔法の『座標指定』を刻印してあるから、時空間魔法スキルLV16で覚えた『転移』魔法で移動すれば帰りはあっという間のはずだけどね。


 と、まずは門が見えなくなるまで走り出した。


 門が見えなくなり、気配探索スキルで近くに人がいないことを確認したら、隠形、秘匿、無い事に偽装。


 身体強化、魔力障壁、魔力障壁付与。


 更にレベル上げの為、幻影魔法の幻影で数メートル先に前世サイズの蚊の幻影を浮かべて、隠形等が解除されない程度に走り始める。


 垂直飛びなんかをすると分かるのだけど、ハッキリ言って3級職で高レベルな上に転職時のステータス加算を重ねているから、前世と比べれば数倍の筋力と耐久だ。


 だけど、走るスピードが同じ数倍になる訳では無い。


 空気抵抗や摩擦などの様々な問題があるから。


 それに、全力を出すと秘匿や偽装や隠形のスキルが解除されてしまうし。


 まあ、それでも前世とは比べ物にならないスピードでは走れる。


 前世とその辺の理が全然違うパターンも有るのだろうけど、その辺はあまり違いを感じていない。


 だから、数時間あれば目的地の都市に着けるはず。


 なお、気配探索を可能な限り広げてして途中で美味しい獲物が居たら狩るつもり。


 美味しい獲物と言うと、具体的に言えば肉が高く売れたり、皮が防具になったりする魔物だろう。


 後は、大量に倒すと経験値増加スキルが成長するから、魔アリの様な大量に一度に倒せる魔物も倒しておくべきだろう。


 また、都市に着く前に決めておかなければならない事もあるので、走りながら考える事に。


 それは、どの程度まで偽装して入るか。


 転生者である事やレアなスキルを隠す程度の偽装にするのか、レアな力を見せても問題ない程度に姿や名前を偽装するか。


 姿・名前を偽装すれば、時空間魔法は兎も角、格納箱を目の前で見せても問題は少ないだろうし、戦利品処理をし、更に料理スキルで熟成させた肉とかが売れる。


 Dランク位の魔物の皮も売れるかもしれない。


 いや。


 強者について国に報告義務があると不味いから、Dランク以上の魔物の戦利品を売るのは止めておいた方が良いか。


 後、残っている大きな問題は偽装がバレルかどうかだけど、そもそも偽装がバレルなら、その都市には入るべきではないだろう。


 と言う事で、少知スキルに聞いてみると、微妙に返事が違ったり、あまり返事が帰って来なかったり。


 例えば、都市に入ると偽装を見破られるかなと聞くと返事が帰って来ない。

 

 だけど、都市には俺の偽装を見破れる人が居るかなと聞くと、【はい】と返事が返ってくる。


 なので、色々と細かく聞いてみた結論は、俺の偽装を見破れる人がいる。


 だけど、都市の中心の館で働いていて、通常はそこから出て来ない。


 だから、トラブルを起こさない限り、その人に見破られる事は無いので大丈夫だろうとなった。


 まあ、イザとなったら全力で逃げよう。


 と言う事で、スキルが解除されない程度の力で目的の都市へ向かって走り始める事とした。

 都市間の移動は初めてだったかな。

 まあ、転生した場所から都市への道行きの方が、よっぽど危険でしたけど。

 でも、人の盗賊とかが居るのなら、街道沿いも危険なのかな。

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