第83話 指導書
クトリアとカトレインを生活できる程度まで強くする約束。
その為の指導方法について話し合う様です。
「君らの指導方法だけど。
指導書を集めて、それに従って君らを鍛えようと思っている」
すると何故か驚いている二人。
「魔法使い、斥候は、転職条件が厳しいからね。
騎士なんかもそうか。
だから、そう言う職業に就く為の指導書、スキルを得るための指導書を探してこようと思う」
そう言っても、二人はよく理解できていない感じ。
少知に聞いた一般的な鍛え方なのに、彼女達はそれを知らされていないと言う事なのかな。
昨日の夜から、スキル上げをしながらだけど少知に二人を強化する方法を、色々と聞いてみた。
一般的には、講師を付けるか指導書で勉強して転職条件を得られる修行をして転職するのがこの世界の常識らしい。
また、スキルの入手方法も同じ。
そして、それが間違いない方法だと、少知に確認した。
まあ、嘘ばっかり書いている本もいい加減な教師も多いらしいが、その辺は少知に確認しながら本を集めて来ようと、昨日方針を決めた。
だけど、小知に確認した処、この都市には指導書はいっぱいあっても、実際に転職出来るだけの事が載っている指導書は、斥候になる為の指導書を冒険者ギルドで売っているくらいで、他の本はこの都市にはないそうだ。
「で、その本を集めるために、東の大き目の都市まで行く必要がありそうなんだ」
「わ、私達は……」
と、何か言いたそうに黙り込んだクトリア。
「だから、本を探しに行っている間、人生を楽しんでみたらって話」
「私達、捨てられるんじゃないのですか」
とカトレインが睨んでくる。
クトリアも、そう言いたかったのだろうか。
「捨てたら、君らをもう愛せないよね」
「……」
「君らの為だけでなく、俺の今後の為にも、そう言った資料集めをしておきたいのだけど」
「わ。分かりました」
と言いつつも、納得していない感じのカトレイン。
「一緒には行けないのですよね?」
と、クトリアの方が確認してくる。
「全力で走る俺には付いて来られないだろうからね」
そう事実を言うと、諦めるしかないと分かったようだ。
「それで良いかな?」
「私達には、選ぶ権利はありませんから」
と、切れ気味にカトレインが言ってくる。
なので「もっと良い方法を教えてくれても良いけど」と言うと、二人とも悔しそうに黙り込んでしまった。
「まあ、俺が教わった事を書いてある本を中心に探してくるから、スキルや魔法を得られる可能性は高くなると思うよ。
もちろん、何年も掛かるだろうけど」
「はい」と、納得していない感じの返事が返ってくる。
そんなに変な事なのかな。
俺が信用されていないと言う事か。
明日の朝、冒険者ギルドで売却代金を貰い、それを彼女達に渡してから出かけよう。
それで、少しは彼女達も安心だろうし。
そう明日の予定を立てて「じゃあ。明日の予定は、それでね」と話し合いを終える事に。
その後、彼女達が片づけをしている間、俺はスキル上げを。
冒険者ギルドへ売れないDランクの魔物の魔熊は、戦利品処理して亜空間収納へ。
スキル上げを終えて居間に行くと、カトレインが座っている。
彼女の手を取り、寝室へ。
二人でベッドに座ったタイミングで「私達、見捨てられるのでは無いのですよね?」と険しい顔をしてカトレインが聞いて来る。
そんなに不安なのか。
なので「俺が、カトレインをこれ程の求めているのに、分かってもらえないんだね」と、ある意味攻撃をしてみると。
「奴隷として。性欲の処理相手として、ですよね」と反撃をくらう。
「まあ、奴隷になってくれれば俺が捨てられる心配はなくなって安心だからね」
そう本心を隠さず言うと、それはそうなのだろうけど嫌ですと言う感じかな。
「でも、普通に俺の事を愛してくれたって良いんだけどな」
そう更に本心を言っても。
「こんな状況で愛せる訳がないでしょう」と言い返される。
「そうだけどさ。
俺の方は、君が泡を吹きながら痙攣して倒れた時、失いたくないって強く思ったけど。カトレインはどうだったの?」
「そんな事を考える暇すらありませんでした」
「そう。
なら、明日は俺の無事を信じて待っていてね。
出来れば、失いたくないって思いながら」
「あ……」
どうやら、俺が都市間の長距離移動と言うそれなりに危険な事をする事になるのを今頃気付いたようだ。
自分の事、自分達の事で頭がイッパイなのだろう。
「まあ、街道沿いは比較的安全だと思いたいけどね」
そう言うと、俯いて黙り込んでしまった。
なので「カトレイン。今日も無事でよかった」と言いつつ、彼女を強く抱きしめる。
そして、彼女の顔を上げさせてキスから。
今日からクトリアと同じ様にカトレインにも性技も使う。
驚いているけど、止まらないから。
『ダメです』なんて言われても、止まらないから。
乱暴にならない様に優しく、を意識して。
まだ2回目だしね。
大丈夫。
俺と違って性技スキルさんは有能だから。
キッチリ彼女と一緒に。
エッチだって、愛情をこめている。
少しは愛されていると思って欲しいな。
明日の予定を話し合った様です。
話し合いと言っても、彼女達は意見を言えるほどの知識が無いので、主人公の決めた通りにするしかないのですが。




